蓬莱の島通信ブログ別館

「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

マスコミという病Ⅲ(続続)─NHK再編から情報・文化事業全体の改革へ─

2006年03月13日 | 市民のメディアリテラシーのために
1.NHKは果たして国際放送の担い手にふさわしいのか? 状況証拠から見えてくるNHKに予想される構造的腐敗については、すでに、お伝えした。
マスコミという病Ⅲ(続)
 こうしたかなり根深い腐敗の構造が見えてきはじめたNHKだが、2月下旬NHK会長は「国際放送はNHKで行う必要がある」ので必要な資金をCMで集めたいと発表した。実は、傘下の私企業を通じて收益を上げているはずのNHKは、広告などなくても、本当に公共放送ならば、国際放送で映像のカットなしに番組を作れるはずである。明らかに、NHk会長の言い分には、大きな裏(特定国家の利益を忠実に反映した”日本のイメージ”を全世界に流布するなど)がありそうである。そして、資金や收益に関する議論はされているが、NHKの国際放送の質には議論が及んでいない。国際放送は海外への影響が大きく日本の将来にも大きく関係する。台湾から見たという視点での再検討をまとめておきたい。

2.NHKに国際放送は任せられない─ニュース篇─
 繰り返しになるが台湾ではNHKの国際放送NHKワールド・プレミアムが見られるので、それを10年あまり見てきて気づいた問題点を以下に列挙する。なお、NHKワールド・プレミアムは、NHKニュースに、料理、趣味、子供、NHK特集などを入れて編集した特別版である。
 今回は、特にニュースの問題点を考えてみたい。この五年余り、国際放送でのNHKニュースや社会問題解説番組の内容には大きな問題が見られると思われる。

①ニュースの本数が非常に少なく選択の基準がまったく不明
 たとえば夜の「ニュース7」や「ニュース10」では、昨年の総選挙前までひどいときは、前半30分でスポーツを除き、2本程度しかニュースがない場合が多々あった。しかも、そのうちの一本は海外の中国あるいはイラクなどのニュースで、日本の動きを知りたくてもまったく分からないことが多かった。ニュースの本数が非常に少ない原因は、記者の主観による解説が長すぎる、キャスターや解説者の不要なコメントが多い、ニュースの地域選択が中国・韓国と中東に偏りすぎという編集責任者の問題で、NHKに国際放送を担当するセンスのないことをよく表している。比較的よかった「おはよう日本」だが、アナウンサーが野村某に代わって、最近はかなりひどいときが多々見られるようになった。
 最近の一例として2006年3月6日の「おはよう日本」のニュース構成を以下に示す。
【台湾時間6:00~6:15】
民主党の立場の搖れ、東京での殺人事件、ブッシュ大統領の支持率低下、千葉県で海豚が打ちあげられた事件の4本
<コメント>
民主党の動きだけを追っても日本の政治的方針は分からない、小泉改革の行方も分からない。従って、日本の政治の動きは、NHKを見ても全然分からない。また、ブッシュ大統領の支持率低下は、旧聞に属しており、これだけではニュースのトップにする話題にはならない。韓国の”のばかむひょん(すみません、漢字が読めませんでした)”とかいう大統領の支持率はもっと低い。なぜ、ブッシュ大統領だけ取り上げるのか、隠れた意図が感じられる。東京での殺人事件、千葉県で海豚が打ちあげられた事件はまったくトップにあげるニュースとは言えない。それこそ、”深刻です、激化しています”が大好きな「クローズアップ現代」にでも任せればいいニュースである。なんでこんなニュースを朝のトップにするのか、まったく編成にセンスが感じられない。しかし、以下に続く構成を見ていて、理由が分かってきた。
【台湾時間6:15~6:24】
ライブドア事件に関するインタビュー3本
<コメント>
ここまで見て、NHKの編集意図が分かってきた。ブッシュ大統領の支持率低下とライブドア事件に関するインタビュー3本の共通点は何かと言えば、小泉改革への関連である。つまり、<ブッシュ大統領の支持率低下+ライブドア的社会風潮批判のインタビュー=小泉改革へのネガティブキャンペーン>という意図があって、わざと、トップには値しない、ありふれた東京での殺人事件、千葉県で海豚が打ちあげられた事件を混ぜて、編集意図がわからないように、しかも、国民の意識に小泉改革への小泉改革へのネガティブキャンペーンを刷り込めるようにしたのではないか?とすると、次は必ず「中国」か「韓国」カードだ・・・。
【6:24~6:28】
スポーツ
<コメント>
大半が「放送権の関係で画像はご覧になれません」ばかり、画像のないスポーツ番組など、塩の入っていないラーメンのようなものだ。受信料を湯水のように浪費できるNHKならではの、典型的な資源の浪費だ。
【6:28~6:30】
短いニュース3本:中国全人代で「農村重視」、JAL再建、福井市長選挙
<コメント>
予想通り、中国カードが来た。しかも、中国全人代で「農村重視」という中国共産党大本営発表そのものの内容で、5日の夜のニュースで出た「農村暴動」の映像でなく、牛を引いて耕作している”美しき国・中国”の映像に変わっていた。明らかに、中国共産党擁護である。小泉改革へのネガティブ・キャンペーンの後で、”中国は国民を大事にする”というプロパガンダを流して、小泉政権の対中政策を批判しているとも言える。
 ここまで見て、今日の特にひどい編成の意味が分かった。中国共産党全人代ニュースをトップにすると、「農村暴動」に触れないわけにはいかなくなる。そこで、後半にニュースをずらして、時間を短縮して共産党の大本営発表だけにし、殺人事件と海豚のニュースをトップに挿入しながら、中国擁護=小泉批判のために、前半にニュースとは言えない、ブッシュ大統領の支持率低下の旧聞とライブドア事件へのインタビューを入れたということであろう。
 本当に情報操作ということがよく分かるような、特にひどい編集である。編集意図がこれもよく分かるいつもの「中国・韓国」4本立てと違って、中国のマイナス面をカバーするための、姑息なしかし巧妙な「偏向」である。
 サブリミナルとは言えないが、実は、材料の竝べ方でそれに近い意味を持たせている。<親「中国」=新ナチズム(民主主義の名を語って独裁主義を擁護する)=大衆操作=NHKの「公平・公正」>という図式を中国と深刻に利害が対立している私は思った(中国との交流で生活し利益を得ている人たちは、こうした編集を寧ろ歓迎するだろうが)。
【6:29~6:32】
気象
<コメント>
国際放送では簡単でよい。日本の天気は日本にしか当てはまらない。ただ、この時間に流す日本の季節の風物は台湾のニュースでもよく画像付きで転用されているので、日本の紹介としては、充実させてもよい。海外向きに編集し直すべきであろう。
【6:33~6:40】
ローカルニュース:コンビニの販売戦略転換、除雪での事故、道徳教育の高校での取り入れ
<コメント>
日本の生活がかえってローカルニュースのほうからよく分かる。「コンビニの販売戦略転換」、「除雪での事故」などは、経済の動きや日本の生活を海外に知らせるいい素材だ。台湾のニュースでも転載されることがある。
【6:41~6:45】
道路情報と気象ニュースの繰り返し
<コメント>
道路情報はまったく不要だ。気象ニュースの繰り返しも、中継の途中で映像を抜く技術があれだけ高いのに、なんでこんなものを入れるのか分からない。
【6:45~6:50】
今日のニュースまとめ:民主党、防衛施設庁、JAL、中国の全人代、イランの核開発の五本
<コメント>
このまとめを見ると、もともと流す予定だったニュースが分かる気がした。防衛施設庁とイランの核開発のニュースは、このまとめで初めて入ってきた。当然、殺人事件、海豚のニュース、ブッシュ大統領を入れたために、こうしたニュースは消えてしまったわけだ。とにかく、中国の全人代をどう誤魔化すかで、必死だったのだろう。「今日の主なニュースのまとめです」というお偉いエリート様・野村某アナウンサーの白々しい声が、”おめえらみたいなバカにはどうせわかんないんだろうけどさー、日本は中国に支配されたほうがいいんじゃないの”とあざ笑っているように聞こえた。流していないニュースを主なニュースだという、某有名大学でのこの方の知能はよほど上等に出来上がっていらっしゃるらしい。
【6:50~6:55】
特集:宇宙ステーションきぼうと日本人飛行士 古川聡さんの紹介
<コメント>
中国国営放送NHkの改革なくして、宇宙ステーションきぼうも日本人飛行士の未来もない。数年後に迫った戦争で、日本自体が中国に滅ぼされるかも知れず、いかにも、しらじらしい。紹介の番組自体は、いいものだが。
【6:56~7:00】
トレンド情報:ふたの工夫(マヨネーズなど)
<コメント>
お金の好きなNHKらしく、経済ばかりを取り上げる。「マネーゲーム」や金銭的風潮をライブドア事件では批判しながら、自分達が日本の動きとして流すのは、こうした経済ニュースばかりだ。一方では批判、一方では肯定という典型的な統合失調的矛盾をいつもNHKから聞かされている国民が理由のない不安に駆られるのも無理はない。 
②中国の意向を受けた偏向
 台湾は中国と対立しているためNHKはニュースで年に数えるほどしか台湾に関するニュースを流さない。昨年夏、台湾は台風で大きな被害を受けたが、天気予報でも台湾への接近は一度も言わず「先島諸島へ接近しています」と言い続け、台湾を直撃したあと、今度は「中国での被害が心配されます」と言って中国での台風被害の画像を流した。一事が万事こうした状態が続いている。また、中国の地図に台湾を勝手に入れて放送することなどが「台湾の声」で多々指摘されている。
 昨年夏の台湾の台風被害のNHKによる無視については、このブログで書いたことがある。
 神よ台湾を助けたまえ
③オリンピック中継などスポーツ関係の映像はほとんど見られない
 NHKは放送權の関係でオリンピックは流せないと言っている。しかし、台湾で見られるアメリカのCNNはオリンピックの画像も配信していた。許可を取れば、国際放送でも流すことは可能ではないか。スポーツ関係でもサッカー、ゴルフ、スケート、テニスなど大半の映像は削除されてみられない。ニュースで10分流した内の9分は、「放送権の関係でご覧になれません」という表示だけが出ていて、時間の無駄になっている。日本のプロスポーツの紹介にもならない。また、前にも書いたように、国際番組編成の偏向のため、NHKは今回のトリノオリンピックでできた空き時間に海外番組では松平アナウンサーの司会で2週間ずっと30年前と20年前の「シルクロード」を流し続けた。NHKの特集には、「生命」とか「地球大紀行」など日本が取り組む環境をテーマにした番組もあり、「シルクロード」を受信料を消費して海外へ流し続けた意図は疑問だ。「コマーシャル」云々というNHKの論理は中国と密接な関係にある私企業であるNHKの体質から言えば、中国のために国民の税金や資金を浪費することになり、明らかにおかしい。画像編集もあり、今回のオリンピックで優勝した荒川選手がウイニングランで日の丸を持って祝福を受けたシーンをNHKは削除して生中継と言っている。韓国選手が国旗を持って祝福されるシーンは流しているということである。
④ニュース編成の”異常な愛情”
 今回のトリノオリンピックで優勝した荒川選手の番組は、インタビュー一回だけでニュースにもほとんどでないのに、今週3月8日~11日のニュース7はかなりの時間(5分以上)を割いて、「カーリング」ばかりを流し続けている。荒川選手には日の丸問題があるので、代わりに「カーリング」を取り上げているとも見えるし、特定の女性を偏愛すると言われるNHK元会長の意向を受けて、このチームの女性ばかりを撮っているようにも見える。いずれにせよ公共放送がなぜ特定の個人の”異常な愛情”に奉仕するのか、理解を超えている。
⑤NHKの引用の論理
 NHKは長い間日本語の手本と言われてきたが、最近は、そうではない。今週、中国から尖閣諸島での共同開発の提案があったとき、「おはよう日本」の野村某は、「中国は~開発を提案しました」に対して、「日本側は~としています」「~と言っています」と日本政府にだけ引用の文型「~としている」「~と言っている」を用いている。量的緩和政策変更のときには、「政府は~と発表しました」「日銀は~を決定しました」と引用文型は使っていない。引用にすると、突き放した感じになり、言い分をとりあえず聞いてあげようという感じに日本語では聞こえるので、NHKは引用を付けない「中国」政府の発表を主に、こうしたニュースを考えていることがよくわかる。中国共産党御用商人NHKらしさが、ことば遣いにも端的に現れている。 

3.NHKに国際放送は任せられない─番組篇─ 
 次に、娯楽・教養関係の番組を見てみたい。
①国際性の欠如
 台湾では民間局3局をはじめ多くの局で日本の番組を買って流している。しかし、NHKの番組で流れるのは、この五年では「紅白」ぐらいである。ときどき、「朝のドラマ」も流れたが、人気はない。「おしん」「伊達正宗」など80年代のNHK番組は今でも再放送があるのと比べれば、番組の質の低下は著しいものがある。
②いい番組は海外でも販売される
 台湾で人気のある日本の番組は、ドラマではフジテレビ、TV東京、朝日放送など民間のものだ。「西遊記」など新しいものも、「おいしい関係」のように10年前のものでも、人気のドラマはいつも放送されている。NHKによらずとも、こうした日本の民放のドラマを支援すれば、国際放送によらずとも日本のいい文化紹介となる。
③NHK式の教養番組は古い
 台湾の日本語学習者が見ている日本の教養番組は、「どっちの料理ショー」「愛の貧乏救出作戦」のようなもので、こうした番組に出る日本の特産や料理紹介から日本の生活を知っている。日本語の教材としても楽しめて、しかも日本の風土もわかるこうした番組のほうがNHK式教養番組「ためしてガッテン」や「プロジェクトX」より優れている。
④日本の現在を紹介する番組が少ない
 NHKでも「経済リポート」、「ご近所の力持ち」など日本の今を伝える番組はあるが、放送時間が深夜や早朝だったりして見ている人は多くない。ゴールデンタイムの「クローズアップ現代」は小さい問題の暗い面ばかりを誇大に批判してそこから何が生まれるのか少しもわからない。ニュースも同様で、日本の動きは見えない。海外向けにはもっと日本の今の正と負の生きている顔を伝える番組が必要だ。
⑤日本の将来を見据えたメディア戦略
 中国の台頭で日本の今の国際的立場は微妙となり、中国・朝鮮との間での緊張はますます高まる。中国はアメリカハリウッドで南京事件の映画「南京・聖誕・1937」をアメリカの映画製作会社によって1億ドルで作成し2007年に全世界へ配給すると言っている。日本の平和と民主主義の姿をNHKは今まで述べてきたように世界に伝えているとは言えず、日本の国際的イメージは中国などの策動でますます悪化する可能性がある。とくに海外の日本人子弟がNHKをみたとき、祖国の様子がよく分からないのが大きな問題で、中国との問題があったときも日本の立場はまったくわからない。

4.改革の方向性─情報・文化・新聞産業界全体の活性化を目指す必要─
 以上、二回にわたって述べてきたように、NHKは、大きく二つの理由で、国際放送の担い手にはなれない。
①名と実が一致しない
 私企業であることを隠蔽した「公営放送」である。つまり、政府の意向を反映した組織に準じると見なされる立場でありながら、実は、特定の外国と繋がりの深い民間企業であり、公共企業という仮面を利用している私的利益追求組織である。
②国際競争力を生み出す体質がない
 世界向けた放送では国内とは全く別な視点が必要である。しかし、NHKという公共企業という仮面を利用している私的利益追求組織の形態は、国内での受信料を湯水のように浪費して、いかに自分のグループ企業に資金を環流するかが至上命題となり、視点は組織内部にのみ向き、元会長の”異常な愛情”という論理がまかりとおる。日本国としての文化的メッセージや国際的視点は生まれようがない。台湾での日本の民放の活躍からいえば、「おもしろさ」「おしゃれ」「グルメ」などという人類共通の視点をもった民間放送のほうがはるかに優れた番組を作っている。
 こうした体質からNHk改革の方向は、他の関連する放送、文化、出版、映画などの情報・文化産業全体の再編と活性化と合わせて、たとえば、以下のようになれば、望ましいかもしれない。
①「私企業」と「公共放送」の分離
 受信料制度を廃止し、まず、NHKを「私企業」化する。NHKの資源の中で、今まで制作された番組と放送技術・文化研究資産は、「公共放送」部門NHKに移し、旧NHKの番組の版権で收入を確保しながら職員を新しく広く公募し、新たに日本公営放送を作る。NHK教育、NHKラジオ第二、国際放送、BS1チャンネルを受け継ぐ。NHK本体は、旧NHKの人員と子会社、放送設備の一部を集めて、株式会社グループとする。NHK総合、NHKラジオ第一、FM、BS1チャンネルを受け継ぐ民間会社にする。名前は、中国共産党の直営CCTVにちなんで、中国共産党日本放送CCJBとでもすればよい。
②放送・情報文化基金の創設
 受信料の形で毎年膨大な資金がNHKにより浪費されていた。日本社会の再建のためには、文化的創造力の回復や新しい放送・情報文化が欠かせない。そこで、文化創設基金として、受信料相当額を国民が負担して、放送・情報文化基金にプールし、半年ごとに自分が寄付したい民間放送局(フジ、TBS、朝日放送、NHKなど自分が支持する局あるいは番組に)に振り込む。国民スポンサー番組として、各局で今まで出来なかった新しい企画を工夫して、活性化を図る。映画・アニメや出版部門も作れば、出して欲しい企画を募集し、実現できるかもしれない。
③情報と国際放送の自由競争化
 「公共放送」は、ニュース・ドキュメンタリー部門だけを担当し、基本的には日本政府発表と国内と各国の主要マスコミが発表しているニュースだけを「~新聞は~といっている」という形でできるだけ多く流す。解説はいっさいしない。意見が対立する場合は、ディベート式に「賛成側は~」「反対側は~」と両論併記と根拠の提示を必ず行う。インターネットで集められる各国の記事も「一面」「二面」「三面」と翻訳してホームページや文字放送などで出来るだけ多く流す。ネット通信社+ニュース・ドキュメンタリー専門局として運営する。
 国際放送は、「公共放送」のニュースと、海外向けの日本社会や動きの解説番組、海外への宣伝販売を行う民間各局の娯楽・教養番組で構成して、日本の紹介と製品の販売拡大、および、政治的関係安定の素材を提供する。ニュース以外の番組編集は、出資する各放送局に、出資分に合わせて、割り当てる。
 こうした再編に、ライブドアが途中で挫折してしまったインターネット事業との融合を合わせれば、きっと、活力ある情報・文化力が日本の停滞しきった今の状況を揺り動かす起爆剤になるに違いない。

 到底実現できないだろうが、放送・文化・新聞事業全体の再編も含め、NHk問題を考えないと、今のような、経済効率とか受信料をどう集めるかだけの議論では、とうてい、今後の困難な日本社会の歩みを支援できる放送メディア改革や情報・文化戦略の枠にはならない。
 イギリスがかつての停滞から立ち直った一つの理由は、国内の通信社を通じて金融や資源の面での情報を非常に正確かつ有利に集めていることがあると言われる。アメリカの場合も、インターネットを通じた新規情報事業が、googleやamazonのような情報・文化事業となって実を結び、社会の活性化と再建に寄与している。同じ方策を、日本で考えることは、すでに成功モデルがあり、日本型の情報社会を作るきっかけにもなる。
 そして、英米型の社会活性化策を日本が取ることが、日本の今後のアメリカとの同盟関係にも大きくプラスに作用するに違いない。
 問題の質を検討していくと、以上のような、問題をNHK改革の議論がしていくことが、スキャンダルの追究という低次元でまったく生産性のないレベルでの時間の浪費に止まらず、より積極的な意味をこうした議論に持たせるはずである。


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4 コメント

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なるほど… (kyouji)
2006-03-13 20:18:58
 NHK改革は広範でなかなか難しいですよね。

 以前も書きましたけど、NHK自身が進歩的な番組制作会社であるべきで、外注してちゃ公共とは言えないと思うんですよね。

 制作番組の権利ですが、これを自分たちで売ってちゃ意味がないので、入札その他で完全に第3者に委託して、利益を還元してもらうのがいいでしょう。

 完全に第3者にする担保をしっかりしないと意味がないですね。

 それと、実は権利を販売すると、販売のために再放送ができないと言うジレンマが起きるんですよね。

 その辺をどう回避するのかが難しいかな。
確かに難しいですね (蓬莱の島通信ブログ)
2006-03-14 08:32:27
ご指摘の通りNHKが子会社に委託する形で受信料を私物化しているのが、今のNHK番組の質の低下の一因ですね。

もう一つは、”異常な愛情”の不明朗な経営者グループの体質による、特定国家によるニュースや編成のコントロールでしょうか。

出来るところから改革するなら、”異常な愛情”の不明朗な経営者グループを排除できればいいのかもしれませんが。
平和ボケ (tako8gag)
2006-03-15 13:54:08
長々と細々と事細かに恐れ入ります。



一口では言え無いかと思いますが、あえて言うなら、



ヤッパリみんな平和ボケ、怒りもそこそこ、流れに



流され、日にちが経てば忘れる、又自分の生活に追われ



世の中の事、ドーデもよくなる国民の大半はこんな所では



ないかと思う、我々は貧困の中での、平和ボケ。
しつこくてすみませんね (蓬莱の島通信ブログ別館)
2006-03-15 17:55:35
性格が細かいというか神経質というか、長々お付き合いいただく記事が多くてすみません。でも、一人が変われば、もう一人も動くかも知れず、そうすれば次の一人も・・・。まあ、どうせ戦争になり中国軍に皆殺しになるのなら、と思って書いております。

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