不登校 いじめ 教育相談 生徒指導 解決支援ブログ

不登校やいじめ 教育の課題、教育相談 カウンセリング 生徒指導等について、課題解決のための具体的方法について述べます。

便り 10 心の居場所が得られる時と場所は・・・

2024-10-14 10:37:44 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
こんにちは。
またUPしてみます。
今回でこの年度の最終回でした。
心の居場所があると本当にほっとしますね。

   スクールカウンセラーだより  №10     保護者用

 立春の季節となりましたが、まだまだ寒い日が続いています。保護者の皆さまには変わらずご健勝のことと存じます。前回は、かかわり日誌の勧めということで書いてみましたが、今回は「心の居場所」について触れてみたいと思います。よろしくお願い致します。

◎「心の居場所」の意味について
 不登校やいじめの問題等、教育にかかわる問題の発生の中で、文科省も、「心の居場所」の大切さに触れています。
 「心の居場所」とは、簡潔に表現すれば、心が休まる場所、心が落ち着く場所と考えてよいと思います。また、特定の場所をさすだけでなく、気持ちの安定する人間関係、安心できる人間関係と考えてもよいと思われます。さまざまなストレスにさらされる現代の社会においては、気持ちの休まる場所や関係があることは、とても大切なことと思われます。

◎中学生たちは今
 現代という時代は、日々の変化が早く大きく、高度で複雑に発達した時代です。このような時代の中で、生徒たちも大きな影響を受けています。学習も高度になっています。人間関係も複雑です。中学生になると、本格的な思春期となり、乗り越えるべき発達上の課題もたくさん出てきます。
 場合によると、適応することが大変になって、ストレスを感じることもあると思います。
学校と家庭の連携を強化しながら、生徒の実態に即して援助の活動を行っていくことが大切になると思います。

◎家庭における人間関係
 保護者の皆さんも、いろいろと工夫等をしながら、ストレスに対応していることが多いと思います。しかし、子どもの場合、具体的な対応と言っても難しいのが現実です。場合によると、通常では認められない方法でストレス解消を目指す例も起こってしまうこともあります。
 子どもが、家の人と話すことやかかわりを持ってもらうことで、いろいろな対処法に気づいたり、新たな気持ちになれたりして、ストレスの軽減や解消につながれば、それが本人にも周囲にとっても、害のない良い方法だと思われます。
 家庭内における子どもとの関係について、ふだんから振り返って見ることが大切と思われます。

◎大変さへの共感とサポート
 「心の居場所」があまりなく、つらい状態が続くと意欲が低下してくることがあります。
まず、心が落ち着いて、ゆとりを持って考えられる場所や人間関係が必要です。心が落ち着くのは、思っていることを表現できて、理解してもらえたときだと思われます。
 子どもの心に目を向け、理解を示しながら、必要に応じて励ます等の活動が大切だと思われます。


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便り 9  かかわりの質と量(かかわり日誌のお勧め)

2024-10-11 08:21:52 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
こんにちは。いつも見ていただいてありがとうございます。

今回も、便りの続きを掲載したいと思います。また、コメント等もお願いします。参考になる部分がありましたらご活用いただけるとうれしいです。
内容は人間関係に関するものゴア中心ですので、親子、学校等以外でも企業や組織でも使えると思いますのでご活用をお願いいたします。

   スクールカウンセラーだより  №9     保護者用  
                                                     
 新しい年になりました。寒さの厳しい季節ですが、保護者の皆さまには変わらずご健勝のことと存じます。昨年は、主に親子関係について触れてみましたが、今年はもう少し具体的に考えてみたいと思います。よろしくお願い致します。

◎かかわりの量と質について
 子どもは、周りの人や親のかかわりの中から、自分に必要なものを取り入れて成長して行きます。従って、周囲の人のかかわりの量や質が大きく影響を与えると考えられます。

◎かかわりの量について
 日常の中で、特に強く意識することもなく親子のかかわりが行われています。かかわりの量とは、ふだんの生活の中で親と子どもが交流するコミュニケーションの量のことです
 かかわりの量は、忙しい生活の中で、ともすると少なくなったりすることもあります。また、子どもが中学生にもなると、けっこう反発もするようにもなり、つい、かかわりを控えてしまうこともあります。
 子どもの成長にとっては、親からのかかわりは大切なものですので、子どもの実情に合わせて様子を見ながらでも、適度にかかわりを持つことが大切だと考えられます。

◎かかわりの質について
 親からのかかわりの質も大切です。親から子どもへのかかわりが、一方的に言いたいことを言うだけでは、望ましいかかわりとは言えません。
 大切なことは、親と子が相互に落ち着いて会話ができること。特に、子どもが、自分の思いや考えを言えることが大切だと考えられます。子どもの思いが表現できるようなかかわりが、子ども自身の成長につながる機会になると思われます。
 親子の交流が、子どもが求めているものを満たしてあげられるような交流になっているか。かかわりの質を考えてみるのも良いことと思われます。

◎かかわり日誌のお勧め
 ふだんの生活の中で、子どもに、このようなかかわりを持ったら、このような反応があった。かかわりの中で、このような言葉の交流ができた等について、記録してみることもよいのではないかと思われます。時間の都合等で細かく記録できなくても、だいたいのことや親の印象に残ったことをメモしておくことでよいと思います。
 日誌をしばらく続けてみると、親からのかかわりの仕方や内容など、親の特徴が見えてくると思います。それを落ち着いて冷静に見ると、親のかかわりが子どもの成長に役立っているかどうか、子どもが成長しているかどうか等が自然に見えてくると思います。
 日誌を見ながら考えて、改善の必要な部分が発見できれば、親子ともども役立つことと思います。かかわり日誌について、よかったら実践してみてください。


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便り 8 意欲を育てるかかわり

2024-10-09 10:15:59 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
   スクールカウンセラーだより  №8     保護者用  
                                                       
 師走の忙しい日々になりましたが、保護者の皆さまには変わらずご清栄のことの拝察申し上げます。今回は子どもの意欲を育てる親のかかわり方についていろいろと考えてみたいと思います。

◎意欲の基になるものは
 子どもは、基本的に、それぞれ自分の力を一生懸命に発揮しようとする気持ちを持っています。成長したい、できるようになりたいという志向性を持っているということです。
 成長しようとする気持ちが十分に出てくるには、基本的な条件として、「子どもの気持ちが落ち着いている」(情緒の安定)ことが必要になると思います。
 情緒的に安定していないと、難しい問題等に地道に取り組もうとする気持ちがなかなか湧いてきません。

◎情緒の安定を促す親のかかわり
 子どもが、心の中にいろいろな思いを持っているときには、何となく表情や姿勢、ふだんの様子に現れることが多いので、子どもからのサインを見逃さないようにする必要があると思います。
 親としては、まずは、子どもが心の中でどのようなことを考えているか、感じているかについて関心を持っていただけると有り難いと思います。
 そして、子どもが何かを話せると気持ちが落ち着くと思います。青年期の子どもは話さないことも多いですが、親の方から話を聴く姿勢を示すことが子どもの表現を促すことにつながると思います。

◎日々の生活の中で
 すべての子どもが、それぞれの子どもなりに、よい点を持っていると思います。また、改善すべき点、乗り越えるべき課題を持っていると思います。
 親としては、日々の生活の中で、子どもの生活をよく見て、よい点、改善を促す点についてはっきりとさせておき、子どもがよい点を発揮した場合、家庭生活に貢献した場合には、率直に指摘したり感謝のことばを言ったりして、一層の発揮を促す必要があると思います。
 一方で、乗り越えるべき改善点については、子どものことばを聴きながら、子ども自身がはっきりと自覚できるように伝える努力をすることが大切だと思われます。
 情緒の安定の中で、子ども自身が今後の課題について自覚できれば、それぞれの子どもなりに一生懸命に取り組んでいくと考えられます。
 
 ◎子どもの養育や子どもとのかかわり方等について、心配な点や気がかりな点、不明な
  点等がありましたら、本校スクール・カウンセラーの教育相談をご活用ください。
 プライバシーは尊重されます。また、電話による相談でもかまいませんので、まずは担任の先生や学校への連絡をお願い致します。直接来校いただいてもけっこうです。
 


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便り 7  子どもが日常的に求めていることは・・・

2024-10-07 17:20:09 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
少し間が空きましたが、本日は記事をUPしてみます。

便りの7です。よろしくお願いします。

   スクールカウンセラーだより  №7     保護者用  
                                                       
 小春日和の日も多くなる季節になりました。保護者の皆さまにはご清栄のことと存じます。
 このお便りで、これまでに何回か子どもの養育について触れてみましたが、今回は、「子どもが日常的に求めていることは」という題で考えてみたいと思います。よろしくお願い致します。

◎子どもが日常的に求めていることは
 以前に、中学生は青年期の初期にいるとお話しさせていただきました。青年期の初期は、感受性が鋭くなって、他者からの評価にも敏感になるときです。
 親や周りの人が自分をどのように扱ってくれるかも気にする年代です。一方で口を出されるのを嫌い、自分の力でやろうとする時期でもあります。でも、できないことが多いのも現実です。親から見れば、欠点も多く見つかると思いますが、認めてもらいたいという気持ちが強くあることに留意しておいていただきたいと思います。

◎認めることが少なくなると
 認められたい気持ちを「承認欲求」と言い、人の基本的な欲求の一つです。承認欲求が満たされない状態が長く続くと、子どもはだんだんやる気が少なくなっていくことが多くあります。
 親は、日常的な忙しさや、もう中学生になったのだから等の気持ちがあって、つい子どもに目や気持ちを向けることが少なくなってしまうことがあります。また、子どもを叱咤激励しようと思って厳しすぎる働きかけをすることもあります。そうすると、子どもは、親に認められず、反対に拒否されたと思ってますますやる気を失ってしまうこともあります。

◎日常的な対応は
 子どもは、親や周りの人の暖かい配慮や適切な働きかけの中で、その子どもなりに必要なことを学んで成長していきます。
 子どもの存在を認めるために、なるべく多く声かけをします。名前を呼んであげることは、子どもの承認欲求を満たす最も基本的な働きかけです。但し、声かけもお叱りやお説教になってしまっては逆効果であることも頭に置いてください。
少し抽象的ですが、大切なことは、子どもを放任したり無視したりすることなく、子どもの気持ちや動きに関心を持って、適切に声かけをし子どもの気持ちを聴きながら、親も子どもとともに考えていくことが大切と考えられます。

◎子どもが日常的に求めていることは
 以前に、中学生は青年期の初期にいるとお話しさせていただきました。青年期の初期は、感受性が鋭くなって、他者からの評価にも敏感になるときです。
 親や周りの人が自分をどのように扱ってくれるかも気にする年代です。一方で口を出されるのを嫌い、自分の力でやろうとする時期でもあります。でも、できないことが多いのも現実です。親から見れば、欠点も多く見つかると思いますが、認めてもらいたいという気持ちが強くあることに留意しておいていただきたいと思います。

◎認めることが少なくなると
 認められたい気持ちを「承認欲求」と言い、人の基本的な欲求の一つです。承認欲求が満たされない状態が長く続くと、子どもはだんだんやる気が少なくなっていくことが多くあります。
 親は、日常的な忙しさや、もう中学生になったのだから等の気持ちがあって、つい子どもに目や気持ちを向けることが少なくなってしまうことがあります。また、子どもを叱咤激励しようと思って厳しすぎる働きかけをすることもあります。そうすると、子どもは、親に認められず、反対に拒否されたと思ってますますやる気を失ってしまうこともあります。

◎日常的な対応は
 子どもは、親や周りの人の暖かい配慮や適切な働きかけの中で、その子どもなりに必要なことを学んで成長していきます。
 子どもの存在を認めるために、なるべく多く声かけをします。名前を呼んであげることは、子どもの承認欲求を満たす最も基本的な働きかけです。但し、声かけもお叱りやお説教になってしまっては逆効果であることも頭に置いてください。
少し抽象的ですが、大切なことは、子どもを放任したり無視したりすることなく、子どもの気持ちや動きに関心を持って、適切に声かけをし子どもの気持ちを聴きながら、親も子どもとともに考えていくことが大切と考えられます。

 ◎子どもの養育や子どもとのかかわり方等について、心配な点や気がかりな点、不明な点等がありましたら、本校スクール・カウンセラーの教育相談をご活用ください。
 プライバシーは尊重されます。また、電話による相談でもかまいませんので、まずは担任の先生や学校への連絡をお願い致します。直接来校いただいてもけっこうです。

※もし、相談等が必要でしたら、コメント等でご連絡いただければできるだけ対応しようと思いますので、必要でしたらよろしくお願いします。
 今回は以上とさせていただきます。


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便り 6 親の気持ちがとても強いと・・・

2024-10-01 16:48:11 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育

 スクールカウンセラーだより №6   保護者用  
                                                       
 天高い秋になりました。保護者の皆さまにはご清栄のことと存じます。
 今回の便りでは、子どもの養育に関して、「親が子どもを思い通りに動かそうとする」
と、どのようなことが起こりやすいか考えてみたいと思います。

◎親が子どもを思い通りにするとは
 親は、どうしても子どもへの期待があって、どうにかしてその期待を実現させようとする傾向があるようです。ある程度の期待はよいのですが、期待が強すぎると、子どもにとっては、親の要求が強すぎて自分の自由が少なくなり、せっかくのやる気や積極的に活動
しようとする気持ちがかえって弱くなってしまうこともあります。特に学習や習い事は、親の期待の対象になりやすいので、過剰な期待を掛けすぎないように注意することも大切だと思います。

◎もう一つは
 親は、子どもをよい子に育てようと思ったり、その他の事情から、場合によると厳しすぎる養育を行うこともあるようです。
 厳しさは大切なことですが、親の一方的な思い込みによる厳しさの場合は、子どもに思わぬ影響が現れる場合もあります。
 例えば、厳格と言って、子どもに容赦ない態度で接し、子どもの言い分を一切聞かず親の考えを押しつけたり、何でもダメと言って禁止したり、いつも子どもの考えを非難や批判をする等があります。また、子どもの将来を親が決めてしまうような場合もあります。
 このような場合には、子どもの夢も希望もなくなり、意欲が下がったり、冷たい気持ちの子どもに育ったり、他者の気持ちがわからない子どもになってしまう場合もあります。

◎日常生活では
 親が自分の子どもの成長に期待と関心を持つことは当然のことだと思います。ある程度の期待がないと、期待に応えようとする子どもの気持ちも生じてこないと思います。
 一方で、親の期待に応えられ、厳しさにも耐えられるうちはよいのですが、成長するに連れて、親の期待が重荷になったり、厳しすぎる場合には、期待や厳しさに耐えきれずに、やる気や意欲を失うことにもなりかねません。
 親は、子どもに対して、必要以上に厳しい要求になっていないか、一方的な期待になっていないか確認しながら、対話を通して子どもの気持ちを理解しながら、時には世の中のことを話したり、情報を与えたりすることがよいと思います。また、子どもが受け入れられるような形で親の思いを伝えることもよいと思われます。


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便り  №5 親のつじつまの合わない言葉や行動が子どもにあたえるものは・・・

2024-09-29 22:03:08 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
   スクールカウンセラーだより  №5   保護者用
 
 日頃からお世話になります。残暑厳しい季節ですが2学期になりました。本学期もよろしくお願いいたします。
 今回の便りでは、子どもの養育に関して、矛盾や不一致ということについて考えてみたいと思います。

◎矛盾や不一致とは
 子どもの養育において、つじつまの合わない言動や行動を矛盾と言います。また、保護者間で言うこと・やることが違うことを不一致と言います。
 人にもいろいろな人がいるように、同じ人でも時と場面によって言うことややることが違う場合もあります。
 子どもの場合は、親や大人の言うことを自分の中に取り入れて成長していきますので、周りの人が言うこと・やることがある程度一定していること、社会的に合理的であることが大切だと思われます。大人の言うこと・やることがある程度いつも安定して、一定していると、子どもはそれを受け入れて心が安定して育っていきます。

◎矛盾や不一致が著しい場合は
 大人でも、いつも言うこと・やることが違う人とつきあっていくのはとても大変です。行動の先が見えないので、混乱することが著しいです。安心してつきあっていくことはとてもできません。
 子どもも同じで、矛盾や不一致の中で生活していくことは、いつも落ち着かなくて安心して生活していくことができません。そして、その結果、大人や親を信用できなくなったり、何かをする気が湧かなくなってしまったりすることがあります。
 親の言うことがいつも違うので、何が本当に正しいことなのかもわからず、善悪の判断力も弱くなってしまう可能性があります。子どもへの影響はとても大きいと考えられます

◎日常生活では
 大人といえども、いつも同じように、同じ事を言ったりするのはなかなか難しいときもありますので、絶対にとは言えませんが、親や大人の言うこと・やることは、つじつまが合い、ある程度安定していることが大切だと感じています。大人の安定が、子どもの気持ちの安定や意欲の向上に大きな影響を持っていると考えられます。
 やはり子どもとの対話の中で、子どもの気持ちを感じ取りながら、矛盾や不一致のない言葉のやりとりを繰り返していくことが大切だと思われます。


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便り 4 子どもの言いなりは・・・

2024-09-28 16:35:13 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
    スクールカウンセラーだより  №4    保護者用


 今回は、「服従」について考えてみたいと思います。


◎服従とは
 保護者の皆さんが子どもにかかわるときに、各家庭や保護者によっていろいろな形があると思います。
 その中で、服従とは、何でも子どもの言うとおりにしてやることを言います。例えば、子どもにねだられると最後は親の方が負けてしまう、決めてあることでも嫌がればゆるしてしまう、欲しがるものは無理してでも買ってやる、機嫌をとる、等が当てはまります。 また、年令よりも子どもじみた扱いをする、子どもを必要以上に可愛がる、どんな犠牲を払っても子どものためにしてやる等も、場合によっては服従につながる可能性があります。


◎服従の結果は
 保護者が子どもの言うなりになっていると、子どもには、自立しようとする心がいつまでたっても育ちません。できることでも人の手を借りようとする依存性が高まったり、がんばろうという気持ちが弱く、自主性が育たない等の特性を身につけて、精神的に弱くなってしまう可能性があります。
 服従を続けていると、自立心の乏しい子どもになる可能性があり、結果的に保護者が苦労することにもなりかねません。
 
◎対話の中で忍耐力を育てる。
 子どもを可愛がることは大切なことです。特に子どもが小さいときには、親が適切な保護を与えてやる必要があります。
 しかし、大きくなるにつれて、少しずつ忍耐力や自己統制力(セルフ・コントロールする力)を育てていくことが大切です。
 我慢をさせずに、子どもの欲求を満たしてあげることは簡単なことですが、後で子ども自身が苦労をすることになっては意味がありません。
 一方で、我慢が大切とばかりに、保護者が一方的に、子どもの思いを拒否するのも行き過ぎだと考えられます。 
子どもとの対話を行いながら、少しずつ、忍耐強く自立心のある子どもに育てていくことが大切と感じられます。


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便り  やりぬく力を育てる

2024-09-26 15:08:34 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
今回も前回からの続きで、便りのUPです。
よろしくお願いします。
見ていただいて、何か参考のなる部分があれば生かしていただけると幸いです。

    便り  №3    保護者用  
                                  
 今回は、日頃よく言われる「過保護」について考えてみたいと思います。


◎過保護とは
 日頃よく、「過保護だ」とか言われることがあります。
 過保護とは、本当は子どもが自分でやらなければならないことを、親や周りの人が、手を貸してやってあげてしまうことです。
 やってあげると子どもは楽ですが、いつもやってもらっていると、子どもは、それが当たり前と勘違いして、自分でやろうとする気持ちが弱くなってしまいます。また、やる力もつかなくなることがあります。


◎やり抜く力
 子どもには、少し大変なことでも、年齢に応じて自分でしなければならないことが多くあり、また、自分でやろうと思う気持ちも持っています。親や周りが手助けしすぎると、一人の人間としての力が、年令よりも幼く未熟になってしまいます。
 例えば、子どもが箸を使うべき年令になっても、親がご飯を食べさせてあげていたら、これは本当に過保護です。子ども本人にとっては、食事の正しい習慣も育たず、食器やお箸を正しく使う力もつきません。これでは、本人の生きる力がいつまでたってもつかず、後で困るのは子ども本人です。
 中学生になって、友だち関係がうまく行かなくなっても、親も、どうにもしてあげられないのが現実です。
 手助けがないことがわかると、自信を失ったり、ぐずったり、楽な方に逃げ込んだりしてしまいます。そうすると、動けなくなって、将来が開けなくなってしまいます。せっかく能力を持って生まれてきても、その力を発揮できず、残念です。
 
◎日頃育てたい「心の力」
 日頃の留意点は、過保護にしすぎないことです。自分でやる気持ちや力を意識的に育てていきたいと思います。
 もし、今まで過保護にしすぎたと思った場合には、何もしないでそのままにしておかずに、いろいろ工夫をしながらやっていく必要があると思います。
 手や口を出しすぎないようにしながら、親の目をきちんと子どもに向け、見守ることを基本にしたいと思います。
 何か、本人が頑張ったら、見逃さずに認めてあげて、もっとやりたい、やってみたいと言う気持ちを育てることが大切だと思います。
 本人が取り組んで、例えできなくても、頑張ってやったことを認め、気持ちを支えて、もう一度やってみようという気持ちになればいいと思います。そんなことをして行くうちに、本人もいろいろなことを感じたり、学んだりして、工夫しながらやっていくようになると思います。
 大切なことは、「手助けをしすぎないこと」、「口出ししすぎないこと」、「やかましすぎないこと」です。「本人のペースをある程度尊重する」、「気持ちを理解しようと努めながら対話する」、「本人が落ち着いていて受け入れられそうなときに親として話してやる」、「社会のことについて情報を提供してやる」等をしてあげると本人も喜び、気持ちよく意欲的に生活していくと思います。




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相談室からの便り

2024-09-25 13:48:03 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
こんにちは。
かなり長く投稿しないできてしまいましたが、別の方に注力していましたので、やむを得ずでした。

また投稿してみたいと思います。よろしくお願いいたします。

以前に必要に応じて作成したものを、そのままでUPしてみたいと思います。時間が経過していますが、筆者としては過去の記録としてそのままで投稿します。また、月に一度を原則に、数年間以上に渡って年度を跨いでいますので、時期的に同じような似た内容のものも多くなっています。その点はお許しを願いたいと思います。よろしかったら見てみてください。

 今回は最初のアップですので、第一回はオリエンテーションのようなことで、連絡事項程度になっていますので、2回分をあげておきたいと思います。ご了解をお願いします。
 今後、これを一つのシリーズ的なものとしてUPしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。



    スクールカウンセラーだより          保護者用

 今年の4月から、スクールカウンセラーとして本校に勤務することになりました。よろしくお願いします。
 新入学、新学年になって、子どもたちも新鮮な気持ちで元気にしているようです。子どもたちを育てていく上で、何か心配なことや不安なこと、思うこと、ご意見等がありましたらお話を聞かせて下さい。皆さんのお話を精一杯聞かせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
 本校での勤務日等は下記のとおりです。

1 スクールカウンセラーの来校日と時間
  毎週  曜日 9:00~    です。

2 利用方法
  原則として予約制ですが、直接学校に来ていただいてもけっこうです。来校される前に、担任の先生、教頭先生等にお電話をいただければありがたいです。
 相談の時間は、1回について50分程度です。保護者の皆さんのご都合によって短くても可能です。また、緊急の場合等は、時間にかかわらず対応したいと思います。

3 相談室
  相談室は、北校舎の相談室を使います。

4 青年期前期の特性等
 中学生の時期は青年期の前期に当たります。心と身体が大きく変化するときです。感受性も強くなりますので、いろいろなことに悩んだりすることも多くなるようです。
 中学生は、「学習のこと」、「進路のこと」、「人間関係のこと(友達・親子・部活)」 で悩んだりすることが多いようです。お子さんのことで気になることがありましたら相談してみてください。


たより №2

◎保護者の皆様へ
 子どもたちの新入学、進級から一ヶ月半が過ぎました。家庭でのお子さんの様子はいかがでしょうか。学校では、よい季節で、いろいろと元気な姿が見られるようです。
 前回の便りでは、相談の場合の場所や時間についてお知らせ致しましたが、今回から、不定期ですが、保護者の皆様にいろいろなことを伝える努力をしていきたいと思います。よろしかったらご参照お願いいたします。
 
◎子どもたちは、毎日成長しています。
 子どもの成長は素早く、少し見ていない間にも、日々大きく成長しています。子どもたちの成長の源は、大人からの適切でよいかかわりです。特に親のもっている影響力は、子どもにとっては大変に大きいようです。

◎言葉の力
 私は、かつて、不登校の児童生徒や保護者の方の相談を受けたり、いろいろな悩み等で困っている生徒や保護者の方から相談を受けたりする場所に勤務したことがあります。その経験の中で、さまざまなことを勉強させていただきました。その中で感じたことは、言葉の力の持つ重さでした。
 子どもたちは、親の言った言葉を自然に無意識の内に受け入れて、だんだんと成長していきます。親の言葉の力は、子どもに大きな影響を与えます。
 
◎話を聴いて力づける
 中学生は身体も大きくなり、大人らしい行動も出来るようになります。しかし、時には失敗したり、気持ちが沈んだりもします。そんな時が親の出番かと思います。子どもの気持ちを大切にしながら、子どもの話に耳を傾けていただければと思います。聴いてもらえることで、子どもも元気を回復すると思います。
 もし、人格を軽視したり、無視したりする扱いをすると、子どももそのことに対して適切でない反応を示すようになる可能性があります。心も身体も健やかな子どもに育てていきたいものだと思います。


(感想やコメントもよろしくお願いいたします。)



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不登校の背景要因等について 4

2024-05-18 18:03:19 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
不登校の背景要因等について 4


 不登校が生じることの背景要因として、やはり子どもの持っている特性が影響するように思われます。そして、その特性は、生まれながらの部分もあるとは思いますが、やはり成長の過程で身につけることが多いように思われます。
 不登校の子どものようすを見ていますと、とても不安や恐怖等が強く、神経が過敏になっている例が見られるように思われます。一方で、学校での生活や学ぶことの大切さや意義についてあまり考えていないで、関心や意欲がとても低くなっている例もみられると思います。
 この不安等の多い例と、意欲の見られない例を両極端として、いずれの例もその間のどこかに位置するように思われます。
 実際は、不登校も本当に多様で、さまざまな姿を見せますので、単純にはとらえられませんし、分類等をしようとしてもそれはなかなか難しいのが現実かと思います。
 ただ、ある程度単純化して、両極端を考え、各例は、その間のどこかにあるというくらいに考えておくのがよいのではないかと思っています。
 一方で、最近の不登校の例は、かなり多様化も進んでいて、はじめから学校生活を選ばないような例も見受けられ、言い方は難しいと思いますが、心の中に登校への意識もないような例も見受けられるようですので、対応もさらに複雑かなとも思っています。
 しかし、やはりそれぞれの事例の特性はありますので、対応をする場合には、特性を把握したうえで行うのが良いと思います。
 どの例も同じように対応を行うと、あまりうまくいかないのではないかと考えている次第です。事例への具体的な対応の進め方につきましては、もう少し話が進んだところで考えたいと思っています。
 
 不登校の背景要因ということで記していますが、子どもが成長の過程で身につけた特性はやはり関係しているように思われています。
 不安や恐怖等の神経症的な特性が強く出る場合には、特に中学生くらいの青年期以降は、自分に対する周囲の目、どのようにみられているだろうかということを必要以上に気にしている例が多くあります。自分に対する周囲の目を本当に強く意識する、気にする例が多くあります。周囲の人からの評価とか、見られ方を気にしていると思います。
 一方では、上にも触れましたが、学習や学校生活への興味や関心をほとんど示さない例も見られます。
 これらの特性はどのようにして形成されたのだろうか、生活の中でどのような環境条件に置かれていることが多かったのだろうか、その状態を考えてみたいところです。
 不登校の子どもたち、本人に接していると、何度も触れますが、とても過敏な感じがします。特に不登校の状態が著しくて欠席が多くなっている例ほど、過敏さが強いと思われます。そして、自分自身の存在に自信がないといいますか、いわゆる自己肯定感が低くなってしまっているように感じられます。
 この自己肯定感の低さが不登校につながってくるように思われます。とはいえ、青年期以降では自己肯定感等のことばで表現されますが、小さいときには、そのようなことばで表現されるのではなく、漠然としたエネルギー感や意欲の少なさなどのことばで表現される例の方が多いと感じられます。
 都合で今回はここまでにしたいと思います。

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不登校の背景要因等について 3

2024-05-16 17:19:01 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
 前回の続きを記してみたいと思います。分離不安の強い小さな子どもの例を中心にしてみましたが、何でも親にしてもらうことを継続していると、自分で行う気持ちが弱くなることと、何でも自分の要求の通りになるわけですから、我慢することが必要なくなります。この場合には、がまんしなければならない場面に行くことを嫌がるようになるかもしれません。保育園や幼稚園は、子どもの社会化を促す場所、みんなと仲良くやっていけるようになる場所で、自分をコントロールする力を育てる場所等の多くの役割を持っているところですので、楽しい場面もありますし、自分を抑える場所もあるわけです。
 このようなときに、忍耐力や抑制力が足りない場合には、がまんができにくくなって、そのようなところを避ける傾向が生じるかもしれません。
 自己中心的な特性を身に着けてしまった場合には、その特性で行動するようになりますので、年齢に応じた行動ではなく、幼稚な行動が中心になってしまいますので、適応が難しくなるかもしれません。
 いろいろと自分で経験して、考えたり工夫したりしてやってみて、うまくいったりそうでなかった理を経験する中で精神的にも生活技術手金芋製糖していくので、自分でやってみることはとても大切なことと思っています。
 このような中で、保護が強すぎる場合には、自己中心性が育つかもしれないので、最終的に子どもが困ることにもなるので、注意が必要かもしれません。 
 子どもの自己中心性が強いと、ものの見方が偏ってしまい、しかもその見方が正しいと思い込んでしまうので、いろいろな問題が生じることにもなるかと思われます。
 但し、多くの子どもは心も体も健康に育っていると思いますし、すでに幼稚園や保育園の時代から、登園渋りや登園拒否、不登園等になる場合には、大きな課題を持っているかとも思われます。(この時も障害等は含みません)
 年齢が進むと、それに合わせて乗り越えるべき課題も大きくなってきますので、だんだんに困難な部分が大きくなってきます。
 小さいときには明らかにならなかった部分が課題の大きさによって明らかになってしまう場合がありますので、学年が進むとそれに合わせて不登校も増えてきます。
 話が飛びますが、中学校になると、年齢も青年期になり、自己意識も変化してきます。また、学校の内容も変わります。友人関係等の人間関係も複雑になってきます。そのために、中学校になると適応が難しくなって不登校も増えると考えられます。これはいわゆる中1ギャップ等の言葉で表現されることもありますね。

 少しまとめですが、育てられ方は大きな影響を持ちますので、留意することが大切と思われます。
 このブログの親子関係の部分を見ていただけると参考になるかと思っています。
 また、学校教育の在り方、進め方も不登校に大きく関係しているとも思われます。この部分については今後触れてみたいと思います。
 今回はここまでに致します。











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不登校の背景要因等について 2

2024-05-14 17:08:47 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
 今回も前回に続きまして、不登校の背景要因等について考えてみたいと思います。
 前回も背景について考えますとかしていたのですが、実際はそこまで行くことができずに、事例の話等で終わってしまいました。
 今回は少しずつ私の考える不登校の背景要因等について、なるべく理解しやすいように記してみたいと思います。
 不登校の保護者の方もこれを読んでくださる方がおられるかと思いますが、その方々を傷つけるような気持ちは私にはまったくありませんのでご了解をお願いしたいと思います。親が悪い、家庭が悪いの話は、無責任に一般的に言われることが多いのですが、親御さんは、子どもを不登校にしたくて育ててきたのではありません。ただ、いろいろな事情が重なってしまって、子どもが不登校になるような条件が生じてしまったということかと思います。あるいは、子どものことに対して、良いことだと思って行っていたことが、必ずしも良いことではなかった、子どもの成長を促さないような状況になってしまっていたということかとも思っています。
 ですから、保護者の方を責めるようなことはしない方がよいと思いますし、だれを責めても誰も得しませんので、しない方がよいと思います。それに子どもを育ててその日まで来たのは、何よりも親の方の努力によるものですから、体が大きくなったのは、親の育てる力そのものによることですので、とても大切なことと思います。
 ただ、少し率直に記してしまいますが、少し工夫や別のかかわりが必要な部分はあったかもしれないとも思います。それも過去のことですので、感情的に攻めても仕方がありませんし、親御さんが強すぎる自責のお気持ちを持ってご自分を責めることもなさらない方がよいと思っています。
 そのようなことで、親子の関係に関する話も出てきますが、それは不登校の背景を理解するためのことと考えていただいて、冷静に読んでいただけるとありがたいです。
 また、途中でこれを見るのがつらく苦しくなったりした場合は、無理をせず、これを見ないようにしてください。またいつか落ち着いているときに、見ることができるようでしたら見てみてください。その時には何かしらお役に立てる部分があるかとも思いますし、何かの気づきが得られるのではないかとも思われます。

 不登校の一つの現れ方として、学校に対する不安が強いというのが見られるとお話しさせていただきましたが、学校への不安や恐怖は一般的にみられることが多い不登校の特徴です。
 これについて考えてみますと、以前に母子分離不安という言葉を用いたことがありましたが、これがわかりやすいと思いますので、今日はこの言葉を用いて説明を進めてみたいと思います。
 分離不安というのは、今まで家庭の中で、親、特に母親と多くの時間を過ごしていた子どもが、物心ついてから初めて母親のいない場所に行くときに、怖がったりして母親と離れることができないことを表現しています。幼稚園や保育園に行く様になった子どもが親と離れないことを言っています。
 やはり親のいない場所に行くのは怖いでしょうから、その気持ちは理解できないわけではありません。一方で、ある程度心理的に成長ができている心の安定した子どもは、怖さを感じながらもほかの環境等への関心や興味もあって、何とか親と離れることができます。最初はぐずる等のことはあっても、何回か経験すると、自然に親と離れることができるようになります。
 こうなれば、子どもはその時間だけでも親と離れて活動して楽しむことも各種の経験をして成長することもできるようになります。
 長い期間に渡って離れられない場合は、其の子どもの心にどのような内面的な事情があると考えられますでしょうか。
 ここに不登校につながりかねない芽が存在すると考えられるかと思います。
都合で今回はここまでにさせていただきます。









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不登校の背景要因等について

2024-05-13 15:33:24 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
 今回は表題の通りですが、いよいよ不登校の背景要因について考えてみようと思います。
 その前に少しだけ記させていただきたいことがありますので、よろしくお願いいたします。不登校の保護者の皆さんは、本当に大変な思いをされていることについて、大変なことと拝察します。
 特に周りの心無い方や学校の先生方等からも、親が悪いとか、育て方が悪いからとか言われると、心が折れてしまいそうになることもあるかと思います。
 そのようなときには、何とお声を掛けたらよいか困ることも多くあります。私も不登校の児童生徒の保護者の方とかなりたくさんお会いして、相談を受けたりしてきましたので、保護者の方のお心が伝わってくると思える時が多くありました。
 また、保護者の方の多くは、悩みながらもあきらめることも当然なく、相談をお休みになることもなく継続的に面接に来ていただく方が多くありました。
 ただ、保護者さんの中には、いろいろな事情や保護者の方ご自身の心情のために、不登校に関心が持てず相談を勧めてもおいでになりにくい方もおられたのが現実です。
 でも、多くの方はかなり時間が経過しても、変わらず面接に来ていただきました。そのようなときは何とかしたいと思いながらも、あまり大したこともできずに時間が過ぎてしまうこともありました。
 保護者の方にお会いすると、皆さん真剣で何とかしたいの思いが強くありました。そして、相談を重ねていくことで、少しずつではありますが、いろいろと話していく中で、親御さん自身がいろいろと考えたり気づいたりして行き、そのことで、親御さんの気づかないほどの自然な変化がお子さんに影響して、お子さんの状態が良い方に変化してくる例も多く経験しました。
 少し極端な例かもしれませんが、一例として中2の3学期にあることから不登校になった生徒がいました。この生徒は完全な不登校で何をしても何を言っても動かない状態でした。困ったお母さんが、不登校がそんなに長引かない時期に相談に見えました。その方はとても熱心にいろいろとお考えになったようで、自分でこうするのが良いのではないかと考えたことを実際にお子さんに対して実行していきました。
 すると、それにつれてお子さんの方が変わってきて、3年になった5月末ころからは、少しずつ再登校するようになりました。そしてだんだん休みの方が少なくなってきて、7月にはほとんど休まないようになりました。夏休み明けを心配していましたが、休むこともなく登校しました。そして、最終的には、高校への進学を実現しています。

 この例の場合は、いろいろなことが重なってそんなに時間がかからずに回復することができました。この生徒は成績もよい方で、進学への意欲もある程度持っていました。また、親御さんが早期に相談にお見えになったこともよかったと思います。私はあまりはっきりした助言等は行いませんでしたが、ていねいにお話を聴かせてもらうことだけはしたつもりでおります。
 お母さんは、話をしながら冷静に状況を把握されて、子どもさんの状態に沿って、手立てを工夫して行ったと思います。
 そのようなことが積み重なって、お子さんの変化を促すことができたと思われます。いずれにしても、不登校としては、極めて短期に回復することができた例と思われます。

 しかし、一方で相当長い期間に渡って取り組みを続けましたが、再登校は十分ではなく、中学卒業後は、通信制の高校やサポート校等に進学した生徒も多くいました。ある生徒は、中学時は学校の友だち、クラスの人等と顔を合わせることもなかったのですが、通信制の高校に進んでレポートをきちんと出して高校生活を続けたとのことでした。そしていつの間にか動けるようになり、アルバイトも行うようになりました。さらに専門学校に進学したと、しばらく前に親御さんから聴きました。本当に良かったと思った次第です。
 不登校になっても、子どもの成長力は欠けることはありません。たとえ時間がかかったとしても、其の子どもなりに成長していきます。そして、それぞれの子どもに合った環境や条件の中で生きていけるようになります。多くの子どもがそうなっていますので、それは信じてもよいことだと思っています。また、子どもを信じてやることが一番大切なこととも思います。あきらめてしまわないことが大切と思われます。それぞれの子どもに合った学びや経験の場が必ずありますのでそれは信じてもよいことかと思います。また、子どもは自分に合った場を必ず見つけ出すものだとも思っています。何時の日にか自力で自活していけるようになると思いますので、あまり強い期待を持つといけませんが、自然に待ってあげるのが良いかと思います。
 ただ、中には諸般の事情で引きこもりにつながりかねない例もみられることもありますので、留意が必要とも思われます。
 子どもさんの不登校の場合には、親御さんや周囲の方は、恥ずかしいとかいろいろなことは考えずに、なるべく早く相談機関等や医療でも相談をするのがよいと思います。
 学校には、どこにもスクールカウンセラーがいると思いますので、相談を行うのが良いと思います。また、児童相談所、福祉事務所等や民間の相談機関もありますので、それらを利用することも必要かと思います。
今回はここまでにしたいと思います。要因に行きませんでしたが、次回以降に触れてみたいと思います。コメント等がありましたらよろしくお願いいたします。
 
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不登校の発生増加の要因等について

2024-05-12 17:10:24 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
 これまで不登校について、経過的な側面に多く触れて記してきました。
 最初は学校恐怖症と言われることが多かったこと。次に学校に行きなさいと促しても、行かない、行けないというような状態像から、登校拒否と呼ばれたこと。さらに、拒否というようなことではなくて、何となく行かないあるいは学校以外に異議を見つける例もあるようなことから、学校に行っていない、登校していないという状態像から「不登校」と呼ばれることが多くなったことを記してきました。

 それから不登校の児童生徒が見られるようになってから60年以上もの年月が経っているのに、その原因についても、対応策についても一般的に理解されている状態にはなくて、学校でも、社会でも、家庭でも適切な手が打てない状態が続いていることを記してきました。
 原因・背景要因に関する理解が進んでいないので、問題解決に向けての活動が行われていない状態にあることも大きな問題であると思われます。
 文部科学省も学校にスクールカウンセラー等を配置することは行いましたが、その配置も必ずしも十分ではなく、不登校の数も多くなっているのが現実です。

 少なくとも、義務教育の内に、ある意味能率的にそれほど極端な経済的負担なしに基本的な知識や技術を身に着けることができると思われるのに、十分身に着けられずに、大きくなってしまっていることは本当に残念なことと思われます。
 また、不登校の本人たちが、自分に対する自信や肯定的な感覚を持つことができずに、不安やもやもや、混乱の中で時間を過ごしていることを考えると、大きな事柄であると考えられます。

 不登校の背景にどのような要因が存在するのか、なぜ不登校の状況が生じるのかについて考えてみることは、対応策を考える上で極めて大切なことであると考えられます。

 そこで、不登校の子どもたちが示すことの多い状況から、その状況の背景にはどのような要因があると思われるのかについて考えてみます。
 それで、まず初めに、不登校の子どもたちが示す状態には、ある程度タイプとも考えられるような特性が見られること。
 小さい子どもが、学校での生活、学校という環境に大きな不安感や恐怖感を持っていて学校という場所に行くことを嫌がるような場合には、その子どもに、神経過敏な部分が身についてしまってい
るのではないかと考えられるかと
思います。
 逆というわけではないですが、子どもが学校生活に興味や関心をあまり示さないとすれば、何か成長に関して強いエネルギーが感じられないような、意欲の下がってしまった状態を考えることができるかと思われます。

 不安感や恐怖感が強い不登校と、学ぶ意欲が低い不登校とがあるように考えられます。実際には、不安感等が極端に強い場合と、反対に意欲がとても低い事例と、それぞれを両極端として、個々の事例はその間のどこかに位置しているのかと考えられます。
 但し、ここまで記してきた中で、生まれながらにして持っている障害や生後に生じた障害等による不登校は当然ですがこの例の中には含まれていないことを記しておきたいと思います。
 今回はここまでにしたいと思います。










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不登校の発生増加について

2024-05-07 16:47:18 | 不登校支援 子どもの養育 学校教育
 前回に引き続いて不登校のことについて記していきたいと思います。5月から6月にかけて不登校の数がとても多くなることについて触れました。
 はじめは学校恐怖症と呼ばれることが多かった不登校も、次には、「登校拒否」と呼ばれるようになりました。その後この用語がかなり長い期間に渡って使われることになりました。一般的に学校に登校しない状態を登校拒否の言葉で表現していました。
 しかし、その後、登校拒否は「不登校」と呼ばれるようになりました。これは不登校の子どもたちが示す状態を見て、それに合わせて呼び方を変更したものと考えられます。
 学校に登校していない子どもたちのうちには、学校への登校を意識的に、意図的に拒否しているわけではなく、何となく特別な意味も意識もなく登校しない状態にある子どもたちも多くみられるようになってきたことが背景にあると思われます。
 不安や神経症的な状況から登校を拒否するのではなく、学校生活に意味や意義が見つからない、何となく学校生活は面白くない、学習等への意欲も低くなっていて登校しない子どももみられるようになったことから、「不登校」つまり学校に登校していない状態にある子どもたちということで、状態像を示す言葉として「不登校」と呼ばれるようになったと思われます。
 この言葉であれば、登校しない理由は何であれ、登校していない状態を示している子どもたちということですから、どのような場合にも使用できると思われます。現在は不登校の言葉が一般化して使われるようになっています。

 さて、次に不登校の出現率等について記してみます。前に、いわゆる戦後において社会的な状況等から児童生徒の欠席率がとても高かったことを記しました。しかし、その後1975年から76年(昭和52年ころ)までは欠席率は次第に下がってきました。子どもの数が少なくなって欠席が少なくなったのではなく、実際に欠席者が少なくなりました。ただこの時期以降は子どもの登校拒否・不登校は次第に多くなりました。最近では子どもの数は著しく少なくなっていますが、不登校の子どもの数はさらに増加しています。

 文部省(その後の文部科学省)は昭和40年代から登校していない小・中学生の数を統計的に取り始めました。
 身体的な状況や経済的な状況など、理解の出来る理由ではなく、あまり合理的に理解できないと思われる欠席児童生徒を、「学校嫌い」を理由とする欠席として統計を行いました。はじめは年間に50日以上として、1月から12月までの統計でしたが、その後は4月から翌年3月までに年間30日以上欠席した児童・生徒となっています。
 最近の統計では、不登校の出現率は、小学校では1.3%程度で、総数は8万人程度です。中学校では、出現率は5%程度で総数は16万人程度です。
 なお高校は義務教育ではないので、文部科学省の正式な統計はありません。ただし、高校の中退率は統計としてあります。
 いずれにしても、とても多くの子どもたちが学校に登校していない状態にあります。しかも、その状態が長く続くとともに数が増加傾向にあるので大変な問題だと思われます。
 いわゆる不登校の子どもたちが現れてから、すでに60年程度が経過していると思われますが、この間、有効な手が打てていない状態が続いています。
 また、子どもがなぜ不登校になるのか、その背景要員や理由も明確になっておらず対策が進んでいないのが現状と思われます。

 不登校問題に関する経過等についてここまで期してきましたので、次には、さらに不登校の各種の要因や対応策について、現状で行えそうなことを中心に記してみたいと思います。よろしくお願いします。また、感想等もよろしくです。



















 
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