ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

小さいおうち

2014-03-04 05:00:00 | 大阪にて

映画を観たらブログのネタにしているのですが、前回は10月の『風立ちぬ』でした。その時はブログに「次は『清須会議』だ」と宣言したのですが、観に行ったことは行ったのですが、期待していたよりも面白くなかったので、ブログのネタにはしないでおきました。面白くなければないで、それを書けば良かったのかも知れません。

今回は山田洋次監督の『小さいおうち』という昭和初期を描いた作品、丁度NHKの朝ドラ『ごちそうさん』と同じ時代の設定になっています。場所こそ大阪と東京で違うけど、戦争という暗闇の時代に巻き込まれていく過程で庶民がどのように感じていたのか、テレビドラマと映画の違いはあるけれど、その辺りが気になって観に行って来ました。いつ行ったのか、それは今日の写真を見ていれば分かる仕組みになっています。

                       

『風立ちぬ』も『清須会議』も難波のTOHO CINEMASでやっていたのですが、今回はなんばパークスシネマでの上映、なんばパークスで映画を観るのは久し振り、2011年に11月と12月に続けて行っています。11月はシネマ歌舞伎『熊谷陣屋』、12月はジャッキー・チェンの『1911』でした。久し振りになんばパークスを歩くと、建物が歪んでいるように見え、まるでムンクの『叫び』の絵の中に居るようで、目が眩んできます。上映は9時20分から、8時40分ごろに難波に着いて、暫らく歩いたのですが、パークスシネマに上がるためのエレベータは未だ動いていませんでした。

             

パークスシネマのロビー、TOHO CINEMASより狭いです。どちらの映画館が数多い作品を上映しているのかは知りませんが、ロビーを見る限りはパークスシネマの方が少ないようです。

             

時間が有るのでぐるっと回って次回の作品などのポスターを見て回ったのですが、あまり見たいと思うような映画は有りません。ただ4月から10月までシネマ歌舞伎が月に1本上映されるようで、『女殺油地獄』や『連獅子』『法界坊』などは観てみたいものです。外を眺めると小さなモニュメントのようなものがあり、何だろうと思って外に出てみました。

             

近づくと三国連太郎と西田敏行の手形でした。『釣りバカ日誌』のコンビですね。最初の頃はよく観ましたが、真剣な釣りの話じゃないので、途中からアホらしくなってきて観ていません。

             

上映10分前になると上映する部屋に入ることが出来るようになります。エスカレータで2階分下ります。つまり上映されるのは6階なのでした。

             

写真を撮れるのはここまで、実際に撮影禁止になっているのは、上映されている作品に対してなのでしょうが、入室するとスクリーンには何某かの映像が開始されているのです。以降はパンフレットの写真からの抜粋です。

             

いったい誰が主人公なのか、よく分からない映画でしたが、やはり雪深い山形から上京して平井家の女中になったタキ(晩年は倍賞千恵子、若い頃は黒木華)なのでしょう。でも事を起こしてタキを悩ますのは時子(松たか子)と板倉正治(吉岡秀隆)であり、この二人が居ないと話は成り立ちません。荒井健史(妻夫木聡)は映画の案内役です。一家の主の雅樹(片岡孝太郎)の写真は画面の都合上割愛させていただきました。もしファンの方が見て下さったならゴメンナサイです。

             

松たか子は若い頃からステキですね。『隠し剣 鬼の爪』からもう10年も経ち、あの頃の若々しさは無いけれど、何か惹かれるものを感じます。37歳になると言いますから丁度私の長男と同じ齢です。吉岡秀隆と倍賞千恵子は山田洋次監督作品の常連ですね。吉岡はいつも若い役で出てるけど、私が入社した年に生まれていますからもう44歳になる勘定です。タキの若い頃が黒木華で晩年役が倍賞千恵子とはどう見ても一人のタキが齢を重ねたとは思えない、山田映画の常連ですから外すわけにはいかなかったのかも知れませんが、倍賞千恵子の若い頃を知ってますから、黒木華とは全く似てますまい。黒木華は昔の田中裕子っぽい感じがします。しかし倍賞千恵子は齢取ったなぁ、冒頭遺影で出てきた時は誰なのか判りませんでした。

何人かの出演者のプロフィールを紹介していました。この中に和歌山県出身の山田洋次監督作品の常連俳優が一人いますが、残念ながら南紀の出身ではありません。

             

赤い屋根のモダンな小さいおうちの秘密は、時子と板倉が心を寄せ合うことかと思って観ていたのですが、実はそうではなく、二人の密会に心を痛めていたタキが、板倉の出征の日に時子が逢いに出かけようとするのを、タキが強引に止めようとし、時子に板倉がこの家に来るよう手紙を書かせ、それをタキが板倉に届ける約束をするのです。でも板倉は下宿には居なかったと帰ってきます。映画の序盤、タキの亡くなった後片づけをしていた際に、健史に託すと言うタキの自叙伝が入った箱を手渡されるのですが、そこには宛名がなく、封が切られていない時子の手紙が入っていたのでした。

                       

実はそれがタキにとっての耐え難い秘密だったのです。詳しいことはこれから観に行く人のためもあるので、これ以上は書かないでおきます。

戦争へと突入していく暗黒の時代、私などは生きていた時代ではありませんから、実際の経験はありませんが、人権が押さえつけられた不自由な時代だったと後世の人間として考えていました。『ごちそうさん』を観ていてもなかなか戦争の悲惨さは伝わってきませんが、この映画にしてもそうなので、当時の人はそれはそれで結構シタタカに暮らしていたのだろうと思えてきます。先の戦争の反省の上に立ち、今は武力によって紛争の解決をしない国になっていますから、兵隊になって殺し・殺される心配はありませんが、戦時中でも庶民はシタタカに生きていたとしても、二度と戦争が行える国になってはいけないと思うのです。だから私は安倍や橋下の考え方に反対の意を表明し続けているのです。

        


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