鉛筆で『爆弾投下せり』 『エノラ・ゲイ』飛行記録落札4100万円
2007年10月30日 夕刊
エノラ・ゲイの飛行記録の一部。午前9時15分15秒に「爆弾を投下」(上から4行目)などの記載がある(ヘリテージ・オークション・ギャラリー提供)=共同 |
【ニューヨーク=石川保典】第二次大戦で世界初の原爆を広島に投下した米爆撃機B29「エノラ・ゲイ」の飛行記録が、米テキサス州で競売にかけられ、三十五万八千五百ドル(約四千百万円)で落札された。
競売会社のヘリテージ・オークション・ギャラリーが二十九日、明らかにした。
飛行記録は、エノラ・ゲイが一九四五年八月六日に太平洋西部のテニアン島を飛び立ち、爆弾を投下して約十二時間後に同島に帰還するまでの経緯度による飛行位置、時刻、速度などを記録したもので、作成した同機の航空士セオドア・カーク氏が所持していた。
時刻は日本より一時間早い同島の現地時間で記され、午前九時十五分の欄には「Bomb Away(爆弾投下)」と鉛筆で書かれている。ほかに帰還後の搭乗員の写真なども一緒に競売されたが、落札者の名前などは明らかにされていない。
ヘリテージ社によると、エノラ・ゲイの飛行記録については、一九九〇年に元副操縦士の妻が競売にかけたが、カーク氏が「本物は自分が所持している」と告げ、競売が中止になった経緯があるという。
<メモ>エノラ・ゲイ 太平洋戦争末期、広島に原爆を投下した米軍のB29爆撃機。1960年に解体されたが、2003年12月からスミソニアン 航空宇宙博物館新館が復元機を一般公開している。展示の説明文は性能の記述が主で、原爆投下の事実は記載されているが被爆状況には触れていない。1995 年に機体の一部が同博物館で特別展示された際にも、日米間で投下をめぐる歴史論争へと発展。当時の館長が辞任に追い込まれ、原爆被害の悲惨さを伝える歴史 資料の展示が大幅に縮小された。 (共同)
保守記事.215 夏と言えば、戦争
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