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【62】わだかまり・歯

 わだかまりとは、解消されずに溜め込まれた不満や疑念が結晶化したもので、主に金属からなるが、生物によって種類は異なる。動物におけるわだかまりとは、カルシウムとも称される柔らかい金属のことだ。乳牛【45】は自ら動き回れないためか特にわだかまりが多いのだが、すべて角から排出してしまうので骨抜きの軟体動物になる。人間はカルシウムが不足しがちだと言われてきたが、近年では過剰に溜め込む傾向にあるため、月に何度も歯【62】が抜け替わるようになった。歯止めが利かなくなった場合には、床屋【53】で頭部を切開の上、奥に控える何層もの歯列をまるごと摘出してもらわねばならない。大量の落ち歯は円盤の縁に移植され、世界の回転を連綿とつなぐ歯車として役立てられる。僧侶【10】ともなればわだかまりも消え、歯は完全に抜け落ち骨の数も減り、ありえない方向に関節を動かせるようになる。節足動物の類【26】はわだかまりの塊と言ってもいいくらいだが、脱皮を行うことでかろうじて硬直を免れている。


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