Ununzの夢見

夢へと向かい、私の夢は私的捕らわれから下降しきれない私の夢。ですが、あれらは想像(創造)を補う地下水脈でもあるのです

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夢見【47】忍犬っぽい

2017-01-12 12:32:05 | 夢見
(2417字)
 犬に襲われる。体長2メートル弱、黒の強[コワ]いむく毛に埋もれた顔には光を反射する、深く濃い濡れたような黒目、潰れた鼻先は湿っている。脚は長くはないががっしりと、剥きだした牙は如何にも鋭い。唸っている。こちらに対して明らかに敵意があるようだ。足下は薄く砂の敷かれた地面、都内にある広い運動公園の一角にいる雰囲気。十数メートル先に植えられた落葉樹が等間隔に、前後左右周囲をほぼ円形に覆っている。天気は晴れ、時間帯は昼過ぎ。
 立ち上がると熊にも見紛う大きさだった。天に突き上げた前足を今にも振りかぶってきそうな勢いだ。おそらく凌ぎきれないだろう。仮に脚からの一撃に耐えても全体重をかけて掴みかかってくれば倒される。そうすればあとは牙の餌食だ。
 来た……両腕を十字にして受ける。避ける選択肢はない。運良く爪に引っかかれず、しかしずしりと重いものを貰った。顔の横にはこちらの肩に乗ったまま、しばし正面に向けて大きくゆっくりと息を吐く犬の横面。時々小さく左右に揺さぶられる。次の瞬間を図っている。
 両の掌で思いっきり突き放し一旦後ろに引こうとするも、相手の爪が二の腕に引っかかりその際に切り裂かれてしまう。
 血はさほど出ているわけではなく傷は深くはないはずが、右の腕が痺れてしまい持ち上げることが出来ない。さらに体勢を低くし、徐々ににじり寄ってくる。狩りに慣れているのだ、勝利をほぼ手中に収めんとする目前であればこそ、なおのこと獲物を仕留める最後の瞬間までは慎重さを欠いてはおらず、闇雲に力任せに飛びかかってきたりはしない。様子を窺い、決定打となる一撃を狙っている。互いの距離、わずかに3、4メートル。

 いよいよまずいことになってきた、いや元々から絶望的な状況だったのだと改めて意識させられた。足が言うことを利かなくなっていた。後ろに下がろうにも背は向けられない、それに全力で走ったところで相手の足ではすぐに追いついてしまうはずだ。地面の砂が細かな摩擦音を立てる……一分にも満たない時間、向こうとの変わらずの距離を保ったまま、前方に見えていた木々の緑が薄れていく。
 かかとのゴム底が異物を捉え、捉えた瞬間には体勢を崩してしまい、しびれで上手く使えない腕も突き出して必死に宙を掻く。一瞬の暗闇を振り払うとそこには新たな暗闇、ではなく空を覆うばかりの巨獣の姿が。
 諦めとともにあった瞳はいつしか恐怖を忘れ、閉じられることなく最後の時を見定めようとしていた。――視界の全面が黒一色に支配されやがて、勢いのともなった鈍く光る白い爪が迫ろうとしていたその刹那、目の前を右下から左斜め上方に飛び抜ける茶色の影。ひときわ大きな唸り声を上げ黒色の影は前景から遠ざかり、寝転がった状態から首を少し上げると周囲の地面に砂煙が立っていた。
 犬……小犬、体長50センチもない小振りな身体の柴犬だ。くるりと跳ね上がり左右に忙しく振られている尻尾は、それだけ見れば無邪気な小犬のものだ。しかし幼さの残る目に比べ表情は凛々しく、自信に満ち、精悍そのもの。肩から背中、腹筋、前後足の付け根にかけて筋肉は見事に均整がとれ、引き締まって美しい。

 瞬間のち眼前を覆う砂煙が立ち、獲物を掴む、いや、踏みしだく巨獣の前足が見えた。やがて巻き上がった砂が風に吹き飛ばされ、徐々に見えてくる漆黒の足元に無残に潰された小犬の姿が、顔を背けそれでも視線の隅で捉えた地面には、……なかったのだ。どうなっているのかと近くを見回せば、何と黒い獣の背後で姿勢を心持ち低くし、口を開けて先程より幾分呼吸は早まってはいるが、相変わらず落ち着いた表情で次の動きに備えている状態だった。
 こちらの驚きや安堵の感情が伝わってしまったのか、巨体にしてはかなり素早く振り返ると同時に今度は反対側の前足で引き裂こうと振り下ろす。今回はちゃんと目にすることが出来た。彼、小柄な身体は敏捷性、瞬発力に優れ、前方に飛び上がると爪を躱しながらも、あいだには手前に若干向けられていた背と腹が素早く入れ替わるさまに、自らの胴体に捻りを加えつつ相手の鼻先をかすめた。
 小さな足はほとんど音もなく着地した。が、振り返らずにいたとて傷を負った心配も、恐怖におののいていることで次の動きを採れずにいるなどとも全く案じさせない。数分前より一層立てられた尻尾は、肉体の躍動を高め充実を促す呼吸に合わせる。程度あくまで落ち着いた律動から左右へ揺れている様子、目の前の相手に臆するどころか、むしろこの状況を遊びの一種として楽しんでいるようですらある。

 一方、尻を地面にべたりとつけ両手で体を支えた体勢から右に視線を向けると、黒い犬はなにやら今までとは異なり、大いに激情へ支配された怒りを少々の隠し切れない動揺も含んだ声音で発し、首をしきりに振っているのだった。風の収まり静まった足下の砂地を見ると、灰褐色の一面に対して点々と赤黒く染まった部分があった。なにかを振り払うためか、数回にわたって執拗に空間を往復する顔面を見るに、鼻先がいやに濡れていることに気がつく。ではなく、血、――血を流していたのだ。全身を覆う黒毛より幾分赤みのかかった雫が垂れ続けていた。
 再び小犬のいる方に向き直ってみる。斜め正面から確認した肉付きは引き締まったものとはいえやはり小柄だったが、初めて目にしたその表情のまま興奮も怯えも一切なく声一つ発さず、目の前を見据る余裕が充分その身体へ力強さを与えているのだった。しかし相手を、状況を甘く捉え隙を見せる様子は微塵もなさそうに、あくまでも慎重に次の行動を準備しているかと構える姿は心強さをさらに確認させる。
 少し口を閉じ気味によく見るとほんの小さな、しかし顔の動きに合わせるよう揺れるたび、晴天の太陽から光線を受けては時折ちらつかせる獲物――刃渡り10センチ足らずの小柄を咥えていた。

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夢見【46】ジャーナリスト魂と満員電車(了)

2016-11-21 19:36:55 | 夢見

(576字)
 週刊現代とか女性セブンあたりの雑誌に近い雰囲気の紙面に、非常に綺麗な女性の顔写真が載っている。『黄金水ぶっかけ犯』という見出しだ。どうやら電車の中でレジ袋に入れていた小便をぶちまけたらしいが、それを取材に来たジャーナリストとの丁々発止のやり取り。
 最終的に女は、なかなか引き上げる素振りを見せないジャーナリストに業を煮やして警察を呼び、彼を暴行の容疑で逮捕させようとしたのだ。それが命取りだった。勝手に尋ねて来て家から帰らずにいるという男と女性の関係やら、知り合いではないと主張する女性の部屋に上がり込んで何をしようとしたのか、そのわりに質問へは堂々とした態度であることに警官は妙に思い、色々と調べているうちに『黄金水ぶっかけ』の犯行が露見することとなる。手錠をかけられやがては裁判を受けさせられる、女側にとって最悪の結果となったのだ。

 場面は変わって満員電車に乗っているが、なかなか発車せずに一旦停車する。ドアが開かれる。ちゃんと閉まっていなかったのかもしれないと感じ、私も一旦ホームに降りすぐにまた乗り込む。
 昔の片側式のファストドアに比べ、現在の両開きのパワードアは動力に負担がかかりこういった発車障害を起こしやすいとか。何回かそれが繰り返されたのちに電車は動き出す。

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夢見【45】苦しい夢(了)

2016-10-06 17:29:32 | 夢見
(824字)
 非常に眠いようなだるいような感じ。視界がぼやけてしまってほとんど利かずに、どこかの商店街の中を歩いている。右斜め上は濃い目の茶色に染まり、反対の左下は白一色に塗りつぶされていた。
 例えるならサンドイッチの具の部分に半透明のゼリーを挟んで、それを目の前にしながら世界を見ている息苦しい気分だ。茶色い方が耳のついた状態、白い方は耳が切り落とされたパンであると想像すると分かりやすい。色のついている部分にも微妙に濃淡があり、薄くなっている視線の中央に近い場所では向こうがある程度透けて見える。そして目に映る空間にはところどころにヒビが入っているようだった。
 本当にいま自分はやばい状態かもしれないと、さすがに焦りが出て背中に嫌な汗を感じる。息をするのも苦しく、そのうち本当に喉が塞がって死ぬのかもしれない。顔を軽く叩いてみたり目を擦ってみても一向に変化せず、全くマシな状態にもならない。

 白い車が左隣を並走している。自分が邪魔になってゆっくりしか走れないのかもと申し訳なく思うが、正面に向かって一歩づつふらつきながら歩くことしか出来ない。何度も車に凭れ掛れるも、そのたびに全身の力を振り絞って直前の体勢に立て直す。正直に言えば、道の脇に倒れこんでそのまま眠ってしまいたかった。例え死を意味していても構わないと。
 いよいよ目に見える風景はさらに狭まり、しかも見えているものは強烈にぼやけてしまっているのだった。これは本当に死ぬなという、強固な事実を目の前にした意外にあっさりした諦めと、歩けるところまで歩いてみようとする最後の意地の間をさまよいつつ、商店街をなんとか抜けると少しだけ視界が広がった。




※夢を振り返って:そういえば、道の右側に倒れこんでしまおうとは一度も考えなかった

目が醒めたのち首筋に少し違和感を覚え、寝違えた時ほどにはっきりしたものではなかったが、あれから十時間近く経ってこれを打っているいまもまだしっくりこない

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夢見【44】元コギャル、元山姥(了)

2016-09-06 17:12:52 | 夢見
(576字)
 焦げたような臭いがする。弟の背中は実際にパンなどが焦げたときと同じ炭化した状態になり、しかしそうなってる本人は全く気づいていない。

 教室の端にいる。中学同級生A代に似た男がかったるそうに口を開く。せっかく大学に入学したのに全然言っていたことと違って退屈だし、色々とサービスしてくれてもいいのにと、某三十代の女性タレントが学校のCMに出演していた際の姿を想像しての発言みたいだ。「あの女は自分のことをイケていると思って、かなり若作りの格好をしてみたらしいけど」呆れ顔で話す。学校が推し進めている新規入学者倍増のキャンペーンとして雑誌にも同様に紹介された、女性タレントの姿が紙面のまま目の前に現れる。

 肩まである黒髪のストレートを額の真ん中に分け、かなり濃い目の白塗り化粧に目の周りだけは真っ黒になっているので、パンダのようになっているのだった。黒いスウェットの上下に白黒の紙面ということもあってか、まるで死人にさえ見える生気のない表情だ。
 紙面には最近流行っている○○言葉として、軽いノリが特徴の新しい話し言葉が二三記されている。「し′」とは「じ」を使う際、もう少しニュアンスの弱さを伝えるときに利用する造語だ。「はし′」とは「恥」を軽くした感じだとか。それにしても話し言葉に関わらず、発音の仕方は結局分からなかった。


夢を振り返って:ちなみに「′」は分の記号だ

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夢見【43】ただの日常(了) 修正版

2016-08-07 12:52:11 | 夢見
(2493字)
 高校の制服を着て巨大SCの中を歩いている。時間になると掃除をしなければいけないと知っているので、近くの喫煙所の中に入り、とりあえずそこを掃除しようかと思う。ただ、自分の今の格好ではまずいかもと一瞬躊躇う。まあすぐ終わらせればいいか……軽い気持ちで中に入ったところをクラスメイトに見られていたらしく、すぐにクラスでもうるさがたが乗り込んできて捕まえられる。

 理由を話し放免された後にトイレで小便をしはじめ数秒後、密告をした同級生のT井田が入ってくる。私は小便器にこびりついた汚れを放出される自らの勢いで洗い流すことに集中していたが、一物自慢の彼は気づいた時には隣に並び、こちらのモノをなんとはなしのつもりを装いながらもかなり執拗に覗こうとしていた。期せずして互いが立てる音に包まれる連れションの形を取っていたので、子供じみた見比べ行為も微笑の内に受け取り、全体の雰囲気としては打ち解けつつある、と。まぶたを半開きに気持ちも安らかでいた。
 しかしそんな期待をしていたのは一方の思い込みに過ぎなかった。先ほど説明した、掃除のために入ったという話は本当かどうかと、態度をわずかに難化させたことを譲歩の証とはしても、疑り深い性格は根深にも相変わらずの探りを入れてくるのだった。
 
 三人くらいの男と再び制服を着て歩いている。自分はもう三十を越してしまったなどと考え、そう言えばZ河もそろそろ三十路を迎えるのだと一旦胸に落とし込んでみれば、何故だか過剰なほどに感慨が迫るのだ。
 目の前に現れた駄菓子屋に入る。手前に並べられた白い袋に入ったモナカを見ているとなかなかに美味そうでもある。隣には赤い餡のはみ出したイラストの書いてあるキムチ餡入りモナカも売っているのだった。五個入りで195円、予想よりも高いと感じた。

 部屋に戻るとZ河と合流することになる。相変わらずついついのはにかみ癖に自ら照れている様子でもあり、こちらもかつてからの表情を妙なむず痒い嬉しさとともに迎える。彼は、実は自分もついに三十路になってしまったよと告げようとしていながらも、口にするタイミングをことごとく外しているのだった。少しバツが悪いみたいだ。
 私にノートを取り出させ、そこの中に書かれた何かを確認して欲しいようだ。言葉の代わりにこちらに伝えたいことがあるのだろう。いつの間にか近くにあった、以前使っていた自分のカバンから三四冊を取り出す。彼は授業中ろくに勉強もせずにいて、様々な空想に耽っていたりしたとか。というわけで、似た趣味を持つ私にシンパシーを感じていたのだ。

 大学ノートを開くと何かのゲームキャラクターのリアルなイラストが描かれていた。よく見るとキャラクターの外枠は太めの黒マジック、中は色鉛筆で塗られている。
 私は教員がホワイトボードに記す文字を板書したり、思いついた文章を書いていたつもりでいたが、自作の塗り絵を作っていたことを初めて知る。周りの男達は肩口から覗きこみ、しきりに感心している。何枚かめくってみるとFF8のリノアが首を絞められそのまま体を持ち上げられている画。
 危機に陥って彼女は魔女化しようとしているが、その直前の姿だ。太く化け物じみた、血色の悪い腕によって胴体をガシリと抱え込まれ、呼吸も苦しげ。
 もう一方の手はリノアの首に掛かり、今にも力が込められようとしている。半透明の皮膚に紫の長い爪、節くれ立ったその手は魔女イデアのものだった。「心臓が握り潰される瞬間に意識を私に飛ばしなさい」とのこと。イデアは多分操られていて、残された意識で彼女も戦っているのだろう。
 よく見るとリノアは上着を着ておらず、貧乳にサラシを巻いている。残された力を振り絞り、相手の手を引き剥がそうともがくことによって短いスカートがずり上がりしまい、元々が体を持ち上げられていたせいもあって、下着が見えている。誰かが早速指摘すると皆が「おお」とどよめき、私も少し興奮するのだった。
 
 酒盛りが始まる。缶チューハイをたくさん用意し、漆塗りの黒い一人用座卓を各々の前に置く。旅館の宴会場風、二十畳程度ある部屋の中央に五六人でコの字に座っている状態だ。
 飲食店バイトをしていた頃によく来ていた常連客が途中参加し、畳へ直に置かれたアルコール度数8℃のチューハイを開ける。レモン味とトマト味があるようだが、彼は早速トマト味へと手を伸ばす。ぐびりとかたむけるが感じからして大して飲んでいない。傍目では酔いが回るにしても早過ぎると思えたが、直後にはヤケが混じったっぽいやたらな明るさ、少し大袈裟過なくらいの調子で美味いと一言だけ口を開くと、そのまま顔を真っ赤にして寝てしまう。ゴツイ見た目のわりにそんなに酒が強くないんだなあと畳に突っ伏した彼を横目に苦笑しながらも、自分も飲んでみたいという気持ちになる。

 酔い潰れた彼の知り合いが来て、こいつはかなり酒が弱いんだとのことをなんとなく弁明調で告げる。蓋が開けられ一口しか呑まれていない、畳に置かれたままになっていたチューハイを取り上げ口をつけるのだった。やはり美味いらしい。再び下に置かれた缶を次に私が手に取り、おっさん二人が口を付けたものかと一瞬躊躇してから、興味が勝りまあいいかと飲んでみることにした。
 酸味はせず、まろやかだが何の味か分からない。やがてみかん味だと気がつき、ひらがなの下手な字で缶の表面に「みかん」と書いてあることも確認された。缶を手刀で横に真っ二つにすると中に残った液体も明らかにオレンジ色で、浮いていている果肉からしてもトマトではないのだ。
 突然妹が出てきてあの二人がトマトって言うんだからトマトなんだ、お前なんかが勝手に判断するなと突っかかってくるのだった。
 私はこんな弾力のあるツルツルの果肉はみかんに違いないだろと主張するが、妹は全くそれを聞き入れず怒りをあらわにする。付き合いきれないと感じ一旦顔を逸らすと同時に、手にしていた缶がなんとなく気になりだし目を向ければ、中身を揺蕩[タユタ]う液体の色は赤でもオレンジでもなく、薄く濁った白色になっていた。

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夢見【42】ファイル星雲(了)

2016-07-04 19:56:41 | 夢見
(1488字)
 ゲームエッセイ(仮)というジャンルの新しい文章をどうやって書こうと考えていた。一つの文章ファイルに対して子ファイルのようなものが作られ、ゲームタイトルを冠した親ファイルの下には、
・と感じ
・~を思って
・~……
 等の名前を有する無数のファイルが出来てしまっている。中身はいくつかの単語を記した程度のもので、親ファイルの文章に組み込めばいい、というか、第一そうしなければどちらも形として成り立たないのではないかと感じさせられた。

 フォルダ内部のファイルの関連付けや偏在の分布を調べるソフトを使い、中身がどんな状態になっているのかを確認することにした。
 イメージとしては360度の円の中心点から全ファイルが、その数の分だけの直線が伸び等間隔で並び、最終的には円形へと展開する。例えばファイルの数が6ならば、60度ごとに直線が円の中心から外側に向かって一本引かれ計6本となる。10ならば36度間隔で1本、12ならば30度で1本という具合だ。ちなみに、直線の長さはファイルの情報量の大小(関連付けファイルの多さ)により伸縮する。

 それぞれの直線の頂点をつなげ結果的に形が正円になる場合は、フォルダ内におけるファイルごとの使用容量が等しいことになる。
 ソフトを使いグラフを確認すると、フォルダ内の他の文章ファイルに比べてゲームエッセイに関する部分の値が飛びに抜けて多く、正円とは程遠い歪な形になってしまっていた。

 次に表示方法を変え、子ファイルに該当する情報が親ファイルに対してどれくらいあるか、より視認しやすい3D表示で調べて見ることにした。
 先ほどと変わらず、ただ今度は中心点からフォルダではなく、子ファイル数/親ファイルを360度の域内に数値に沿った角度で空間が分けられている。他の文章を選択して値がどう見えるのか確認する。
 とりあえず、一般的な親ファイル各自に対して関連がある項目の中でもさらに分類される。続いて種類の識別に応じて角度が割り当てられた空間内には、子ファイル(関連付けのあるファイル)の存在は都会の秋の夕闇時に見える特等星のように、ポツポツと数個確認出来るだけだった。
 しかし、例の文章を扱った親ファイルを展開しその中の子ファイルの値を表示させると、まるで空気の澄んだ高原の夜か、いやプラネタリウムでも目の前にしたかの圧倒的な広がりを持ち、断片的な単語を内に宿した星々が空間に散らばっている。なんだか気味が悪くなった。
 これら全て、いつのまにか訳の分からない下位ファイルがたくさん作成されているからだと理由ははっきりしていたものの、だからと言ってどうしたらいいのか私には対策のしようがなかった。


※夢を振り返って:眠る寸前に、タイトルだけつけたゲームに関する文章のファイルを大量に作ったことは事実
まずは忘れないうち、外側のパッケージだけでも可能な限り整えておきたかったからだが、結果的にどういったゲームを扱うか、機種やジャンルに加えて実際にプレイした時期も、特に整理・分類もしない状態のままにしていた

それらの文章は、ゲームの遍歴と当時私の関わり方を記すのが目的だったので、本来は年代に合わせつつ順序に沿って表されることが正しい姿であると感じていた。が、しかし頭に浮かぶままの適当な順番でも仕方がないだろうなどとも思うのだ
そうでなければ、いつが最初であったかなどといった実際に触った時期や発売年に囚われ、または調べなければならず、一向にタイトルが決まらないということにもなりかねない
見ている時は非常に苦しい夢だった

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夢見【41】そんなリリーに騙されて(了)

2016-06-19 20:44:22 | 夢見
(540字)
狂死人病:生きている人間を見るとニヤリ笑いをしながら死体を見せてやりたくて仕方なくなる病気
黒猫懊悩症:西日本の人間が100%の確率で罹る

 タイガーマスク――1・2・3……マスター!! タイガーマスクの顔のアップから徐々に全身へと画面に現れ、それを覆い隠すように太い赤字のタイトルが流れる。
 タッグ・マッチかハンディ・マッチらしく、私は二人のタイガーを選ぶ。画面には現代風の洗練された線の細い洒脱な姿。敵は「○○リリー」という、全身をピンクのタイツで固めたスタイルのいい欧米系の女が、ひとりだけでこちらの相手になるようだ。眉毛は金、瞳は鳶色、唇はぽってりと熱くセクシー。『○○リリーは上海リリー♪』といったテーマソングがどこからか流れる。
 試合が始まると彼女は様子見をすることもなく、早速腰をかがめにじり寄りながら、タイガーに近づいたところでさっと伸ばした腕で包み込み抱きついてしまう。組み伏せて相手の体液を吸い取る戦法みたいだ。どうやら「○○リリー」は蝶の化身のようで、唇が20cm程度に伸びたかと思うとそのまま先端を尖らせていった。
 髄液は案外甘いとか、大腸から下の液は吸わないが理由は言わずもがなだとか。


※夢を振り返って:○○の部分は伏せてあるわけではなく、目が醒めしばらくして忘れただけ

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夢見【39】光明の無い闇に流され(了)

2016-05-15 21:04:53 | 夢見
(1045字)
 薄暗い道を進み階段を降りていく。行き止まりの正面にドアが二つある。両方共を開けてみると同じ部屋に通じている隣り合ったものだった。内部を隅々まで三回見回してみてから中に入る。どこからかの照明が目の前にある男性用小用便器を薄ぼんやり浮かび上がらせる。
 後からついてきたはずの男が部屋の中に入ってこない。どうやら怖がっているようだ。私も何となく幽霊が出そうに思えてきて、一旦部屋を出ることにする。足元が揺れている気がする。地震かもしれないと思う。狭い地下の奥の奥で地震に遭遇しては最悪だと感じつつも、いざとなったら目を開けて夢から逃げればいいのだと素晴らしい発見をした気分で安心し、もう少し成り行きを見守ってみる。

 目が覚める時に近い、半ば意識された上での場面転換がある。目の前は真っ暗、空には厚い雲が立ち込め、私はどこかの岩壁の一部が砕け崩れた、周囲3m厚み5mあまりの岩石の小さな浮島にうつ伏せになっている。首を上げ周囲を確認すると隣りを並走する岩塊の上で父母も似たような体勢で身を縮めているが、兄の姿が見当たらない。安否を気遣う。当初は動きを感じさせず、徐々に勢いを増し、なにやらそれぞれの乗っているわずかな地面は泥流の中を流され進んでいるのだった。父母はヘルメットをかぶっている。
 方々では岩が無数に流れ、着の身着のまま不安におののきながらも状況の変化に身を任せざるを得ない、家族の集まりや個人がばらけて点在している。少し離れた場所にいる恐慌と絶望に駆られた数人の若者グループは、いよいよ狂気に転身して以降、身軽に次から次へと不安定に揺れ動く足場を飛び移り、あるいは根っからあったものが開放された結果の凶暴性がむき出しとなり略奪を行っている。
 兄はどうやら生きているらしく、コンパスを握りしめ、自分たちの近くで流される方向を測っているみたいだった。父は何故か懐からたくさんの棒磁石を麻紐でくくった束を取り出し、目視の可能な範囲内で他に流されている数家族に渡そうとするが、その前に簡易の方位磁石にしなければならないと考えていて、かじかむ指先で重心の部分に紐を結び直す作業に手間取っている。
 略奪者に見つかるのではないかと私としては内心気が気ではない。後でいいからとりあえず家族単位でばらばらにならず、出来るだけまともな人間同士で集まったほうがいいのではと、同様に流される人々に声をかけようとするが、頭を上げると若者の暴徒たちに見つかりそうな気配があり、父に注意される。

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夢見【36】濡れた布団もいつかは乾く(了)

2016-03-25 22:44:53 | 夢見
(916字)
 所長のH守氏から私へ、あの組織で働くことの社会的意義についてありがたい話。

 彼は盗んでいないと、面と向かい一度も目を逸らさず至極冷静に、一切言葉をつまらせることもなく、穏やかな抑揚で告げた。そうなんだ――……だとしたら誰が。

 正座をした人の腿の上に正座をして座っている。目の前は幅十数メートルの擬似レンガ造りの階段の下り。右と正面にも同様の階段があり、それらに囲まれるようにして広いスペースの踊り場には、色とりどりの花が植えられた花壇は材質をやはり一[イツ]にしてある。顔を上げると奥には四、五階建ての巨大ショッピングセンターがある。最上階は庭園となっていて、一階下の外周もぐるっと囲む形にテラスとなっている。その外壁には地の色がピンクに、踊る勢いの白い筆記体で宣伝文句が書かれている横断幕。雰囲気は何故か厚木か海老名だ。
 布団を四つ折りにして脇に抱え件の階段を降りていく。乾燥機にかけ終わったので家へ帰ろうと思っている。途中で誰かに呼び止められ、今自分が運んでいるものが姉のものだったと知らされる。

 場面変わる。結婚式場なのだが、キャンドルサービスのために部屋の照明が消され、正面の新郎新婦と彼らの両親が座るテーブルだけが地面に埋め込まれた数個のスポットライトによって、光に浮き上がっているのだった。
 いつの間にか集合写真を写すために、列席者が全員三列に並んでいる。金ボタンの紺色ジャケットを着て蝶ネクタイに半ズボン、という出で立ちの小学生が視線の外から突然表れ、新婦に向かってにやりとして話しかける。どうやら初夜はどんな具合だったかとか、そんな感じの下卑た話題だ。周囲の人間は止めようともしないで無表情にカメラのレンズを見つめている。新婦だけが口に手を当てたり顔を背けたり、目尻の涙をショールで拭ったりしている。この地方の全く馬鹿げた習慣とかで、しかも子供達も最初の幾分かおどおどした、命令されて仕方なしにやっているいたずらといった感じはすでになくなり、彼自身が十二分に楽しんでいる実にグロテスクな光景だ。彼女は外から来た人間なのだろう。
 集合写真の最前段には黒い留袖を着た私の祖母が写り込んでいた。
 

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夢見【33】嫌なことを思い出す(了)

2016-01-22 12:27:24 | 夢見
(423字)
 N上とW森、そして私の三人でビリヤードをやっている。初めは順調にゲームを重ねていくが、N上はこちらに対して一人でやれといってくるのだった。何故だと思いながらも一人でやることにすると、二人で女の子についてやら何やら、密談めいた感じで勝手にやり始めた。どうにも気分が悪い。その話には混ぜてくれないみたいだ。
 ビリヤード台のラシャの端あたりには太さキュー一本分と同程度の棒が立っていて、そこに様々な大きさの木材が紐でくくりつけられたりネジ止めされている、一見乱雑に見えるが最終的に示される運動の終着は単純な目的となるところのもの、そのために作られた木製のピタゴラスイッチがくっついていた。邪魔に思い取り外そうとするが、N上は外さないほうがいいと少し遠くから、後ろを見せていた顔を半分だけ向け注意してくるのだった。
 結局何も出来ないしさせてくれない。彼らの関係は時々そんな感じになり、私もまた時々嫉妬をどうにも隠せないほどになることがあるのだ。 

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