助手 「シーマが復活しましたね。」
所長 「らしいの。」
助手 「またツッコミどころの多いクルマですね。」
所長 「確かにな。」
助手 「まず、日本ではシーマって名前で出ましたけど、これって北京モーターショーに出てたインフィニティのM350hL、つまりフーガ・ハイブリッドのロングボディ版でしょ。」
所長 「顔つきとか細部は違っとるようじゃけど、おんなじクルマと言って差し支えのない範疇じゃな。」
助手 「顔を変えてるって言っても、まんまフーガにしか見えませんし、日本でもフーガのロングで出してもよかったんじゃないですかね。」
所長 「フーガの高級バージョンって言うよりも、シーマって言った方がお客が喜ぶんじゃったら、別にいいんじゃないか。」
助手 「それだったら、全然違うデザインにした方が良かったんじゃないですかね。」
所長 「もちろんそれに越したコトはないじゃろうけど、出る台数がしれとるし、とてもじゃないが採算が取れんじゃろ。」
助手 「それもそうですね。」
所長 「中国では台数が期待出来るし、向こうのおこぼれを貰う程度で丁度いいんじゃろ。」
助手 「中国はロングホイールベースが大流行みたいですね。BMWの3シリーズにも設定されたみたいですし。」
所長 「コンパクトな3シリーズのロングを買う意味がよぉわからんがの。ワシじゃったら5シリーズにするわ。値段が安いのかもしれんが、中国の富裕層がそんなトコでケチるとも思えんしの。」
助手 「言えてますね。でもアウディもA6とA4にロングを設定してますし、どっちも需要があるんでしょうけど。」
所長 「ま、分母がデカい市場じゃし、数パーセントでもバカに出来ん台数になるんじゃろうな。」
助手 「ですね。あとシーマの新聞記事を見て思ったんですけど、何かと言うと初代の『シーマ現象』を引き合いに出してくるのって、どうにかなりませんかね。」
所長 「ま、シーマと言えば初代のイメージが強烈じゃったからの。」
助手 「でもシーマが復活って言っても、ホンの2年前まで売ってたクルマなのに、まるで20年振りにビッグネームが復活するってニュアンスに感じるんですよね。」
所長 「そう感じるように書いとるんじゃろ。正直な話、2代目以降はどんどん影が薄くなってしもとったし、一般のヒトにとってはすでに過去の存在じゃったんじゃろ。」
助手 「かもしれませんね。」
所長 「それに元々シーマ自体にそれほど骨太なコンセプトがあったとも思えんしの。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「初代のシーマって、自動車税の改正を受けて誕生したセドグロの3ナンバー専用車じゃったワケじゃろ。」
助手 「でしたね。当時国内最強の255psを誇るV6、3リッターのDOHCターボを積んでて、それまでの高級車のイメージとはかけ離れた存在でしたよね。」
所長 「バブル景気の後押しもあって社会現象の象徴とされるぐらい売れたんじゃが、2代目が出る頃には、3ナンバーサイズなんて珍しくもなんともなくっとったし、ベースのセドグロ自体が3ナンバーじゃから、単にセドグロの上のクルマっていう位置付けになってしもたんじゃ。」
助手 「でしたね。」
所長 「おまけにアメリカで立ち上げたインフィニティのフラッグシップとしてQ45って言う、もっと高級なクルマも加わっとったから、シーマの存在意義が曖昧になってしもとったじゃろ。ま、もっともQ45が大ゴケしたから結果としてシーマを存続させとって正解じゃったワケじゃが。」
助手 「そうですね。」
所長 「で、3代目になると、そのQ45と姉妹車になってしまい、日本ではウケのいいシーマの名前が存続されたに過ぎんしの。セフィーロとマキシマが統合したときに、どう考えてもマキシマの後継としか思えんクルマに、セフィーロの名を付けたのとおんなじじゃな。」
助手 「あらためて考えると、シーマって名前で初代の話しか出てこないのも無理もないですね。」
所長 「そういうコトじゃ。ま、それだけ初代の人気が高かったってコトじゃけどな。」
助手 「ですね。」
所長 「で、・・・。」
助手 「えっ、なんですか。」
所長 「お前の言うツッコミどころってそれだけか。」
助手 「えっ、えーっとあと三菱にOEM供給するんですが、こっちも懐かしい名前が復活しますよね。フーガがプラウディアで、シーマがディグニティでしたっけ、これはまだ納得できますけど。」
所長 「ふーん、他には。まだあるじゃろうが。」
助手 「えーっと、他になんかありましたっけ。」
所長 「このタイミングでシーマって名前のクルマが出てきたってコトは、どういうコトじゃ。」
助手 「えっ・・・どういうコトでしょうね。」
所長 「ホントに使えんヤツじゃのぉ。ほれっ、ベンツと提携したときにベンツのプラットフォームを使ったシーマが出るって噂があったじゃろうが。もう忘れたんか。」
助手 「あー、ありましたね。というコトはやっぱりあの話はないってコトですか。」
所長 「そういう見方をせんとイカンじゃろうな。ま、もっともインフィニティの最上級車も不在のままじゃし、この先インフィニティ・ブランドをより浸透させていこうと考えると、高級ブランドのイメージリーダーたる車種が不在のままっていうのはまずいのかもしれん。やるにしてもベンツ・ベースか日産が一からつくるかはわからんがの。」
助手 「そういえば、中国を初めとして海外での業績はかなりいいみたいですし、今なら出しそうな気がしますね。」
所長 「そう仮定するとじゃな、今回のシーマはそのときまでのつなぎに過ぎんのかもしれんし、それとも需要の少ない日本では発売せん車種になるのかもしれん。はたまたインフィニティとして日本で展開するって可能性もなくはないしの。」
助手 「うーん、インフィニティですか。いくらなんでもそれはないでしょ。」
所長 「ワシも成功するとは思えんが、今の日産ならやりかねん気もするんじゃが。」
参考資料
日産シーマ(日産自動車株式会社)
日産シーマ(初代)(『GAZOO.COM』 トヨタ自動車株式会社)
スズキ・スイフト(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「らしいの。」
助手 「またツッコミどころの多いクルマですね。」
所長 「確かにな。」
助手 「まず、日本ではシーマって名前で出ましたけど、これって北京モーターショーに出てたインフィニティのM350hL、つまりフーガ・ハイブリッドのロングボディ版でしょ。」
所長 「顔つきとか細部は違っとるようじゃけど、おんなじクルマと言って差し支えのない範疇じゃな。」
助手 「顔を変えてるって言っても、まんまフーガにしか見えませんし、日本でもフーガのロングで出してもよかったんじゃないですかね。」
所長 「フーガの高級バージョンって言うよりも、シーマって言った方がお客が喜ぶんじゃったら、別にいいんじゃないか。」
助手 「それだったら、全然違うデザインにした方が良かったんじゃないですかね。」
所長 「もちろんそれに越したコトはないじゃろうけど、出る台数がしれとるし、とてもじゃないが採算が取れんじゃろ。」
助手 「それもそうですね。」
所長 「中国では台数が期待出来るし、向こうのおこぼれを貰う程度で丁度いいんじゃろ。」
助手 「中国はロングホイールベースが大流行みたいですね。BMWの3シリーズにも設定されたみたいですし。」
所長 「コンパクトな3シリーズのロングを買う意味がよぉわからんがの。ワシじゃったら5シリーズにするわ。値段が安いのかもしれんが、中国の富裕層がそんなトコでケチるとも思えんしの。」
助手 「言えてますね。でもアウディもA6とA4にロングを設定してますし、どっちも需要があるんでしょうけど。」
所長 「ま、分母がデカい市場じゃし、数パーセントでもバカに出来ん台数になるんじゃろうな。」
助手 「ですね。あとシーマの新聞記事を見て思ったんですけど、何かと言うと初代の『シーマ現象』を引き合いに出してくるのって、どうにかなりませんかね。」
所長 「ま、シーマと言えば初代のイメージが強烈じゃったからの。」
助手 「でもシーマが復活って言っても、ホンの2年前まで売ってたクルマなのに、まるで20年振りにビッグネームが復活するってニュアンスに感じるんですよね。」
所長 「そう感じるように書いとるんじゃろ。正直な話、2代目以降はどんどん影が薄くなってしもとったし、一般のヒトにとってはすでに過去の存在じゃったんじゃろ。」
助手 「かもしれませんね。」
所長 「それに元々シーマ自体にそれほど骨太なコンセプトがあったとも思えんしの。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「初代のシーマって、自動車税の改正を受けて誕生したセドグロの3ナンバー専用車じゃったワケじゃろ。」
助手 「でしたね。当時国内最強の255psを誇るV6、3リッターのDOHCターボを積んでて、それまでの高級車のイメージとはかけ離れた存在でしたよね。」
所長 「バブル景気の後押しもあって社会現象の象徴とされるぐらい売れたんじゃが、2代目が出る頃には、3ナンバーサイズなんて珍しくもなんともなくっとったし、ベースのセドグロ自体が3ナンバーじゃから、単にセドグロの上のクルマっていう位置付けになってしもたんじゃ。」
助手 「でしたね。」
所長 「おまけにアメリカで立ち上げたインフィニティのフラッグシップとしてQ45って言う、もっと高級なクルマも加わっとったから、シーマの存在意義が曖昧になってしもとったじゃろ。ま、もっともQ45が大ゴケしたから結果としてシーマを存続させとって正解じゃったワケじゃが。」
助手 「そうですね。」
所長 「で、3代目になると、そのQ45と姉妹車になってしまい、日本ではウケのいいシーマの名前が存続されたに過ぎんしの。セフィーロとマキシマが統合したときに、どう考えてもマキシマの後継としか思えんクルマに、セフィーロの名を付けたのとおんなじじゃな。」
助手 「あらためて考えると、シーマって名前で初代の話しか出てこないのも無理もないですね。」
所長 「そういうコトじゃ。ま、それだけ初代の人気が高かったってコトじゃけどな。」
助手 「ですね。」
所長 「で、・・・。」
助手 「えっ、なんですか。」
所長 「お前の言うツッコミどころってそれだけか。」
助手 「えっ、えーっとあと三菱にOEM供給するんですが、こっちも懐かしい名前が復活しますよね。フーガがプラウディアで、シーマがディグニティでしたっけ、これはまだ納得できますけど。」
所長 「ふーん、他には。まだあるじゃろうが。」
助手 「えーっと、他になんかありましたっけ。」
所長 「このタイミングでシーマって名前のクルマが出てきたってコトは、どういうコトじゃ。」
助手 「えっ・・・どういうコトでしょうね。」
所長 「ホントに使えんヤツじゃのぉ。ほれっ、ベンツと提携したときにベンツのプラットフォームを使ったシーマが出るって噂があったじゃろうが。もう忘れたんか。」
助手 「あー、ありましたね。というコトはやっぱりあの話はないってコトですか。」
所長 「そういう見方をせんとイカンじゃろうな。ま、もっともインフィニティの最上級車も不在のままじゃし、この先インフィニティ・ブランドをより浸透させていこうと考えると、高級ブランドのイメージリーダーたる車種が不在のままっていうのはまずいのかもしれん。やるにしてもベンツ・ベースか日産が一からつくるかはわからんがの。」
助手 「そういえば、中国を初めとして海外での業績はかなりいいみたいですし、今なら出しそうな気がしますね。」
所長 「そう仮定するとじゃな、今回のシーマはそのときまでのつなぎに過ぎんのかもしれんし、それとも需要の少ない日本では発売せん車種になるのかもしれん。はたまたインフィニティとして日本で展開するって可能性もなくはないしの。」
助手 「うーん、インフィニティですか。いくらなんでもそれはないでしょ。」
所長 「ワシも成功するとは思えんが、今の日産ならやりかねん気もするんじゃが。」
参考資料
日産シーマ(日産自動車株式会社)
日産シーマ(初代)(『GAZOO.COM』 トヨタ自動車株式会社)
スズキ・スイフト(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
マジェスタ回で書いたように中国人は後席の広さを重視するんです。1クラス上並みの室内長を欲しいと。
キャディラックSTSに2.0ℓターボがあったり,中国仕様って何気に面白いです。
>それに元々シーマ自体にそれほど骨太なコンセプトがあったとも思えんしの。
ベンツを超越した車を作ろうとしたトヨタと比べると違いますね。
>日本では発売せん車種
細かい指摘ですが・・・次期型のことですよね?
>インフィニティとして日本で展開する
ついにスカイラインの名が消・・・いやないか。
>マジェスタ回で書いたように中国人は後席の広さを重視するんです。1クラス上並みの室内長を欲しいと。
>キャディラックSTSに2.0ℓターボがあったり,中国仕様って何気に面白いです。
うーん、というコトは、「3シリーズ<5シリーズ<7シリーズ」というヒエラルキーの他に、
3シリーズを買うなら「ショートホイールベース<ロングホイールベース」という図式が
あるんですね。
排気量や馬力よりも後席の広さ!なかなか興味深い市場です。
>ベンツを超越した車を作ろうとしたトヨタと比べると違いますね。
Q45はジャパンオリジナルで対抗しようとしたんですけどね。
市場や時代を読めなかったのが敗因でしょうね。
>細かい指摘ですが・・・次期型のことですよね?
次期型というか、新しいQ45が開発されれば、です。
>ついにスカイラインの名が消・・・いやないか。
いやいや、わかりませんよぉ。
ま、やるにしてもレクサスの苦戦を見てるんで同じやり方はしないでしょうけど。