過去2度、ブログで既設医学部医学科の入学定員増について取り上げたことがある。
今年も先月28日文部科学省ウェブサイトに『平成29年度からの私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更予定一覧』が掲出された。平成29年4月からの(入学)定員変更は以下の4大学である。
①埼玉医科大学 127→128(1)
②順天堂大学 130→137(7)
③日本医科大学 116→118(2)
④川崎医科大学 120→126(6)
大学名の右の数字は、平成28年度入学定員→平成29年度入学定員(増員)である。4大学あわせて16人増になる。
なお、すべて『設置申請期限の特例に基づく収容定員増』で、平成36(2024)年度までという『期間を付した収容定員増』である。
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昨年のエントリにも出てきた大学もある。この件でブログに何か書くのは3回目、3年連続である。増員する大学は変わるののの、変わらないことがある。それは『定員増は平成36年度(入学)まで』ということ。今回、いつからこの『私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更』ができるようになったのか、文部科学省ウェブサイトで調べてみた。
平成29年度からの変更にかかるものではないが、1年前(平成27年10月20日)に「平成28年度からの私立大学医学部の収容定員の増加に係る学則変更認可の諮問について」という報道発表があり、付属資料に「平成28年度医学部入学定員増について(PDF)」が見つかった。概要はおおよそ以下の通りである。
〇昭和57年及び平成9年の閣議決定により、医学部の入学定員を7625人まで抑制。
〇平成18年の「新医師確保総合対策」、平成19年の「緊急医師確保対策」等により、 平成20年度の入学定員を7793人に増員。
〇「経済財政改革の基本方針2008」を踏まえ、平成21年度の入学定員を8486人に増員。
〇平成22年度から27年度は、地域の医師確保等の観点から、9134人まで増員。28年度も同様の枠組みでの増員を認める。
平成28年度の医学部医学科の入学定員は、前年度の9134人に、東北医科薬科大学の新設医学部医学科入学定員100人、この特例に基づく定員増18人、さらに国立2大学の定員増10人(筑波8、長崎2)を加えた9262人である。平成20年度から9年間で18.9%増になる。
定員増10年目の成29年度は上記4大学分16人と、国際医療福祉大学の新設医学部医学科の入学定員140人が加わる。国立大学の医学部医学科の入学定員増がなければ、全体で9418人ということになる。
なお、この増員が認められるようになるまでの入学定員最大値は、昭和56年度~昭和59年度の8280人である。平成21年度、入学定員が8486人になり、この数字を超えた。以降毎年度増加している。
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いつも感じることだが、医学部定員を増やす(より多くの医師を育成する)ことは大変だと思う。
でも、どうしてこんなにも大変なのだろう。。。