【四九】プラズマドリンク・プラズマ

　運送会社であるプラズマを事業部ごとに液状化させ、瓶詰めしたものがプラズマドリンクである。一瓶につき五十人は溶け込んでいるという従業員たちは、血管内の輸送はもちろん、ガス交換、一時補修、浸透圧の調節など、体内のさまざまな業務を受け持っている。一時は目覚ましい売り上げによって従業員不足に悩まされたが、現在は鉄道会社との提携で充分に補われている。
　知恵の輪はずし大会【六一】の協賛企業でもあるプラズマは、開催中の青空に凝集して浮遊すると、ＵＦＯの物真似をして人々の目を楽しませる。ヴァン・アレン帯で型取りされたその形状は、アダムスキやマイヤーといった他企業のものを退けてドーナツの雛形となったため、長年続いた形相問題に決着がついが、体内ではドーナツを脅かさないよう液体に徹していなければスパインおばさんが黙ってはいないんですよう！

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