(新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々

補聴器を通じて聞こえる音は、残念ながら、世界のすべての音ではない。障害があると、残念ながら「世界が狭くなる」のが現実だ。

(資料)五輪「日本大躍進」報道のウソ、日本がメダル量産国になれない理由/窪田順生:ノンフィクションライター・・DIAMONDonline

2018年02月22日 08時34分15秒 | 政治的なこといろいろ
五輪「日本大躍進」報道のウソ、日本がメダル量産国になれない理由 http://diamond.jp/articles/-/160841?

平昌五輪を巡る報道にインチキが散見される。日本はメダル量産国ではないのに、見出しに「メダル量産」の文字が踊り、競技人口が少ない種目なのに「戦力が厚みを増している」との解説も。戦中の大本営発表にそっくりな報道に慢心するばかりでは、不足している競技人口の増加や選手サポート体制強化という、本当の量産国になるために必要な課題を見えなくさせる。(ノンフィクションライター 窪田順生)

◎日本は「メダル量産国」ではない マスコミ報道のインチキぶり

 なぜこの国のマスコミは、アスリート個人の功績を「日本の功績」にすりかえようとするのだろうか。

 ご存じのように、テレビや新聞では朝から晩まで、メダリストたちの感動の瞬間をレポートしている。彼らの素晴らしいパフォーマンス、これまで歩んできた苦難、支えてきた周囲の方たちの絆を知って胸が熱くなった、という方も多くいらっしゃることだろう。筆者もまったく同じ思いだ。

 が、そのような個人にスポットライトを当てた報道に紛れ込ませるような形で、読者や視聴者が「日本ってすごいんだな」と錯覚してしまう、かなり盛りに盛った話があふれているのは、見ていて不安しか感じない。日本人を気分良くさせるためには多少の行きすぎたハッタリをかましてもお咎めなし、というあまり褒められない環境になってしまっているからだ。

 たとえば分かりやすいのが、先日の産経新聞だ。

『日本メダル量産、最多タイ「戦力に厚み」 スピードスケート牽引 どこまで伸びるか』(産経ニュース2月19日)

 こう聞くと、なんとなく「日本の快進撃が止まらない」みたいなイメージを抱くだろうが、2月21日現在、平昌五輪公式ホームページの「Detailed Medal Standings」を見ると、日本は韓国、イタリアに続く11位。30個のメダルを獲得しているノルウェー(1位)や、23個のドイツ(2位)という本当のメダル量産国の背中すら見えない。

 国際オリンピック委員会(IOC)のデータで平昌以前の冬季五輪の獲得メダル総数を見ても、100個以上が当たり前となっている西側諸国と比較して日本は45個。ダブルスコア以上の差をつけられていて、アジア勢の中国・韓国(共に53個)よりも少ない。

「そういうレベルなんだから、はしゃいだらみっともない」、とか意地の悪いことを言いたいわけではない。日本のウインタースポーツを盛り上げるためにも、お祭り騒ぎのような「自画自賛報道」だけではなく、冷静かつ客観的に自分たちの置かれた状況も解説すべきだと申し上げたいのだ。

◎「大本営発表」と見まがうばかりの 欺瞞あふれる自画自賛報道

 また、この産経ニュースの記事では「躍進の一因は、スピードスケート勢の復権だ」とうれしそうに述べているのだが、これもかなりビミョーなもの言いだ。

「復権」とは、ひとつの時代を築き、栄華を誇った者が衰退して、また復活した際に使われる言葉だが、平昌以前の日本のスピードスケートのメダル獲得数は15個だ。オランダのように、これまで獲得したメダルが107個もあるような国が、低迷期を経て乗り越えたというのなら「復権」と言うのも分かるが、「まだまだこれから」というレベルにある日本が言うことに違和感を覚える。

 実際、オランダから見れば、日本は「スケート途上国」である。ソチ五輪後に、代表選手の強化のために招聘されたオランダのヨハン・デヴィット氏のアシスタントはこう述べている。

「日本には才能に恵まれた選手はたくさんいたが、彼らはそれを生かすことができていなかった。日本は世界2位のスピードスケート大国になれる可能性を持っているのに、その可能性を生かしていなかった」(AFPBBニュース2月10日)

 ちなみに、「ショートトラック大国」だと自画自賛している韓国は、これまで同競技で42個のメダルを獲っている。日本の15個で「復権」はいくらなんでも盛りすぎだ。

 ただ、なによりもこの記事で筆者が危ういと感じるのは、「戦力に厚み」というタイトルだ。

 大会前はメダル候補だと思われていなかったフリースタイル男子モーグルの原大智選手が銅メダルに輝いたことを受け、JOC関係者による「戦力が厚みを増している」という分析から引用したわけだが、これは太平洋戦争の大本営発表にも負けず劣らずの誇張ぶりである。

 スキーの競技人口は激減しており、フリースタイルモーグルとピンポイントになるとさらに厳しい。ソチ五輪時には600人弱ではないかと報じられている。小平奈緒さんや高木美帆さんのようなスターを輩出しているスピードスケートですら、笹川スポーツ財団のホームページによると、「競技人口は約2500人」だという。

◎サポート体制が不十分な中で メダルを獲った選手の凄み

 日本のマスコミが勝手にライバル視しているオランダは、日本の8分の1程度の人口しかいないにもかかわらず、スピードスケードの競技人口は1万人以上。複数のプロチームがあって切磋琢磨している。こういう国が「戦力に厚みを増してきている」と言うなら分かるが、ペラペラの薄い戦力層しかない日本が言っても強がりにしか聞こえない。

 なんてことを言うと、「こいつは反日サヨクだ!」、「メダリストの活躍を素直に讃えられないなんて日本人じゃない!」とすさまじい誹謗中傷にさらされてしまうので、断っておくと、筆者は日本代表アスリートや彼らを支えている方たちをディスっているわけではなく、彼ら個人の功績を、さも「日本の功績」のように語っている現状がおかしいと指摘しているのだ。

 平昌五輪に出場しているアスリートのほとんどは、自助努力で競技者人生を続けている。自分の限界に挑みながら、家族、友人、篤志家などに頼り、「資金集め」にも悪戦苦闘しなければいけない。

 小平さんの競技活動やオランダ留学費用などをサポートしていた相澤病院が注目を集めているが、大企業から支援を受けられるのは、フィギュアスケートの一部選手やプロスノボーダーのみなさんなど、ほんの一握り。なかには資金面で夢を諦めざるをえないプレーヤーもいる。


こぴーはここまで。続きは上記URLに入ってお読みください。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
«  #akahata 中東和平へ 多国間... | トップ |  #akahata 7割がミス増加指... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

政治的なこといろいろ」カテゴリの最新記事