The Very Hungry Caterpillar
バイリンガルの子どもの語彙を楽しみながら増やしていくコツは、同じ本の日本語版と英語版の併読です。大好きなお話を二倍読んでもらえるので、子どもは大喜び!だから、効果満点です。
大切なのは、日本語の絵本は日本語だけで通して読み、英語の絵本は英語だけで通して読んで、それぞれの言語の音やリズムを存分に味わうこと。
読みながら、いちいち翻訳したり、解説したりする野暮はやめましょう。お話本来のリズムを損なって、読むほうも聞く方も興ざめです。絵本を読み聞かせるお母さんが語学の先生Teacherになっちゃったら、子どもはがっかり。どんな時も、一緒に楽しむ仲間Buddyでいてください!
翻訳絵本は、翻訳そのものが正しいことはもちろんですが、それだけでなく、耳で聞いても自然な、よくこなれた、なめらかで美しい日本語になっていること、さらに、子どものよくまわらない舌でも言いやすい日本語になっていることが大事です。だから、日本語・英語で併読する翻訳絵本の選択は特に慎重に!本屋さんで選ぶ時には、目で文字を追うだけでなく、必ず声に出して音読してみてから読みやすい物を選ぶようにすると、失敗しません。
エリック・カールの「はらぺこあおむし Very Hungry Caterpillar 」は、そんな併読に是非おすすめの一冊です。
はらぺこあおむしは、大きくなるために、食べても食べても足りません。あれを食べても、これを食べても、「それでも、おなかがぺっこぺこ」「まだまだ、おなかがぺっこぺこ」"He is still Hungry!"。
リズム感あふれる短い文の繰り返しは朗読効果満点。もりひさしさんの日本語訳も素晴らしいです。エリック・カールの、カラフルなイラストと、あおむしが食べた「穴」がページにあいている(指を突っ込むのが楽しい!)斬新なデザインは子どもを興奮させます。
何度も繰り返される「それでもおなかがぺっこぺこ」"He is still Hungry" のフレーズを親子揃って大声で読み合って楽しみ、さらに、おやつのテーブルで、夕ご飯の食卓で、おかわりのたびに「それでもおなかがぺっこぺこ」"He is still Hungry" と親子揃って大声で引用して楽しむ、そんな親しみのある一冊になること請け合いです。