しねまぶっくつれづれだいありー

思うがままに映画、本、演劇,音楽などすきなことについて語ります。

GLAY(2/26 福岡)

2005-02-28 22:09:29 | 音楽
 札幌のリベンジにいってまいりました!
 朝、新聞の天気予報をみたら、なんと福岡の天気は…いやな、予感がよみがえりました(笑)実際に到着してみたら、空港では雪が舞っている程度。すぐにやんだようですし、もちろん無事に着陸できました。

 会場は福岡ドーム!席はスタンド…メンバーがちっちゃい。前回はライブハウスだったので、ことさら遠く感じました。(ちなみに、札幌のチケットはアリーナで、想像するに花道ステージの近くだったと思われます(涙))。

 遠いから楽しめないなどということは全くなく、逆にオープニングから涙・涙・涙でした!
 自分でもいきなり泣けてくるなんて、びっくりですが、今回のライブはデビュー10周年の集大成ということで、オープニングで過去の映像が流れたんです。それが、まさに私の10代後半から20代の想い出と重なって、なんともいえず感慨深かったからだと思います。
 子どものころ、親が昔の音楽を聴いて、楽しそうに口ずさんでいるのが不思議だったんですよ。「今の歌のが絶対いいのに!」って思ったから。でも、今、当時の親の年齢に近づいてくるとやっぱりわかるんですよね。自分が一番感受性の強い時に好きになった音楽は特別なんだな~と思います。
 さらに、オープニング曲「White Road」のセットが、先日、私が行ってきたGLAYの故郷、函館の風景をすごくうまく表していると思いました。そして、歌詞を味わいながら演奏を聴いていたら、もう涙が止まらない。私は「Winter again」も大好きなのですが、彼らが雪をテーマに故郷を語る曲にはやはり特別な力があると思います。

 曲は昔の(デビュー曲)から、最新曲までシングルを中心にしているし、ドームだけあって、仕掛けも派手で楽しめます。私の周りはそれほどコアなファンの方たちではなかったようなのですが、楽しんでいるようでしたよ。去年のアリーナツアーほど、熱狂的ではなかったようですが、それはファン度にもよるのかも?

 まだ、東京ドームもいけるので楽しみです!
 グッズがほとんど売り切れだったのいはびっくり
 私がいった開演30分前には、バスタオルとTシャツとトートバックとビニールバックとパンフぐらいしかありませんでした!恐るべし・・・福岡(笑)

セルラー(2/17 試写会)

2005-02-20 10:45:07 | 映画
『真剣なサスペンスかと思ったら・・・コメディ要素満載の娯楽作』

 この映画のチラシにかいてある文章は、『1秒ごとに襲いかかる危機!息もつかせぬ謎の連続!全米興奮の緊迫のサスペンス・スリラー』となっています。
 このうたい文句を信じて、劇場に足を運んだ方は肩透かしをくうことになると間違いない!
 というのは、サスペンス要素は半分ぐらいだからです。
 そのサスペンスパートを受け持つのが、主演のキム・ベイシンガーと犯人役のジェイソン・ステイサムです。あとの残りは、コメディといっても過言ではありません。

 ストーリーの展開は早く、開始早々(1分らしい)にジェシカは理由もわからず、自宅から連れ去られてしまいます。屋根裏に閉じ込められ、唯一の連絡手段となりそうな部屋の電話はコナゴナに砕かれてしまったジェシカは、なんとか電話線をつなぎあわせて、外部へのSOSを試みます。そして、ようやくつながったのが、ふられた彼女と何とか復縁しようと必死なライアンだったのでした。

 ライアンを演じるのはクリス・エバンス。私はまったく知らないのですが、ハリウッドで注目の若手俳優らしいです。最初の登場シーンでは、とりたてて印象ももてない感じだったのですが、この映画の「動」の部分を受け持つ彼をず~っとみているうちに、好印象に変わりました。(青い瞳の影響力を否定はしませんが…笑)。役柄的には『TAXI NY』のドジな刑事と似ていて、ユーモアあふれるドタバタを繰り広げていきます。若さゆえに軽いんだけど、いざというときの正義感はちゃんと持っているという設定がありふれているけど、やっぱり観ている側には安心感を与えてくれます。
 そして欠かせないのがもう一人。この映画で重要な役割を果たしている巡査部長ムーニーを演じる、ウィリアム・H・メーシーです。彼は「ファーゴ」に出ていてアカデミー賞にノミネートもされています(私は未見ですが)。ムーニーは、勤続27年、ただし発砲経験なしのベテランなのですが、退職して妻とスパの開業をもくろんでいます。そんなときに、ジェシカとつながった携帯を持ったライアンが駆け込んだ窓口対応をしたことで事件とかろうじてつながることになるのです。彼が登場するシーンはなんとなくコミカルな要素でいっぱいで、私の後方からは「そんなところで笑わなくても…」というようなシーンでも笑いがおきてました(笑)

 サスペンスが好きな方には、どうかなと思う部分もありますが、何にも考えずに映画を観たいかたにはおススメです。展開が早く、笑えるシーンもありますし、上映時間も95分と短いので退屈することもないと思います。私はかなり楽しめました。エンドクレジットも「セルラー」を使ったものになってますよ。
 あと、ジェシカがそもそも電話線をつないで外部と連絡をとるなんていう高度な技術を使えるのかという疑問があるかと思いますが、ジェシカの生物教師なので理系には強いってことなのかなと思いました。冒頭で「教師を続けること」の会話が出てくるのも、いちおう伏線なのかも?もう1回、生物教師の設定を使うシーンがありますけどね(こちらは生物そのものですが)。
 また、運転中の携帯も日本では禁止されているので、ちょっと違和感もありましたが、それはアメリカですからね!

『セルラー』公式サイトはこちらから♪

ごぶさたしてました

2005-02-19 11:00:56 | つれづれ
またもや、更新の間があいてしまいました。
今回は別に旅にでていたわけではなく、家族と共同使用のPCが使えなかったためなのです(笑)
私の平日の帰宅時間はだいたい22時過ぎなのですが、この時間からちょうど妹が使い出すんですよ~。で、2時間以上にわたって使用するんで、翌日の仕事を考えるとなかなか…もう、体力がないんで(笑)、睡眠時間をあまり削れないんです。

というわけで、何度もきてくださった方にはすみませんでした。
ちなみに、先週末からの私はこんな感じですごしてました。
2/11 舞台「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」(シアターコクーン)
  12 舞台「そして誰もいなくなった」(ル・テアトル銀座)
  13 「危険な関係」(青山劇場)
     映画「リトル・ダンサー」に成長したビリーとして、ちょろっと出演していたアダム・クーパーの最新作です。あいかわらず、かっこよかった~でも、全編セリフなしなので、ストーリーの予習はある程度必須だったかも?ちなみに、この「危険な関係」は映画化もされています。最近では昨年のヨンさまの「スキャンダル」がそうですね。

2/17 試写会「セルラー」(新宿厚生年金会館)
     この感想はアップしますので、少々おまちください。
そして、今日、19日はこれから、松たか子の「コーカサスの白墨の輪」を世田谷パブリックシアターにみにいってきます

ソボクな疑問?

2005-02-13 10:36:14 | 映画
昨日、『ボーン・スプレマシー』を観ていて、日頃から感じていた疑問が再燃してしまいました。
映画のシーンでは、よくホテルにかたっぱしから電話をかけまくって、『○○さんは宿泊してますか?』って人を探す場面がありますよね。
で…ホテルの従業員は、み~んな宿泊状況を調べて「いらっしゃいません」とか「おつなぎします」とか答えるじゃないですか?
あれは、実際にもできることなんでしょうか?
私自身がそんなことをしたことも、されたこともないので謎だったんですよね。
そのホテルに宿泊してるかどうかって、客のプライバシーに関する情報ではないのかな?
あっさり、教えてくれちゃうなんて、いいのかな~と思ってしまったり…
映画のなかだけのコトなら、構わないし、実際に行われていても、理由があってやってるんだろうから、別に異議をとなえるつもりもないんですけどね。


どうでもいい疑問でした(笑)

ボーン・スプレマシー(2/12 幕張)

2005-02-13 00:53:23 | 映画
『失敗もする、ケガだってする・・・殺人者だったとしても、自分を取り戻すために』

 前作をDVDで予習もして待っていました、マット・デイモン演じる元CIAトップエージェント・ジェイソン・ボーンの物語です。
 ストーリーの導入部分を簡単にいうと…
 前作から時を経てボーンは、恋人マリーとインドで暮らしています。しかし、記憶の断片がよみがえる悪夢と頭痛に悩まされ、過去からは逃れられていません。そんな時、ボーンの命を狙う殺し屋が現れ、彼はマリーを連れ、逃げようと試みますが、追跡は執拗。ついにボーンは殺し屋の命を絶とうとしますが、マリーが制止した瞬間、銃弾がマリーを撃ち抜くのでした。愛する人を失ったボーンは、自分の過去と対決するために再び旅立つのです。

 このシリーズのいいところは、ジェイソン・ボーンを単なるスーパーヒーローにしていないところだと思います。信じられないような超絶技が繰り広げられるのではなく、本当の鍛えられた生身の人間のアクションと思わせるシーンの連続が、観ているものに絶妙なリアリティーを感じさせます。あいかわらず、自分ではあまり武器を携帯せずに、相手の武器を奪ったり、行った先にあるもので工作して爆破させたり、「そうするつもりなのね~」というのが違和感なく展開されていきます。
 また、「全てに狙いがある」とされる行動の数々も、空港でもホテルでも電車でもすぐに発見されてしまうし、ふと、気をゆるめたスキに殴られたり、はては撃たれるしというのが人間らしいですよね。そもそも、恋人をあんなに早く失ってしまうのが、最大の失敗なわけですし…それでも、たった一人の幸せな記憶を分かちあうマリーと一緒に逃げたかったというボーンの切ない愛は彼が過去には持つことのなかった心情の現れなのではないかと思います。

 今回はパメラ・ランディという女性のCIA諜報員がCIA側としてボーンを追っていくのですが、クールで抑えた知性が感じられてストーリーを引き締めています。最初は自分の仕掛けが失敗し、仲間を失った怒りで動いているのかなと思ったりもしたのですが、ストーリーが進むに連れ、彼女の冷静な観察力と公平な判断力に好感を抱くようになっていきました。
 また、展開は早く、舞台はインド、ナポリ、ベルリン、モスクワ、ニューヨークと移り変わります。中でもベルリンで、ボーンは記憶の断片にあった場所をめぐり、徐々に記憶を取り戻していきます。私は、数年前にベルリンを旅行したことがあって、固く薄暗い感じのベルリンの街の雰囲気がよく出ていて、懐かしさを感じました。前作もそうだったんですが、ヨーロッパのずっしりとした空気が単なる派手さとは異なるこの作品のイメージによく合っています。
 「オーシャンズ12」のリッチで軽妙なヨーロッパとは違うんですよね。また、オーシャンと違って任務(?)がちゃんと描かれているし(笑)、ライナスの情けなさとは正反対のボーンを演じるマット・デイモンがいいです。

 というわけで、大満足の作品なんですが、個人的な難点をちょっと。乱闘シーンやカーチェイスの場面などカメラのゆれが激しくて、めちゃめちゃ近視で、動体視力が皆無の私にはついていくのが大変でした。(というか、ついていけてませんでした…笑)現代の映画ではああいうカメラワークは避けられないんですかね~?

 さて、過去の記憶をちょっぴり取り戻した、ジェイソン・ボーン。続編が決定しているようですが、今回はケガはするわ、マリーへの想いから、人の命を簡単に絶つことができなくなっちゃったりとハンデがいっぱいです。三作目ではどのように、強くても人間らしいジェイソン・ボーンを魅せてくれるのか、不安も少々ありますが、期待しています 

『ボーン・スプレマシー』公式サイトはこちらから♪
前作『ボーン・アイデンティティー』の感想はこちらからジャンプ♪

山あり、谷ありの北海道~

2005-02-11 00:53:46 | つれづれ
 2月5日~7日まで北海道にいってまいりました。
 微妙にブログの更新に間が空いたのは、このためです。
 目的はGLAYの札幌ドーム公演
 …のはずだったのですが
 飛行機が札幌に着陸できませんでした~

 羽田の時点で予想は可能だったのです。新千歳の天候状態が悪く、天候調査を待っての出発でしたし、そのときに「函館空港に着陸または東京に引き返すこともあります」ってちゃ~んといわれました。
 さらに、使用機の到着が遅れて20分出発も遅れたしね。
 …でも、まさか本当に函館にいってしまうなんて!!!

 嘆くのにはわけがあります。
 まず、ひとつは当然のことながら、ライブに間に合わない!!
 そして、もうひとつは、私は札幌に一泊後、函館に来る予定だったのです。
 つまり、順番逆です…
 「函館→札幌」間は3時間強…13時半に札幌到着予定が、14時半に函館空港到着。JR函館駅までバスで30分。15時半の特急にのりこんでも、札幌到着は19時です。ちなみに、ライブの開始は17時。初日の開始が遅れるのは常とはいえ、もうライブは半分あきらめました。
 それでも、翌日函館に来ることがわかっていながら、札幌に向かってしまったのは、執念かな~。
 
 悔しいのは、私の乗った飛行機の前後の飛行機は遅れながらも無事に新千歳に着陸したことです。後の飛行機もだめだったら、あきらめもついたのに

 ま、というわけで、札幌滞在はなんだったのか、よくわかりませんが(笑)、翌日からの初めての函館旅行はと~っても楽しかったので、旅の想い出と思い込むことにしました!
 お店の方とお話させていただいたくこともありましたが、いい人ばっかりでしたよ。GLAYのメンバーが育った地のイメージどおりでした。
 そして、北海道の雪景色…なんどみても、感動してしまいます!
 また、いきたいです!でも、今度、ライブで冬の北海道にいくときは、前に予定を組むことにします(教訓)

きみに読む物語(2/8 幕張)

2005-02-09 20:40:02 | 映画
『ひとつの決断で最高のパートナーを得る至福』

 私の好きなジャンルの映画であり、公開を楽しみにしていました。
 とはいうものの、予告を観ているときは、若い2人の恋愛が主体なのだと思っていました。
 ところが、観ていくうちにその考えが短絡的であったことがわかります。この映画は、たった一人を愛し続けることの崇高さこそがテーマだと思うのです。

 富豪の娘アリーと材木置き場で働くノアが身分違いの壁を乗り越え、お互いがお互いを選ぶまでの若き日の二人の恋愛過程は、恋愛映画の王道をいっています。
 ノアを「いい人だけどクズ」というアリーの両親により、二人の「ひと夏の恋」にピリオドが打たれる‥しかし、あきらめられないノアはアリーに毎日365通の手紙を書くのですが、手紙は母親によってアリーには届かず。ついに、二人は年月と距離という障害に阻まれてしまいます。しかし、かつて二人が夢描いた家を一人完成させたノアの姿を偶然、眼にしたアリーは婚約者を大切に思いながらも、ノアに会いに行くことを止められず、「ひと夏」を過ごした地に向かうのです…
 このストーリーだけでも、恋愛映画好きの私は楽しく観ることができました。

 しかし、ストーリーの核は二人が二人でいることを決断した後にあります。
 アルツハイマーという病に冒されたアリーは、二人が過ごした大切な日々の記憶すらも忘れてしまいます。「老人性痴呆はなおらない」という医師の言葉にも屈することなく、ノアはアリーに語り続けるのです。
 恋愛映画は普通、二人が結ばれるところで終わります。
 でも現実では、若い二人が結ばれた後にこそ、永い人生が待っている。その永い歳月には、きれいごとではすまされない、恋愛時代には予想もしなかった困難もあるに違いありません。愛する人から自分の記憶が消え去ってしまう恐怖は私には想像することすら難しいです。それでも、何が起ころうとも愛する人を愛し続けることができたなら、そして、愛する人から愛されていることを信じられたなら、人にとってこれほどの幸せはないのではないでしょうか?

 私は彼らのように人を愛する自信はありません。
 それでも、つい、あんなふうになれたならと想ってしまうのです。
 最近ふと、自分の人生の未来を考えることがあります。そんな時期に出会えたこの映画は、もやもやとした不安を穏やかな素敵な気分に変えるスパイスとなってくれました

スパイ・バウンド(2/1 幕張)

2005-02-05 01:22:28 | 映画
『映像で追いかけるシリアスなスパイ世界は謎がいっぱい???』

 日本ではモニカ・ベルッチのアップで宣伝されていた「スパイ・バウンド」。私はどちらかというと「オーシャンズ12」で、泥棒兼おかしなフランス貴族を演じていたヴァンサン・カッセルに興味があって観て来ました。ちなみに実際みてみたら、クレジットは彼のほうが先に出るし、登場シーンも彼の方が多いです。

 私が勝手に(?)苦手意識を抱いているフランス映画だけあって、冒頭からやってくれます。最初、しばらくは全くセリフがないのです!私は人の顔を覚えるのも苦手なので、「早く名前だしてよ~」とずっと思ってました(笑)。

 ストーリーを簡単にいうと、モニカ演じる女性スパイ・リザは、スパイの世界から足を洗おうという決意を固めており、船の爆破任務のため夫婦を装うことになったジョルジュ(ヴァンサン・カッセル)には打ち明けます。ところが任務を無事成功させたリザは、空港で薬物所持で逮捕されてしまいます。逮捕劇にはウラがあり…ジョルジュは上層部のなすことに疑問を抱き始めるのです。

 リザのスパイという職務への苦しみはメイン・テーマなのでしょうが、わかりやすく語られるわけではありません。それぞれの行動が淡々と映し出されていくのみなのです。(だから、仕事帰りに観た私はかなりの数あくびを連発してしまいました…)リザの逮捕によって、ジョルジュが動き始めると同時にようやく物語が急展開していく感じです。しかし、動き出したとおもったら、唐突にラストがやってきます。
 観終えた感想は「???…え、終わり?」。普段、わかりやすい映画を観すぎなのでしょうか?逆に印象深い映画ではあります(笑)

 モニカ・ベルッチは、若作りではない年齢相応の美しさを魅せてくれています。顔のアップになると年齢を感じるのですが、それが苦悩するスパイ役には必要条件であった気がしました。ヴァンサン・カッセルは「オーシャン」とは全くイメージが違って、肉体派な感じをかもし出しています。でも、部屋の中でちょっとポーズを決めるところがあって、オーシャンでの赤外線くぐりを思い出して、思わずクスっと笑ってました。でも、そんなのは私だけで映画の中の彼らは全然笑ってくれません!空港で変装シーンがあるのですが、あれはなかなか面白いです。「あれで騙されちゃうんだ~、でも、そうかもしれない」という妙なリアリテイ(?)を感じてしまいました。
 最初に書いた部分とダブるのですが、この作品は基本的にヴァンサン・カッセルの映画だと思います。観れば観るほど不思議な顔立ちなんだけど、味がありますね。

 このお話は、実際にグリーンピースの船を爆破した女性スパイの証言を元に作られているということです。当時の事件を覚えている人は感じ方が違うのかな?私としては「おもしろい」とか「みてよかった」というような感想は残りませんでした…が、ヴァンサン・カッセルはよかったです。つい次回作もみてしまおうと思うほどには(笑)

『スパイ・バウンド』公式サイトはこちらから♪

Ray レイ (1/30 幕張)

2005-02-02 01:00:55 | 映画
『ジェイミーフォックスのすさまじいまでのなりきりが神様の真実を伝えてくれる…』

 「ソウルの神様」レイ・チャールズ。
 もちろん、彼の名前を知ってはいますが、彼の歌に親しんだかといわれると首を横にふらざるを得ません。でも、ゴールデングローブ賞、アカデミー賞ノミネートの話題作となれば、アカデミー賞発表前に観ておかねば!と勢いでいってきました。

 この映画の一番のポイントは、まさに神が降りてきたかのようなジェイミー・フォックスの演技だと思います。私がかすかに覚えているレイ・チャールズの印象そのままでした。ず~っとみていると、ややオーバーアクションなのでは?と疑問もわいてくるのですが、レイ本人がそういう人だったのかもしれないですね。アカデミー主演男優賞の有力候補なのも納得です。
 そして、「神様」とたたえられる人の闇の一面をクローズアップして描き出したことがこの映画の登場人物が実在した人物であることを強力に印象づけています。彼の音楽的才能がどんどん開花していき成功していくのと対照的に、派手な女性関係、薬物に溺れる生活など心の暗闇にはまっていく姿こそ、レイ・チャールズが「神様」になる前の試練だったのかもしれません。それでいて、「生きていくこと」に苦しみはしても、「音楽」を生み出すために苦しんでいるのではないところが、ありきたりの伝記とは違っているなと思いました。
 また、レイの母親が素晴らしかった。弟が目の前でなくなったときの母親の叫びを聞いて、これでレイが母に愛されなくなることがトラウマになるのかと思っていました。でも、逆でした。母がレイを責めるような言動はこの一言だけ。あとは盲目となってしまったレイを甘やかさず、突き放さず、生きていくための基本を教える姿には真の子に対する愛を感じました。

 …というようなことを感じるようになったのは、実は観終わってから時間が経ってからなのです。観ている間は、「黒人席で隔離するなんて時代があったんだ」というアメリカの人種差別とレイが長く付き合ってきた人たちでも、つきはなす冷徹な一面に対して驚いたぐらいで、2時間半という上映時間の長さにやや退屈してしまいました。でも、全体を振り返ってみると、いろんなことが浮かんでくるんですよね…不思議な映画だと思います。

 映画中で数多く歌われる彼のナンバーは、耳にしたことがある曲も確かに多かったです。好きな人はきっと時を忘れるほどの魅力があるのではないかと思います。

  
 ※レイ・チャールズが亡くなったのは、2004年6月10日ですが、先日観たアレキサンダー大王も6月10日だったような…(ネットで検索したのですが、1件見つけたのは13日だったので違うかな?)もし、同じ日だったらすごい偶然ですよね。「アレキサンダー」ごらんになったかたはおしえてくださるとうれしいです。