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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「夢幻章伝」88

2015年12月22日 | 物語「夢幻章伝」

「ふ~、おいら達お腹いっぱい!!」

さて、場面はアヅチ一家の夕食へ。
豆ごはんや、豆グラタン
豆カレー等々の豆料理に
野菜やお肉が並ぶ。
数日ぶりの懐かし、南一族メニュー。

「まっちゃんも遠慮せずに食べてね」
「はい」(もぐもぐ)

ちなみに
マツバも夕食にお呼ばれしてます。

「ホント、今日はマツバが居てくれたら
 段取りよく済んだよな」

助かった、と
モモヤは食後の一杯(お茶)を
くぃっっと飲み上げる。

そう、収穫は終わった。
ただし、今日のノルマがという話。

収穫は、まだまだ
まだこれからも続く。

うーん。

「あ、それじゃあ、私はそろそろ」

立ち上がるマツバに
アヅチ姉は料理の残りをタッパーに詰める。

「もうこんな時間。
 ずいぶん引き留めちゃったわね
 今日はありがと」
「ほら、アヅチ送って行けよ」

モモヤに急かされ、
アヅチも立ち上がる。

「分かったよ。
 へび呼ロイド、お前も来い」

近所のマツバの家まで数百メートル。
とぼとぼと進む2人と1匹。

「なあへび呼ロイド。
 今回の旅、なんだけど」
「……私もそのことで」

「んんん?
 どうしたの2人とも?」

うん、
ええ、と
顔を見合わせるアヅチ&マツバ。

そして、覚悟を決めた顔で
へび呼ロイドにアヅチが言う。

「ぶっちゃけ。
 ウチの姉貴は……強いっ!!」

「せやな」

知っていると、頷くへび呼ロイド。

「魔法も武術も相当の腕前だ
 旅に連れて行くなら
 ……姉貴が最適だと思う」
「私もそう思うわ。
 私たちなんかよりずっと」

「ふたりとも」

へび呼ロイドは首を横に振る。

「おいら達2人がいいんだ。
 アヅチとマツバと一緒が良いんだよ」

むしろ、
あの、アヅチ姉をコントロール出来る自信もないし。

「ずっと一緒に旅をしてきた
 2人が良いんだよ。
 もう、他の人なんて考えられないね」

「「へび呼ロイド」」

じーん。
見つめ合う3人。
なんだか感動のシーンに。

こんなの前も一回あったな。

「よく言ったわね」

パチパチパチと拍手をしながら
物陰から現れるアヅチ姉。

「あ、姉貴!!?」

「戻って早速だけど
 もう旅立つようね」
「ええ」
「姉貴、その
 収穫のことだけど」

「おいおい」

更に物陰から現れるモモヤ。
みんな、スタンバイしていたのか。

「姉貴、そろそろアヅチにも
 ネタばらししても良いんじゃないのか」

「??」

「そうね、
 アヅチ、父さん達が出かけてるのを
 疑問に思わなかった?」

アヅチ一家は
両親と兄弟の5人家族です。

「そういや、居ないな」

「実は大型収穫機械を
 購入に行ったのよ!!」
「大枚をはたいてな!!」
「でも大丈夫、現在の収穫量的に考えると
 5年で元は取れる計算よ」
「これで我が家もオートメイション化だ」

えええええ、と絶句するアヅチ。

「……マジか」
「マジよ!!」
「マジダ!!」

なんだかんだで仲良いなこの姉弟。

そんな姉弟のやりとりを
じっと眺めるマツバ。
兄弟羨ましいのだろうか。

「まっちゃんも行くのね。
 でもいつでも帰ってきなさい
 ここはあなたのウチでもあるんだから」

マツバは
いや、ちゃんと我が家あるし、とか
思ったが、アヅチ姉の言葉なので反論せずに頷く。

「はい!!」

「お前達、体に気をつけるんだぞ」
「分かってる
 兄貴はいちいち気にし過ぎなんだよ」
「ああそう、これを持って行きなさい」

マツバはアヅチ姉の短刀を受け取る。

「これは?」
「これから先の戦いで
 きっと役に立つわ」

今後使えるかもしれないキーアイテムを貰い
手を振るアヅチ姉と
兄のモモヤに見送られながら
進むアヅチ&マツバ&へび呼ロイド。

ざっ!!ざっ!!と足下を踏みしめながら進む。

「ねぇ、アヅチ」
「ああ、マツバ」

お互い後ろは振り向けない。

「なんか、こう
 良い感じに見送られているものの」
「もう、夕食後で夜だし、
 今日ぐらいゆっくり寝たいな」

ふわふわと漂いながら
へび呼ロイドも言う。

「そうだね
 おいら達マツバの家族にも会いたいし」

うん。

くるり、と向き直る2人と一匹。

「じゃあ、俺達の冒険は!!」
「明日から続く!!」


ってことで。



夢幻章伝・完!!!!!







………完?

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