とあるイタリアンシェフの脳みそ

ECHI&DOLCEポンテベッキオ シェフ浅井のブログ。日頃考えていること、感じていることなんかを時々綴っていきます

熟成肉の中勢以

2010年04月19日 | 日記

今日は京都、伏見にある 中勢以(なかせい)さんにお邪魔してきました。

ボス山根シェフ+PV各店シェフ+お世話になっているT畑氏とともに

 

なぜなら牛肉のドライエイジングについて勉強させてもらうためです。

 

ドライエイジングとは牛肉の熟成方法のひとつです。

牛の筋肉は屠畜後に死後硬直し、屠畜直後の肉はおいしくありません。

硬直した筋肉は時間が経つと柔らかくなり味や香りが向上します。

これは肉の中の酵素によりタンパク質が分解されて旨味成分であるアミノ酸に変わるためで、この『筋肉』から『食肉』にかわる過程を熟成(エイジング)といいます。

 

食肉の熟成方法は2種類あり、日本での一般的な熟成方法は『ウエットエイジング』といいます。パックして保存することです。

一方このドライエイジングは赤身肉の多いアメリカで行われている熟成方法です。

骨付き半頭(枝肉といいます。200から250キロくらい)これを1~3℃、60~80%の湿度に保った冷蔵庫につるし60日間ほど腐敗しないようにエイジングさせます。

30日で3キロ、60日で6キロ目減りするみたいで(水分がゆっくり抜けて)その分、味わいが濃厚になるのです。 

乾燥による目減り、表面のカビ(このカビが雑菌の進入を防ぎ、いい状態で熟成を進めることができるそう)を後から削らないといけないし、冷蔵庫に2ヶ月もぶら下げておくのはいろいろとコストとリスクがかかります。 

赤身の美味しさに重点をおくアメリカではグレードの高いビーフのドライエイジングされたものが最高とされています。

霜降り嗜好の日本人とは逆ですね。

サシをいれるために無理に太らせ、ビタミン不足になり失明する牛がいるのも現状

健康に育てられた赤身のおいしいヘルシーな牛肉が僕らの業界では何年も前から注目されてはいるものの、一般的な消費者まではそうでないですよね・・・。

生で部位の味の違い

焼いたものなどいろいろと試食させていただき、ドライエイジングによる旨みの変化を実感

こちらは黒毛の但馬牛を売られていますが、赤身志向のPV的には短角種かお気に入り褐毛(あかげ)和種の徳島すだち牛がいいなと

これから僕ら好みの牛肉を熟成させることに意欲的な言葉をいただけたので、今後が楽しみです。 

 

とても勉強になり有意義でした。

中勢以、加藤社長はじめみなさまお世話になりました。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すみません (giraud)
2010-04-20 23:15:16
勉強熱心ですね。
あした、うちの娘たち、
よろしくおねがいします。
返信する
Unknown (tom)
2010-04-21 03:12:25
giraudさん→

今日はわざわざお電話いただきましてありがとうございました。
喜んでいただけるように頑張らせていただきますね!
返信する

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