カキぴー

春が来た

砲艦サンパブロ

2010年05月21日 | 映画

僕がリピートで数回は観た、1966年公開のアメリカ映画 「砲艦サンパブロ」の製作費は、驚くなかれ戦争映画の大作 「史上最大の作戦」(1962年)を上回っている。 当時アメリカはベトナム戦争が激化しており、この戦争を間接的に批判していた、監督のロバート・ワイズは、是が非でもこの社会派作品を撮りたかったようだ。 これに20世紀フォックスのダリル・F・ザナック社長も賛同して、巨額な予算は認められた。

とくに大金を投じたのは、この作品に登場する砲艦の製作費、撮影に使われた砲艦は、香港で建造され、ロケの行われた台湾の基隆(キールン)まで回航された。 ジャンクやサンパンといった中国特有の船も、わざわざ映画撮影のため製作されている。 メカ好きな主役のスィテーブ・マックィーンは、実際に航行できるサンパブロ号の機関に習熟し、周囲を驚かせたという。

映画の背景となったのは、1927年の南京事件で、国民軍総司令蒋介石の軍隊が3月24日南京に入城する。 当初は平和裏に入城していたが、まもなく反帝国主義を叫ぶ軍人や民衆の一部が、外国の領事館や居留地などを襲撃して、日、米、伊、仏などから、死者、行方不明者が出る。 米英両軍は城内に艦砲射撃を開始、陸戦隊を上陸させて居留民の保護を図った。 

サンパブロ号も米国人宣教師とその娘を救出するため、揚子江を遡る。 河川で運用する砲艦は概ね浅喫水で、大洋の航海には耐えられないため、本国で作られ、分割して別の船で運ばれ、現地で再び組み立てられた。 伝道所に到着した艦長や宣教師は、中国側の追っ手によって射殺され、娘を逃がすため、マックィーンも擬性になる。

宣教師の娘役を演じたのが女優、写真家のキャンディス・バーゲンで、当時20歳、そして兵士役のスティーブ・マックィーンが36歳。  マックィーンは1966年この映画のプレミアで、作品の舞台となった上海に向かう途中、妻の二ールを帯同して来日。 但し滞在時間はわずか20時間だった。 1980年11月7日没、満50歳。 

      

 


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