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本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

あおば寄席その91 柳家小三治 独演会。

2017年12月08日 | その他映像関連。
12月7日に電力ホールにて。電力ホールなんて何年ぶりだろう。10年は経ってるか。


わたしは落語を主に書物で読んで親しんでいる。家に「古典落語」のような文庫本がけっこうあったんですよ。
なので、古典落語作品は……けっこう筋としては知ってるんじゃないかなあ。
wikiに載っているのはほんの50本程度だけど、そんなもんじゃないよね?
タイトルを見て中身が思い出せるものは少ないので、その50本のうちわかるといえるのは20本くらいか。
芝居噺なんかも何本もあった気がするけど、多分50本のなかには入ってない。

まあ落語は話芸。文字で読んでも「落語を知っている」ことにはならないが。
まあ寄席にも2、3回行ったことはあるけれども。



柳家小三治は、わたしは主に高座ではなく、著者として親しみを持っている。
「ま・く・ら」「もひとつ ま・く・ら」「バ・イ・ク」は蔵書。すごく面白かった。
何度も読んで笑い転げた。

小三治。10年以上前のドキュメンタリーで、その当時で毎日手のひらいっぱいの薬を
飲まなければならないようになっていてショックだった。
病気のせいか、年よりだいぶ老けて見えましたしね……。
好奇心いっぱいで、行動力もあり、バイクツアーなんかもがんがんやってた人が。
まだ当時、60才前後でしょう。60才って言ったら老け込む年じゃありません。

77才になった今回は8月末に頸椎の大きな手術をしたこともあり、だいぶ……よろよろだった。
痛惜の思いで言う。
よろよろで、芸として見てるのが辛かった。
話を忘れたり、つっかえたり。笑芸は、憐れを誘うようではだめだと思う。
最後まで現役で行くという道を選ぶのは、それはそれで立派だと思うけれども、見てて辛くなるようでは。



全盛期の勢いはないのだろうが、それでも“まくらの小三治”は健在で。
その身体状況で、高座としては2回。負担だったと思います。
時間としてはどのくらいかねえ、18:30開演(多分少し遅れた)、
小八、世津子、小三治で20:15~20:30が中入り、その後も小三治で30分くらいだから。
一席目の方が少し長くて、まくらの部分が2、30分だったのかな。「千早ふる」で20分ちょい?
二席目は「宗論」。こっちの方がまくらと落語、どっちも短かった。
一席目のまくらが一番長かったね。

しかしやっぱり話はだいぶ取り留めがなくなっており、言い回しでちゃんと笑わせるんだけれども、
世間話の域を出ていないというか。
本で読む方が整理をされていて、まとまっていて面白いという側面もあるだろうが、
本になった当時は、言いたいことがあった上でのまくらの長さなんだよね。
でも今はまくらの時間を取ってあるから喋る。そういう時間。
まあたしかに、小三治が喋ってる、それだけで嬉しい気持ちはあるんだけれども。

まくらで笑えたところはいくつもあったが、どうも地元ネタしか覚えてない。
さいちのおはぎを楽屋で食べた、岩沼に疎開していた頃に食べたずんだ餅は美味しかった。
なんであたしが地元の人にずんだ餅のこさえ方をおせえなきゃならない。とか。
フランク永井は塩釜ですから(客席から鹿島台!という声が飛ぶ)いや、本人も塩釜って言ってたしね。とか。
そんな話を聞いているうちに、なんだか対面で喋っているような気になってきて、
色々合いの手を入れたくなってくる。みんながそんな気持ちだろう。


電力ホールは満席。
病後の体をおしてわざわざ来てくれた小三治に、多少なりとも応えることが出来ただろうか。
でも2月にまた山形で一席やるんだってよ。寒い時期だからねえ。大丈夫かねえ。


独演会というから、最初に柳家小八なる人、その次に奇術の花鳥世津子なる人が出て来た時は意外だったが、
それはそれで楽しめた。小八の噺は「金明竹」というもので、わたしはこれは初耳。
「寿限無」系ですな。どうにかして聞き取ってやろうと思って一所懸命聞いていたけれども、
知らない単語も数多く、結局2割ほどしかわからなかった。面白かったです。






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