あび卯月☆ぶろぐ

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編集手帳「福田恆存さんはドライアイス」

2006-04-22 00:07:56 | 歴史・人物
二十一日附けの讀賣新聞朝刊の「編集手帳」に福田恆存さんのお名前を見つけ、驚きました。
昨日、福田逸さんの記事を書いたばかりだつたのでなんともタイムリーでありました(笑)
以下、前文転載。

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昭和を代表する論客のひとり、劇作家の福田恆存(つねあり)さんは「ドライアイス」に例えられたことがある。「冷たいが、触れると火傷(やけど)をする」と◆冷たく醒(さ)めた論理のうちに烈火の情熱を蔵した精神を述べたものだろう。烈火がなければ他国に侮られて国益を損なう。烈火のみでは近隣の迷惑者にすぎない。外交の要諦(ようてい)にも通じよう◆日本海に浮かぶ日本固有の領土、竹島を巡って日韓両国の間に緊張の波が高い。海上保安庁が予定する海洋調査に対し、島の領有権を主張する韓国政府が猛反発し、「断固たる対応をとる」と調査の中止を求めている◆「断固たる対応」とは何だろう。測量船の拿捕(だほ)を指すのなら、公海上の公船拿捕を禁じた国連海洋法条約に違反する。烈火に頭がのぼせやすいお国柄とはいえ、国際法に触れて冷たい火傷を負う愚はよもや犯すまい◆韓国は竹島を実力で支配している。国際法破りはそれが「不法占拠」であることを告白するに等しい。激情に駆られて告白するか。和解の道を探り、こぶしはみだりに振り上げるものでないことを学ぶか。韓国政府はいずれかを選ばねばならない◆差しあたり、緊張の高波に舵(かじ)を取る日本政府丸が携帯すべき品々は分かっている。国際法を右手に、対話を重んじる自制心を左手に、胸には領土を守る心を。ドライアイスである。
(2006年4月21日2時4分 読売新聞)

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福田先生が「ドライアイス」に譬へられてことがあつたとは知りませんでした。
なるほど、言ひ得て妙だと思ひます。
それにしても誰が云つたのでせうか?


追記:どうやら「ドライアイス」と譬へたのは芥川比呂志さんのやうです。
中村保男さんの『追想・福田恆存』にかうありました。
ちよつと長くなりますが転載します。

批評家は常に醒めてゐなくてはならない。醒めてゐれば、何を言つても白じらしくなるのが普通である。が、先生は醒めてゐながら情熱をほとばしらせる術を――冷たい理を熱血の情をもつて融解しながら説く方法を会得したのである。
福田さんはドライアイスだ、冷たいが触れると火傷をする、と評したのは芥川比呂志ださうだが、芸術家・福田恆存については、分別と愛を併せもつこともできた稀有の存在といふ形容があてはまるのではないか。「分別と愛を両立させうるのは天上の神々だけだ」とはシェイクスピアのせりふである。冷徹な論理と分析に細やかな情理、その二つを表現行為のうちに体現した福田先生の作品の多くは、端正にして一糸乱れぬ文章構成の中に、ドライアイスのやうに凝集した熱をたぎらせてゐるのだ。忘れもしない、読書会でヴォーリンガーの『抽象衝動』を肯定的に論じ合つたあとで、外へ出ながら先生がぽつりとひとこと、「だけど、やつぱりロマンティシズムだな」と独り言のやうに呟かれたのを。


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四月廿二日(金)追記

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