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【224】喫茶店によくいるぶつぶつと独り言を呟いている男

 こういった人物を少なくとも一人は配置することが衛星局【230】によって義務づけられている。彼らが発する脳波【85】は、ある種の害虫が最も嫌悪するものなのだ。ただし脳波の出ていない〈船乗りヴェルツル〉の七巻【201】が採用されたのは、人材不足でぶつぶつと独り言を呟いている男が手に入らなかったためである。彼はそれとは知らずに衛星局をあざむいていたわけだが、発覚せずにすんだのはドロローサが虫を見つけるたびにナイフを投げて突き刺すような男だったからで、店はいつも清潔、マスターはいつもご機嫌、よってドロローサは不機嫌、というわけである。

【209】不本意ながら喫茶店で働いている

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