都営浅草線の車内で虫飛び交う 駅員、駆除に追われる
都営浅草線の起終点・西馬込駅。夏になると、北総線を走ってきた列車では、カナブンや羽アリが見つかる。駅員がティッシュペーパーで捕獲したり、ひどい時には殺虫剤をまいたりする。乗客からは「虫が多いね」と指摘されることもあるが、駅員はあきらめ顔だ。
蚊、羽アリ、ガ、コガネムシ、カゲロウ……。そんな虫に混じり、時にはカブトムシやクワガタも乗り込んでくる。
北総線の千葉県側の起終点・印旛日本医大駅(印旛村)と隣の印西牧の原駅(印西市)。沿線の千葉ニュータウンの開発はまだ半ばで、駅周辺は閑散としている。
この時期には、午後7時ごろからホームの照明や列車の電灯めがけて虫が集まる。両駅とも列車が折り返しのため停車していると、開いているドアから、虫が入り込む。
北総線は、京成線、京浜急行とも相互乗り入れしており、北総線に乗った虫は都内を通って、神奈川の三崎口駅まで運ばれることも。走行中はおとなしいが、駅に停車すると、カナブンが飛び回り、ガが鱗粉(りんぷん)をまき散らす。
虫の多さに、終着駅で車両を車庫に引っ込め、代車に入れ替えた社もあった。異臭騒ぎになっては、との配慮から殺虫剤も使いづらく、数年前には「迷惑している。虫対策をお願いします」と文書で要請されたことも。
北総線を運行している北総鉄道は02年6月、両駅に計3台、光学吸引式の捕虫機を設置。さらに、列車の発車1分前までドアを閉め、ホームの電灯を一部消したが、だめ。今年6月、捕虫機を5台増やしたが、目に見える効果は出ていない。
60年代末に計画が決まった千葉ニュータウンの当初見込み人口は34万人。が、オイルショックやバブル崩壊の影響で、現在は約8万1000人にとどまっている。
北総鉄道幹部は、「虫対策は、駅周辺に明るい建物がいち早く建つことに尽きる」。特効薬はなかなか見つからない。
ホーム上に備え付けられた捕虫機。通勤帰りの会社員の頭上で、「バチッ」と鳴り響く=千葉県印西市の北総線・印西牧の原駅で
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