前立腺がん闘病記 88歳までの生存を目指して

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新癌治療法 3件

2016-08-29 14:01:07 | 健康・病気
今日のTBSラジオと日経新聞電子版に癌の新しい治療法3件が報道された。

TBSラジオ森本毅郎スタンバイで米国食品医薬品局から光(近赤外線)免疫療法の臨床試験が2016年4月に認可されたと医療コンサルタントが説明していた。光(遠赤外線)免疫療法NIR-PITは米国国立衛生研究所の小林久隆主任研究員を中心とするグループが2011年11月に発表したものである。概要は癌特有の部分にくっつく抗体と抗体とセットとなって接合する色素(IR700)を投与し近赤外線を癌に照射すると、色素が光エネルギーを吸収して発熱し癌細胞を破壊する。この薬は癌細胞にくっつかない限り体に害を与えないので副作用軽減につながる。更にNIR-PITはキラーT細胞を活性化し免疫機能を強化する。またキラーT細胞はTregという制御性T細胞に制御されているが、このTregを標的とする抗体にIR700を接合し、この接合体を注射し近赤外線を照射するとTregが除去されキラーT細胞が活性化し癌が縮小する。近赤外線を照射しなかった臓器のTregはIR700接合を注射しても影響を受けなかった。近赤外線を照射した腫瘍から離れた移植腫瘍細胞にも効果が認められた。Tregは体の中に1種類しかないので多種多様な抗体を作らなくてよいので様々な種類の腫瘍に同じ抗体を用いることが可能で、NIR-PITは癌細胞を殺すようプログラムされたT細胞しか活性化しないので正常組織は障害されない。ただNIR-PITの限界としては近赤外線は身体の深部までは届かないことがある。
詳細は以下のページに記載されている。 https://www.cancerit.jp/38789.html

日経新聞の記事は以下の2本である。

東京大学の谷教授らは癌細胞の中で増えて癌細胞を死滅させる新たなウィルスを開発した。大腸などにいるコクサッキーウィルスを正常な細胞では生きられないように細工して腫瘍に直接注射する。抗癌剤の効かなくなった乳癌の細胞を移植したマウスに投与した結果癌細胞が4分の1に縮減した。2年以内に臨床試験を目指している。
 
国立がん研究センターと理化学研究所は大腸癌幹細胞だけを殺す新しい化学物質NCB-0846を作った。癌幹細胞が出来るのに必要な情報伝達を妨げる働きがあり、マウスを使った実験では幹細胞がほぼ消えた。1~2年後の臨床試験を目指している。

何れも前立腺癌は対象になっていないが、研究が進み前立腺癌にも適用できるようになることを期待したい。

ドラッグリポジショニング 肝炎の薬が前立腺癌にも効果

2016-08-04 10:20:04 | 日記
日曜日のNHKサイエンスゼロでドラッグリポジショニングについて放送していた。
以前にもこのブログに書いた記憶があるが再度書いておきたい。
既存薬を別の病気の治療に活用するドラッグリポジショニングで抗癌剤の効かなくなった前立腺癌の患者に肝炎の薬が有効なことが見つかった。
ドセタキセルの効かなくなった前立腺癌の患者に肝炎の薬のリバピリンを併用すると再度ドセタキセルが効くようになる。
慶応大学病院で治験をしているそうだ。