ファンタジアランドのアイデア

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アジアの大都市ジャカルタの水没を防ぐ  アイデア広場 その141 

2017-07-22 16:37:59 | 日記

 インドネシアの首都ジャカルタは、地盤沈下が進んでいます。海面以下のゼロメートル地帯が、4割にも及んでいます。さらに、2025年にまでには、1.8メートルの地盤沈下が進むといわれています。海面以下の土地が、ますます広がるということです。この理由は、地下水のくみ上げによるものです。地下水による地盤沈下は、元には戻りません。もう一つの理由は、海面上昇です。この上昇は、氷河の融解と海洋の温暖化による熱膨張によるものです。グリーンランドの氷柱が溶ければ、海面上昇は7メートルになると主張する専門家もいます。でも、注意が必要です。溶けるのは数世紀を要するのです。すぐに溶けると危機を煽るような専門家の言葉が、なかなか受け入れられないのです。余裕のある人は、専門家といわれる方達の主張をウオッチングすることも楽しいかもしれません。
 話はそれましたが、ジャカルタの地盤沈下を防ぐ対策を考えてみました。ジャカルタの地盤沈下が続けば、11兆円の土地が水没することになります。それを防止するために、ジャカルタ湾に16メートル防潮堤を建設する計画があります。この建設には、4兆円かかるそうです。現在でも、ジャカルタが工業や家庭用水を地下水に頼る状況は変わっていません。災害と対策とは、時間との闘いになっているようです。集中豪雨などでジャカルタの中心部の大統領宮殿に、浸水する事態も起きています。政治や経済が一時的に機能停止に陥っているのです。2011年タイでは、長期にわたる大洪水で日系企業にも大きな被害が生じました。この時の保険金支払いは、9千億円でした。東日本大震災の保険金支払いが6千億円だったことを考えれば、いかに大きな被害だったか理解でます。このような被害が、ジャカルタに起きようとしているのです。
 東南アジアや東アジアの安定が、日本の生活の安定を保障しているのです。新興国であれば壊滅的被害をもたらすような自然災害でも、日本は限定的被害で済んでいます。日本では、災害を減らすさまざまな投資を過去累々と積み重ねてきています。洪水や高潮に対しては、堤防の強化や築堤も行っています。この対策に高額な費用をかけて日本は、壊滅的被害を防いでいるのです。でも、新興国には日本の真似はできません。ジャカルタは地盤沈下に対して、地下水の資源の管理、調整池の開発、水の再利用などの対策を実施する必要があります。
気候変動を押さえ込めば、ジャカルタの不安は消えて幸せに暮らせるようになるわけでもありません。先進国が地道に行ってきた対策を行うことになるでしょう。日本は、その対策をジャカルタ市民が望むような形で援助していくことになるでしょう。おそらくは、中水道の充実や海水の淡水化技術の援助、そして雨水の効率的利用などの技術援助になるでしょう。注意したい点は、お金のかからない中間技術的な要素を含む援助を大切にすることです。