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【152】新聞社

 紙民に対して絶対的ともいえる強制力を持つ機関であり、大小含めて十数社が存在している。新聞社ごとにニュースがまったく異なるため、選択次第で購読者の運命が一変することとなる。審美眼【57】によってはコンフリクトを起こしてしまうので注意が必要である。国家【114】垣根【129】が失われてからも、各言語圏に即した新聞社が存続していたが、他社を取り込もうと翻訳を競い合ううちに、すべてがひとつの言語、いわゆる合い言葉へと翻訳されてしまった。といっても意味内容の多義化には歯止めがきかず、互いに通じ合えないことにおいては多言語社会をも凌ぐほどである。今では合い言葉が本来どこの国のものであったのかさえ比較できない。それでもなお存続をやめない新聞社は、スクープを競って活字【23】の隊列を行進させ、互いに購読者を奪い合うことで失われた領土扮装を再現し、自らが国家に成り代わろうと目論んできたが、、ケーブルテレビ【154】の普及で見通しは暗く、衝突を装った活字どうしの馴れ合いも絶えない【164】

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【144】質屋に預けられた人【71】クチコミ【37】校正施設【30】空間が赤く滲んできた

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