Ununzの夢見

夢へと向かい、私の夢は私的捕らわれから下降しきれない私の夢。ですが、あれらは想像(創造)を補う地下水脈でもあるのです

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

夢見【39】光明の無い闇に流され(了)

2016-05-15 21:04:53 | 夢見
(1045字)
 薄暗い道を進み階段を降りていく。行き止まりの正面にドアが二つある。両方共を開けてみると同じ部屋に通じている隣り合ったものだった。内部を隅々まで三回見回してみてから中に入る。どこからかの照明が目の前にある男性用小用便器を薄ぼんやり浮かび上がらせる。
 後からついてきたはずの男が部屋の中に入ってこない。どうやら怖がっているようだ。私も何となく幽霊が出そうに思えてきて、一旦部屋を出ることにする。足元が揺れている気がする。地震かもしれないと思う。狭い地下の奥の奥で地震に遭遇しては最悪だと感じつつも、いざとなったら目を開けて夢から逃げればいいのだと素晴らしい発見をした気分で安心し、もう少し成り行きを見守ってみる。

 目が覚める時に近い、半ば意識された上での場面転換がある。目の前は真っ暗、空には厚い雲が立ち込め、私はどこかの岩壁の一部が砕け崩れた、周囲3m厚み5mあまりの岩石の小さな浮島にうつ伏せになっている。首を上げ周囲を確認すると隣りを並走する岩塊の上で父母も似たような体勢で身を縮めているが、兄の姿が見当たらない。安否を気遣う。当初は動きを感じさせず、徐々に勢いを増し、なにやらそれぞれの乗っているわずかな地面は泥流の中を流され進んでいるのだった。父母はヘルメットをかぶっている。
 方々では岩が無数に流れ、着の身着のまま不安におののきながらも状況の変化に身を任せざるを得ない、家族の集まりや個人がばらけて点在している。少し離れた場所にいる恐慌と絶望に駆られた数人の若者グループは、いよいよ狂気に転身して以降、身軽に次から次へと不安定に揺れ動く足場を飛び移り、あるいは根っからあったものが開放された結果の凶暴性がむき出しとなり略奪を行っている。
 兄はどうやら生きているらしく、コンパスを握りしめ、自分たちの近くで流される方向を測っているみたいだった。父は何故か懐からたくさんの棒磁石を麻紐でくくった束を取り出し、目視の可能な範囲内で他に流されている数家族に渡そうとするが、その前に簡易の方位磁石にしなければならないと考えていて、かじかむ指先で重心の部分に紐を結び直す作業に手間取っている。
 略奪者に見つかるのではないかと私としては内心気が気ではない。後でいいからとりあえず家族単位でばらばらにならず、出来るだけまともな人間同士で集まったほうがいいのではと、同様に流される人々に声をかけようとするが、頭を上げると若者の暴徒たちに見つかりそうな気配があり、父に注意される。

この記事をはてなブックマークに追加