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滋賀県西浅井町・塩津港遺跡 平安末期の精巧な船形木製品が出土

2009年02月27日 | Weblog
 塩津港遺跡で、平安末期の精巧な船形木製品が26日までに見つかった。
 船形木製品は長さ17・3cm、幅4cmで、一部に着色がある。平底で、船尾が切り落ちた特徴を持ち、船体には梁2本が前後に渡る。側壁部には木片で埋めた穴が等間隔に計10カ所ある。船首に削り跡と釘穴、前部梁に凹みがあり、旗や帆があった跡とみられる。
 神像5体が見つかった神社遺構の堀跡付近で発見した。同遺跡からはほかにも運送業者の大型起請文木簡が見つかっており、船形木製品も航行の安全祈願のため物資の運搬を担った人が奉納したとみられる。
県文化財保護協会によると、同時期の船形木製品は全国的にも珍しく、梁(はり)や帆などの構造が分かる作りも極めて異例という。
 室町期ごろに登場する構造船の形態を示しているが、200年ほど遡ってその姿を現している。
 平安末期以降の船や船形木製品の出土例は全国でも非常に少なく、船の進化過程は明確ではない。今回出土した船形木製品は写実性が高く、実船をモデルにしたとみられ、歴史を埋める1級の資料になりそうだとする。
[参考:京都新聞]

<過去の記事>
2008.11.11
平安時代の神像 5体出土

2007.10.5
塩津港遺跡で、平安時代末期「起請文」が書かれた木簡が大量に出土
 県文化財保護協会が5日、平安時代末期の神社遺構に関連する堀跡から、神への誓詞「起請文(きしょうもん)」が書かれた木簡が大量に出土したと発表した。木簡に記された起請文が確認されたのは初めて。うち1本は保延3(1137)年の年号があり国内最古の起請文で、他に長さが2.2mある国内最長の木簡も見つかった。12世紀半ば前後のもので、港で物資の運搬を担った人々が「荷物をなくさない」「盗人ではない」といった内容を神々に誓願。神社に奉納、掲示して村人にも周知したとみられる。
 ■塩津港遺跡とは
 琵琶湖の最北端にあり、古代から北陸と畿内を結ぶ湖上水運の重要港だった。平安中期の律令(りつりょう)の施行細則「延喜式」には「北陸からの物資は敦賀で陸揚げして塩津に運んだ後に湖上を渡り、平安京に献上する」と定められていた。
[参考:京都新聞]

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