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【272】区役所の極秘書類

 極秘書類九○六四六号【274】は、普段は区役所員のふりをして働くふりをしていたの、なにしろ極秘だから。そんなある日、自分が赤道【220】縦断マラソンの選手に登録されていることを知ったのよ。マラソンからは逃れられなかった。一度スタートを切ってしまえば、ランナーズ灰になるまで走り続けるしかない。だけど燃え上がるランナーたちの中で、自分だけが燻っていることに気づいたの。耐火素材で作られていたのね。清掃車に異物として進路から排除されたから、それを機会にこの世界から逃げることにしたんだわ。第三世界【268】のことなら何でも知っていたんだもの。赤道沿いのホテル【12】へ向かうと、トンボ【225】を手にしたばかりの客を殴り倒して―― 極秘書類につきものの防力で、その客に奪われると思い込んでみたのね―― ホテルに入ると、すぐに扉を開けたの、書類には夢も現実もないんですもの、そこはもう第三世界だった【275】

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【268】第三世界

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