助手 「新しいスイフトってカッコ悪いと思いませんか。」
所長 「なんじゃ、いきなり。」
助手 「いやだから、新しいスイフトですよ。ボクはすごくカッコ悪いと思うんですけど。」
所長 「うーん、確かに格好いいとは思わんの。」
助手 「ですよね。変に丸味を帯びてて漫画チックっていうか。悪いコトを企んでるときの顔でこんなのあった気がするんですけど。」
所長 「うーん、ほれっCMで流れとるマンガのヤツ、あれじゃないのか。」
助手 「あーっ、それですそれです。コミック・シーモアの中条あやみさんが下ぶくれのイラストで『りょ。』って言うヤツ。ミョーに劇画チックなヤツ、あれに似てませんか。」
所長 「ワシには郷土玩具の張り子や紙風船をイメージしとるように思えるんじゃが。」
助手 「言われてみると張り子っぽい感じもしますね。フロントフェイスがゆらゆら動くスイフトの張り子があったら欲しいかも。」
所長 「みやげもん屋で売れば、インバウンドの外人に大ウケしそうじゃけど。」
助手 「面白いんですけど、クルマのモチーフとしてはどうなんでしょうね。」
所長 「どうなんじゃろうな。」
助手 「新型を見たあとに先代を見たら、なんてカッコ良かったんだろうってあらためて思いましたよ。」
所長 「じゃが先代が出たときは出たときで、その前の型と比べて安っぽくなったって思ったモンじゃがな。」
助手 「言ってましたよね。スポーティに振ってそれまでの塊り感が薄れたって言うか。」
所長 「じゃが今見ると先代もしっかりスイフトじゃったと思うんじゃ。」
助手 「ですね。」
所長 「じゃから新型も時間が経てば見え方も変わってくるんじゃないかのぉ。」
助手 「そうですかね。」
所長 「どうじゃろうな。ワシは新しいスイフトが時間の経過とともに見え方がどう変わるのか、結構楽しみにしとるんじゃがな。」
助手 「うーん、そういう楽しみ方もあるんですね。」
所長 「案外、スイフトスポーツなんかが出ればコロッと見え方が変わるかもしれんしの。」
助手 「ああ確かにスイフトスポーツは楽しみですね。あのデザインがどう変わるのかボクも楽しみです。」
所長 「しかしスイフトスポーツはすこぶる評判がいいのぉ。プロの評論家からクルマ好きの素人まで、悪く言うモンを見たコトないんじゃないか。」
助手 「言えてますね。サイズ、価格を考えれば世界屈指のスポーツカーじゃないかって話も聞きますよね。」
所長 「80年代や90年代前半ごろのホットハッチなんかに近い乗りモノって感じがするのぉ。」
助手 「わかります、わかります。当時はどの車にもとっておきのスポーツモデルがありましたよね。」
所長 「その感覚を現代で味わえる貴重な存在なんじゃろうな。」
助手 「ですね。シビックのタイプRなんかは手軽に扱えるシロモノじゃなくなりましたし、今はスイフトスポーツ一択って感じですね。」
所長 「言えとるの。なんでも先代スイフトの販売台数の半分はスイフトスポーツじゃったらしいしの。」
助手 「あ、よく知ってますね。そうなんですよ。」
所長 「なんかの記事で読んだわ。」
助手 「ちょっと気になるのがスイフトスポーツの売れ行きがよくなって半分になったんじゃなくって、ノーマルのスイフトの販売台数が落ちてきて結果的にスイフトスポーツが半分を占めるようになってるんですけどね。」
所長 「スズキの最量販のコンパクトカーとしてはちょっと問題じゃな。」
助手 「ですよね。評判の良かった2代目、あっスズキ的には初代ってことになってるみたいですけど、あれが月平均で4,500台ぐらい売れてたんですよ。目標台数が3,000台でしたから1.5倍の大ヒットですね。」
所長 「そりゃすごいの。」
助手 「で、その次の3代目が約3,300台、4代目の先代モデルが2,850台って感じで評判はいいんですけど、台数は代を追うごとに落ちてるんですよね。」
所長 「モデルレンジが一定じゃないし、コロナや半導体不足やらの要因もあるじゃろうから一概には言えんじゃろうけど。」
助手 「そう言うと思って発売から4年間の平均台数なんですよ。コロナや半導体にしても月当たりはバラつきはあるでしょうけど、長い目で見ればそう大きく影響はウケてないと思いますしね。」
所長 「おっ、お前にしては上出来じゃな。」
助手 「で、先代の売れ行きですけど、初年度が月平均で3,203台、2年目が3,052台、3年目が2,770台、4年目が2,342台、5年目が1,951台、6年目が2,092台、7年目が2,163台って感じで年々台数が減ってるんですよ。5年目や6年目が少ないのはやっぱりコロナとか半導体の影響なんでしょうね。」
所長 「ま、年々減るのはしょうがないじゃろ。Nボックスとかよっぽど売れとるモン以外はどれもそんな感じじゃろ。」
助手 「そうでしょうね。で、今の台数にはスイフトスポーツも含まれてるんですけど、スイフトスポーツだけの台数が興味深いんですよ。」
所長 「ほぉ、どんな感じなんじゃ。」
助手 「1年目が9月発売なんで4か月で3,702台、月平均だと925台、2年目が1,194台、3年目が935台、4年目が981台、5年目が936台、6年目が1,059台、7年目が1,027台とほぼ月900台から1,000台で安定しているんですよ。」
所長 「ほぉ、それは凄いの。年数が経ったことによる減少もないし、コロナとか景気の変化にもまったく影響されとらんの。」
助手 「でしょ。モデル末期の6年目、7年目は本当にスイフトの半数を占めてますからね。」
所長 「これをどう見るか、じゃな。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「スイフトスポーツが人気なのは間違いないが、スイフトスポーツとおんなじ数しか売れとらんノーマルモデルが不甲斐ないって見方もできるじゃろ。」
助手 「ですね。スイフトスポーツが月1,000台も売れてるのなら、全体で5,000台ぐらい売れててもおかしくないですよね。実際、ヤリスやフィットなんかはそれ以上売れてるワケですから。」
所長 「スズキもそういう考えなんじゃないかのぉ。」
助手 「えっ、どういうコトですか。」
所長 「先代のスイフトってスポーティに振ったデザインじゃったじゃろ。スイフトスポーツには合っとるんじゃが、量産コンパクトカーとしてはちょっとお客を選ぶところがあったって見方もできるんじゃないかのぉ。」
助手 「そうですか。新型のデザインの方がよっぽどお客を選ぶと思いますけどね。」
所長 「そう言われてしまうと言い返せんのじゃが。もう少しファミリー層とかコンパクトカーの購買層とかに訴求できるようにしたかったんじゃないかのぉ。」
助手 「うーん、言わんとしてるコトはわからなくもないですけど。」
所長 「反対にスイフトスポーツを買うお客向けにはエアロやなんやでそれらしく武装するのは案外やり易いのかもしれん。」
助手 「海外向けにはワイドボディとかあるようですし、あれが出たらまた違う印象を受けるかもしれませんね。」
所長 「ま、とりあえずワシは今度のスイフトがこの先どういう風に見え方が変わるのか楽しみでしょうがないんじゃ。」
助手 「なんか趣味悪いですね。」
所長 「そうかのぉ。出たときはあんまりよく思わんかって、あとになって惚れ込むクルマって結構あるし、案外そういうときの方が購入するってパターンになるコトが多い気がするんじゃがな。」
助手 「うーん、ボクはないですね。」
参考資料
スズキ・スイフト(スズキ株式会社)
スズキ・スイフト(先代)(轟クルマ文化研究所)
スズキ・スイフト(3代目)(轟クルマ文化研究所)
スズキ・スイフト(2代目)(轟クルマ文化研究所)
コミックシーモア 2020年8月6日ニュースリリース(エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社)
所長 「なんじゃ、いきなり。」
助手 「いやだから、新しいスイフトですよ。ボクはすごくカッコ悪いと思うんですけど。」
所長 「うーん、確かに格好いいとは思わんの。」
助手 「ですよね。変に丸味を帯びてて漫画チックっていうか。悪いコトを企んでるときの顔でこんなのあった気がするんですけど。」
所長 「うーん、ほれっCMで流れとるマンガのヤツ、あれじゃないのか。」
助手 「あーっ、それですそれです。コミック・シーモアの中条あやみさんが下ぶくれのイラストで『りょ。』って言うヤツ。ミョーに劇画チックなヤツ、あれに似てませんか。」
所長 「ワシには郷土玩具の張り子や紙風船をイメージしとるように思えるんじゃが。」
助手 「言われてみると張り子っぽい感じもしますね。フロントフェイスがゆらゆら動くスイフトの張り子があったら欲しいかも。」
所長 「みやげもん屋で売れば、インバウンドの外人に大ウケしそうじゃけど。」
助手 「面白いんですけど、クルマのモチーフとしてはどうなんでしょうね。」
所長 「どうなんじゃろうな。」
助手 「新型を見たあとに先代を見たら、なんてカッコ良かったんだろうってあらためて思いましたよ。」
所長 「じゃが先代が出たときは出たときで、その前の型と比べて安っぽくなったって思ったモンじゃがな。」
助手 「言ってましたよね。スポーティに振ってそれまでの塊り感が薄れたって言うか。」
所長 「じゃが今見ると先代もしっかりスイフトじゃったと思うんじゃ。」
助手 「ですね。」
所長 「じゃから新型も時間が経てば見え方も変わってくるんじゃないかのぉ。」
助手 「そうですかね。」
所長 「どうじゃろうな。ワシは新しいスイフトが時間の経過とともに見え方がどう変わるのか、結構楽しみにしとるんじゃがな。」
助手 「うーん、そういう楽しみ方もあるんですね。」
所長 「案外、スイフトスポーツなんかが出ればコロッと見え方が変わるかもしれんしの。」
助手 「ああ確かにスイフトスポーツは楽しみですね。あのデザインがどう変わるのかボクも楽しみです。」
所長 「しかしスイフトスポーツはすこぶる評判がいいのぉ。プロの評論家からクルマ好きの素人まで、悪く言うモンを見たコトないんじゃないか。」
助手 「言えてますね。サイズ、価格を考えれば世界屈指のスポーツカーじゃないかって話も聞きますよね。」
所長 「80年代や90年代前半ごろのホットハッチなんかに近い乗りモノって感じがするのぉ。」
助手 「わかります、わかります。当時はどの車にもとっておきのスポーツモデルがありましたよね。」
所長 「その感覚を現代で味わえる貴重な存在なんじゃろうな。」
助手 「ですね。シビックのタイプRなんかは手軽に扱えるシロモノじゃなくなりましたし、今はスイフトスポーツ一択って感じですね。」
所長 「言えとるの。なんでも先代スイフトの販売台数の半分はスイフトスポーツじゃったらしいしの。」
助手 「あ、よく知ってますね。そうなんですよ。」
所長 「なんかの記事で読んだわ。」
助手 「ちょっと気になるのがスイフトスポーツの売れ行きがよくなって半分になったんじゃなくって、ノーマルのスイフトの販売台数が落ちてきて結果的にスイフトスポーツが半分を占めるようになってるんですけどね。」
所長 「スズキの最量販のコンパクトカーとしてはちょっと問題じゃな。」
助手 「ですよね。評判の良かった2代目、あっスズキ的には初代ってことになってるみたいですけど、あれが月平均で4,500台ぐらい売れてたんですよ。目標台数が3,000台でしたから1.5倍の大ヒットですね。」
所長 「そりゃすごいの。」
助手 「で、その次の3代目が約3,300台、4代目の先代モデルが2,850台って感じで評判はいいんですけど、台数は代を追うごとに落ちてるんですよね。」
所長 「モデルレンジが一定じゃないし、コロナや半導体不足やらの要因もあるじゃろうから一概には言えんじゃろうけど。」
助手 「そう言うと思って発売から4年間の平均台数なんですよ。コロナや半導体にしても月当たりはバラつきはあるでしょうけど、長い目で見ればそう大きく影響はウケてないと思いますしね。」
所長 「おっ、お前にしては上出来じゃな。」
助手 「で、先代の売れ行きですけど、初年度が月平均で3,203台、2年目が3,052台、3年目が2,770台、4年目が2,342台、5年目が1,951台、6年目が2,092台、7年目が2,163台って感じで年々台数が減ってるんですよ。5年目や6年目が少ないのはやっぱりコロナとか半導体の影響なんでしょうね。」
所長 「ま、年々減るのはしょうがないじゃろ。Nボックスとかよっぽど売れとるモン以外はどれもそんな感じじゃろ。」
助手 「そうでしょうね。で、今の台数にはスイフトスポーツも含まれてるんですけど、スイフトスポーツだけの台数が興味深いんですよ。」
所長 「ほぉ、どんな感じなんじゃ。」
助手 「1年目が9月発売なんで4か月で3,702台、月平均だと925台、2年目が1,194台、3年目が935台、4年目が981台、5年目が936台、6年目が1,059台、7年目が1,027台とほぼ月900台から1,000台で安定しているんですよ。」
所長 「ほぉ、それは凄いの。年数が経ったことによる減少もないし、コロナとか景気の変化にもまったく影響されとらんの。」
助手 「でしょ。モデル末期の6年目、7年目は本当にスイフトの半数を占めてますからね。」
所長 「これをどう見るか、じゃな。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「スイフトスポーツが人気なのは間違いないが、スイフトスポーツとおんなじ数しか売れとらんノーマルモデルが不甲斐ないって見方もできるじゃろ。」
助手 「ですね。スイフトスポーツが月1,000台も売れてるのなら、全体で5,000台ぐらい売れててもおかしくないですよね。実際、ヤリスやフィットなんかはそれ以上売れてるワケですから。」
所長 「スズキもそういう考えなんじゃないかのぉ。」
助手 「えっ、どういうコトですか。」
所長 「先代のスイフトってスポーティに振ったデザインじゃったじゃろ。スイフトスポーツには合っとるんじゃが、量産コンパクトカーとしてはちょっとお客を選ぶところがあったって見方もできるんじゃないかのぉ。」
助手 「そうですか。新型のデザインの方がよっぽどお客を選ぶと思いますけどね。」
所長 「そう言われてしまうと言い返せんのじゃが。もう少しファミリー層とかコンパクトカーの購買層とかに訴求できるようにしたかったんじゃないかのぉ。」
助手 「うーん、言わんとしてるコトはわからなくもないですけど。」
所長 「反対にスイフトスポーツを買うお客向けにはエアロやなんやでそれらしく武装するのは案外やり易いのかもしれん。」
助手 「海外向けにはワイドボディとかあるようですし、あれが出たらまた違う印象を受けるかもしれませんね。」
所長 「ま、とりあえずワシは今度のスイフトがこの先どういう風に見え方が変わるのか楽しみでしょうがないんじゃ。」
助手 「なんか趣味悪いですね。」
所長 「そうかのぉ。出たときはあんまりよく思わんかって、あとになって惚れ込むクルマって結構あるし、案外そういうときの方が購入するってパターンになるコトが多い気がするんじゃがな。」
助手 「うーん、ボクはないですね。」
参考資料
スズキ・スイフト(スズキ株式会社)
スズキ・スイフト(先代)(轟クルマ文化研究所)
スズキ・スイフト(3代目)(轟クルマ文化研究所)
スズキ・スイフト(2代目)(轟クルマ文化研究所)
コミックシーモア 2020年8月6日ニュースリリース(エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ株式会社)
スイフトの一番のライバルはソリオなんでしょうね。
ボクからすると全然違うクルマですが、案外購買層は被ってるのかもしれません。
需要はスイフトスポーツとソリオの両極端になっていて、ノーマルのスイフトは取り残され、新境地を開こうとしたのが新型なのかも。
消費者にとっては関係無い話だと思いますが…
スイフトが2代目から3代目にモデルチェンジした際、プラットフォームからすべて切り替わったのに敢えて似たようなデザインで登場したのを思い出しました。
今回はその真逆をいく戦略なのかもしれませんね。