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能率的・効果的な学習法について(夏休みで生かして!)・能率的な作業法について

2019-07-26 11:15:16 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
夏休みですし、休み明けには大学入試等もだんだんに本格化してきます。今回は学習法について、基本的な部分を確認でき利用に便利かと思い、表題のとおりとしてみました。読んでみてください。


◎能率的で効果的な学習に必要な要素は?
 能率が上がり学習効果の出やすい学習法があると言われています。この考え方では、学習に取り組むときに、次の5つの要素がしっかりと保たれていると、能率的・効果的な学習が行われやすいとされています。
 5つの要素については、次の5つが示されています。すなわち、 (1)自覚性、    (2)自立性、 (3)持続性、 (4)安定性、 (5)入念性、の5つです。
 各言葉の意味を、一つ一つについてわかりやすく説明してみたいと思います。
◎各要素の意味や必要性について考えてみたいと思います。
(1)自覚性について
 「自覚」ということばの意味は、「自分の置かれている位置や状態、また自分の価値・能力などをはっきり知ること」とされています。
 わかりやすく表現を変えてみると、その人が、「自分にとっての学習の意味や意義、必要性、大切さ等について理解していること」と考えられます。
 さらに言えば、自分が今置かれている立場を理解して、「きちんと正しい姿勢で取り組んでいること」、「計画的を立てて学習していること」、「予習復習を行っていること」、「いろいろ工夫して学習していること」、「応用にも取り組んでいること」、「時間を上手に使いけじめのある生活をしていること」など、(2)から(5)で示した各要素の基本を守って学習しようとする気持ちを「学習への自覚性」と言うようです。
 自覚性を高めるには、将来ついて、自分なりの目標や展望を作ることがよいと思います。目標が立てにくい時には、まずは近い毎日の小さな目標を設定して取り組み、その目標を達成することを繰り返していくことで、自覚性を高めやすくなると思われます。
(2)自立性について
 「自立」の意味は、「他への従属から離れて独り立ちすること、他からの支配や助力を受けずに存在すること」とされています。
 自立した学習、自立性のある学習とは、学習の大切さや意味を自覚しながら、周囲に頼らないようにして、自分自身の力で自主的に学習に取り組むことを意味しています。
 自立しているとは、他からの援助を期待するのではなく、あくまでも自分の問題として受け止めて取り組もうとする意志と姿勢を示していると考えられます。
(3)持続性について
 持続は、「ある状態がそのまま続くこと。または保ち続けること」を意味しています。 持続性とは、学習に対して、根気強く継続的に取り組もうとする姿勢を示しています。自分で学習するときに、根気強く、継続的に、集中して取り組もうとすること、あるいは、集中した状態を保とうと努力することと考えられます。        (裏に続く)
 持続性を高めるための方法としては、まずは学習に必要のないものを片づけ部屋を整理整頓して学習環境を整えること、はじめは好きなものから学習に取り組んで、なるべく長く取り組んで見ること。それから取り組むものを他に広げる等、自分なりに、学習上のいろいろな創意工夫を積み重ねていくと、根気強く学習する姿勢が身に付くと思われます。
(4)安定性について 
 安定とは、「物事が落ち着いていて、激しい変動のないこと」を意味しています。
学習における安定性とは、「気持ちを落ち着けて学習に取り組めているか」、「やるときとまったくやらないとき等の学習にむらがなく安定して取り組めているか」、「先生や家の人、周囲の人とよい人間関係を持って気持ちを落ち着けていられるか」等の、学習者の生活の状態を示していると考えられます。気持ちが安定していることや人間関係が安定していること、取り組みが安定している状態が保たれていると、学習もしやすくなり、成績にも大きな影響を与えると考えられます。
 安定性を増すためには、自分に対して、「落ち着いてやろう」「自分はできるよ」等の声かけをして、なるべく気持ちを落ち着かせて取り組むこと。また周囲の人との関係をよくするように心がけて、気持ちの落ち着ける環境を作ること。落ち着いて冷静にがんばってみて、「何とかなりそうだ」「やれそうだ」と思えるような経験をなるべく多く持つように努めること。日頃から心を落ち着けて行動するように心がけること等が大切と考えられます。また、力を尽くして取り組めると、結果にかかわらず気持ちが安定して来ることがありますのでやってみてください。呼吸を整えてみることも大切です。
 
(5)入念性について
 入念とは、「細かいところまで行きとどいていて、ていねいなこと」を意味しています。
 入念性とは、「学習に対して、どれだけ細かく注意して、ていねいに行われているか」と言うことです。
 具体的には、授業や学習の記録であるノートを作成するときに、「どれだけ自分でわかりやすく、覚えやすく」等の工夫をしているか。「学習の内容を自分なりに図や表で表してみたりして、わかりやすいように整理しているか」、「色鉛筆やマーカーペン、多色ボールペン等を必要に応じて使い分けて整理する」等の細かい工夫をしているか。「線引き等の必要な文房具をきちんと使っているか」等、細かいところまで気を使った学習をしているかのことを示していると考えられます。

◎今回は、能率的で効果的な学習について触れてみました。要約すると、学習の意義や価値、今の自分の状況を見つめて自覚すること。自立して自分の考えで自ら取り組んでみること。工夫して継続して根気強く学習すること。気持ちを落ち着ける工夫をすること。ていねいな取り組みをすることが大切なことでした。
 5つの項目は互いに深く関係していると思われますが、まずは自分の力で振り返ってみて、よくできている部分、もう少しかなと思う部分等をはっきりとさせてみてください。そして、できていることをさらに伸ばして、改善点は根気強く取り組んでみてください。
 取り組んでみることでたくさんのことがわかってきて、今後や将来のことを考えるのに役立つことと思います。夏休みやその後の学習に参考にしていただけると幸いです。

以上のことは日常的な仕事や作業でも同様と思われます。参照してみてください。

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アンガー・マネジメント(怒りの感情への対応)について

2019-07-03 10:20:52 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
今回は標題のとおりについて考えてみたいと思います。
最近は、コントロールできない、あるいはできていない怒りの感情が突然にも非常に強く表現されて、悲惨な事件につながるようなことが多くなっているように思われます。
 また、はっきりとした言葉では言い表せませんが、社会の表情に、人々の怒りを見るようなことが多くなってきているようにも思われます。
 社会全体が、感情の漂流に影響されて、暴力的に乱暴になってきているようにも思われます。

 以上のようなことから、ライフ・スキル(生活技術)の一つとしての「怒りへの対応」、「怒り」の心理と、そのコントロール(アンガー・マネジメント)について触れてみたいと思います。
 
◎怒りの感情は人間の基本的な感情
 喜怒哀楽とも言われるように、生活しているといろいろな気持ち・感情が起こってきます。特に怒りの感情は、最も基本的な感情なのでこれを無くすことは不可能と思われます。大昔、人が動物を狩りしていた頃には、獲物をとりたいという気持ちを怒りや攻撃の気持にして、恐怖や困難に向かっていって獲物を取っていたのだと思われます。
自分の願望や希望、思いを実現したいと思う気持ちは誰にでも普通にありますが、それが満たされない、自分の思っているようにならない等の時には、イライラや不安、欲求不満の強い気持ちになり、それらは簡単に怒りの気持ちに代わってしまうことがあります。
現代の社会では、適切に処理されない怒りが社会や市民に向けられ悲惨な事件も多く起こっています。怒りの感情に適切に対応できる力(アンガー・マネジメントとかアンガー・コントロール・スキルとか言います)がとても大切です。

◎怒りへの適切な対応法(アンガー・マネジメント)
(1)なるべく早く自分の怒りに気づく。
自分の気持ちをいつでも冷静に見たり感じたりすることはけっこう難しいことでもあります。無意識のうちに、感情の動きに巻き込まれて思わぬ行動を取ってしまうこともあります。でも、怒りの気持ちにはサインがあるようです。気持ちが落ち着かなくなる、イライラが大きくなる、身体がカッとなって暑くなる、動悸がする、呼吸が浅くなる、頭が真っ白で何も考えられなくなる、等のサインが出ることが多いです。これらは他の時でも出ますし、著しく大きく出ることは少ないでしょうが、平常心が保たれないような状態になると、怒りの感情がどんどん大きくなっているサインですので、頭に来そうになったらまずそれに気づくことが大切です。自分の心の状態をなるべく冷静に観察してみることが大切です。
(2)怒りが起こった最初のわずかの時間をしのごう!
 怒りに対処するには「最初の6秒」がカギになると言われています。怒るとアドレナリンが急激に分泌されます。アドレナリンは身体の活動を活発にするホルモンです。何かに立ち向かうときには、アドレナリンの分泌とともに筋肉も収縮していつでも活動できるようになります。アドレナリンの分泌がピークになるまでの時間は、わずか6秒くらいとのことです。怒りを放置しておいて、アドレナリンがさらに多く分泌されると、まさに、「火に油を注いだ」状態になって、自分でもコントロールできなくなって、我を忘れた行動になってしまいます。怒りの初期で気づくとともに、うまく処理してしのぐことが大切です。
(3)怒りの気持ちが発生したらどうするか
 怒りへの緊急的な対処法は、
①額に手を当てて数を数えること。前頭葉は知性の脳です。そこに手を当てて感情をコントロールしましょう。少しなでると血流がよくなって更に効果的です。
②水を飲む。水は火を消すものですから、飲むことで燃え盛る怒りの火を消すことができます。冷たい水は気持を落ち着かせます。脳の血流もよくなります。
③深呼吸をする。深い呼吸をすることで気持を落ち着かせます。まず吐いて(なるべく長く5~6秒)、その後吸う(4~5秒くらい)。秒数を意識しながら呼吸すると、怒りの気持ちも鎮まるようになります。新鮮な空気と血流が身体中を巡って、怒りがどこかへ飛んで行ってしまいます。

◎ふだんから自分に声かけをする
 毎日が困難や気持ちの変動の多い大変な日々です。自分で自分に対して、平常心を保ち元気づける言葉を掛けるのもよいことだと思います。言葉の力はけっこう強いものがあります。自分で声かけをするのもとても有効です。
 短く簡潔に、しっかりと自分に声かけすることで(セルフトーク)、その言葉の影響がじわじわと出てくると思います。
 自分にかける言葉は、 ・落ち着いてやろう ・自分は大丈夫 ・コントロールできる 等です。
 上に記述したことは、怒りの場面だけでなく、日常的な他の場面でも十分に応用や活用ができると思います。やってみてください。
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