オクトシティー正直村

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厚生労働省コロナ関連アプリ開発のお粗末

2023年05月12日 | Weblog

元々は、症例情報迅速集積システム(FFHS)」があった。

 また、国立感染研究所にはサーベランスシステムなるものがあった。2009年の新型インフルエンザの教訓から、サーベイランスシステムを強化するためFFHSの研究が2013年から開発が開始している。そして、今回のコロナウィルスで成果を発揮する予定であったが、厚生労働省は何を思ったか、2020年急きょ感染情報管理システム「HER-SYS(ハーシス)」の開発を開始した。開発を主導したのは橋本岳副大臣(当時)である。彼はFFHSについての情報を知らなかったと言う。お粗末なものである。

コロナ接触確認アプリ「COCOA」の不具合は有名である。

 厚生労働省はこの開発業務を約4億円でパーソナルプロセス&テクノロジーと言う会社に委託している。これをマイクロソフト社などの3社にに丸投げで再委託し、マイクロソフト社はさらに2社に再々委託している。パーソナルプロセス&テクノロジーはハーシスの開発も受注しているが、これも委託先に丸投げである。こんなことが許されていいわけがないと思うが、誰も追求する人はいない。たぶん、金で丸く収まっているのだろう。しかし、アプリが使い物にならないのであればこの金はどぶに捨てたようなものである。

厚生労働省の科学研究には毎年約3億円の研究予算が投入されている。

 ここで10年以上にわたって開発していたシステムがフイになったのである。これに対して何の反省もないし、教訓事項さえわからないままである。国の仕事はこんなことの繰り返しであるが、未だに懲りないようである。目新しいだけで予算を投入するのも考え物であるし、画期的と言われるものほど膨大の費用を必要とし、実際には使い物にならない。結局コロナ関連の国が発注したアプリは使い物にならないまま終わってしまった。

そして、今度はパンデミック対応と言うことで、新たなシステムを開発しようとしている。

 当然、また大量の予算を投入するつもりである。DXもいいが、改革しなければならないのはお役所体質の方である。予算を獲得して外注丸投げで発注するが、発注を受けた業者も下請け孫請けにしてしまって、いったいどこに責任があるのか全く分からないし、不具合の原因を突き止めるのも不可能に近い。当然お役所の担当者は何も理解していないし業者の言いなりであり、とんでもない数字が予算として計上されている。一般の会社がこんなことをしたら即倒産である。

確かにコロナウィルス対応は初めてのことであり、拙速でも仕方なかったかもしれない。

 考えるべきは、コロナウィルスに限らずその他の感染症対策があまりにもお粗末であったことである。国や自治体の対応能力が低くて、有効に機能していなかったことをもっと反省すべきである。本来であれば国を挙げて自治体を挙げてすべての組織がフル稼働で対応すべきなのである。その総合能力が心もとない。一部の部署に押し付けてその他は自分に関係ないと思っているし、手を出そうとも思っていない。コロナ関連アプリが機能しなかったのも総合機能が見落とされていたためである。

受付や申請手続きデータ入力、データ管理、閲覧、出力、分析などはお役所のどの部署でも共通の業務であり、

 そのことに精通しているプロがたくさん存在するはずである。考えてみるとお役所仕事のほとんどがコンテンツは変わってもやっていることは同じである。そうであれば、組織を挙げて総力で取り組めば素晴らしいものが出来上がるはずである。個別のツギハギだらけの業務になっているので、全体はバラバラと言ってもいいし、相互の連携はほとんどとれていない。年度毎の部署ごとの単発の予算要求の弊害であろう。即刻見直すべきである。

はっきり言うと、DX以前の組織論の話である。

 旧態依然とした中で、旧来通りのやり方を踏襲し、部署ごとに権限と縄張りを争ってどんぐりの背比べをしていても仕方ないだろう。どうすれば有効に機能する業務処理システムができるのか、国を挙げて自治体も巻き込んで考えなければならないのだろう。金に任せて業者任せにしていても問題は解決しない。問題を解決するのは国や自治体そのものであり、問題を見つけるのも自分たち自身なのである。周囲の誰も直接は手を出せないし、お客さんである国や自治体が訳がわからないのでは問題が解決するはずもない。

何でもかんでも第三者委員会や有識者会議にしてしまうが、

 責任逃れも甚だしいし、責任を取ろうともしない。責任は第三者委員会や有識者会議に放り投げているし、結果が気に入らなければ簡単に無視してしまうし、何が気に入らないのかもはっきりしないままである。自分たちのやり方で、やり始めると、周囲や内部から不評が出て、先に進めないために仕方なしにやっているのだろうが、これそのものは自分たちの無能さをさらけ出しているだけである。本来であれば周囲や内部から非難されない説得力のある素晴らしいやり方を自分達で作り出して実行すべきなのである。外部の意見は参考にしか過ぎないし、採用するならその責任は自分達がとるべきなのである。


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