マイクロソフト、米ヤフーに買収提案・4兆7500億円、グーグル追撃
【シリコンバレー=村山恵一】米マイクロソフト(MS)は1日、米ヤフーに買収を提案したと発表した。買収額は446億ドル(約4兆7500億 円)。両社のネット事業の売上高を合計すると年間94億ドルに達し、グーグルの売り上げの6割程度に迫る。世界最大のソフトウエア会社であるMSとイン ターネットサービスの草分けであるヤフーの経営統合が実現すれば、ネットを中核とするIT(情報技術)業界の勢力図が大きく塗り替わる可能性が高い。
ヤフー買収は、MSのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)がヤフー取締役会に書簡を送り提案した。MSは現金と株式を組み合わせてヤフー株1株を31ドルで取得する。この金額は1月31日のヤフー株の終値を62%上回る。
ヤフーは1日、「取締役会は提案について慎重かつ迅速に検討する」とのコメントを発表した。同日の米株式市場でヤフー株は一時、前日比50%以上急騰した。 (01日 23:02)
ヤフー日本法人、高い独立性 影響は不透明
2008年02月02日01時14分
ヤフーの存在感が圧倒的に強い日本のネット界に、今回の動きがどう影響するのか、現時点では不透明だ。MS幹部は1日の電話会見で質問に対し、今回の統 合提案に関連して「日本でもヤフーブランドで展開しており、(日本法人の筆頭株主である)ソフトバンクとヤフーとの関係に大きな変化はない」と語った。
ヤフー日本法人の広報担当者は「米国で提携の話が出たからといって、すぐに影響があるとは思わない」。担当者が強調するのは、資本関係 での米ヤフーからの独立性の高さだ。ヤフーの親会社は41%余りを出資するソフトバンク。米ヤフーは2位株主ながら33.42%だ。加えて事業上も、ネッ ト検索エンジンでは30人以上の日本人研究者が独自の開発をするなど、自由度が高い。米本社中心のグーグルとは対照的だ。
ヤフーの親会社で米ヤフーにも3.9%を出資するソフトバンクは「詳細が分からないので現段階ではコメントできない」。ただ、あるソフ トバンク関係者は「MSとソフトバンクのトップ同士の関係は友好的だ」として、「ただちに変化を迫られることはないのではないか」との見方を示した。
一方、グーグル日本法人は「他社のことなのでコメントは控える」(広報)。だが、同社関係者によると、買収提案のニュースが社内に流れても「ほとんど話題にならなかった」と言い、余裕とも取れる雰囲気だ。
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