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熊本市・二本木遺跡群 12世紀前半に副葬した初期高麗青磁碗が県内初出土

2010年02月26日 | Weblog
 県教委は24日、熊本市春日3丁目の「二本木遺跡群」(8~14世紀)で見つかった平安時代後期(12世紀前半)の土壙墓の中から、朝鮮半島で作られたとみられる初期高麗青磁碗(直径約15・5cm、高さ約5・7cm)が副葬品として出土したと発表した。初期高麗青磁が副葬品として完全な形で見つかったのは、県内で初めてという。同青磁が墓から出土したのは、九州では福岡県の博多遺跡群の1例のみ。青磁は祭事で供物をささげるために使う供献土器と見られる。貿易陶磁器を墓に供献する風習が広がるのは12世紀後半からで、この風習を半世紀ほど早く採用していた可能性が高いという。
 発掘調査は、九州新幹線の全線開通に備えた熊本駅周辺の整備事業に伴い実施され、墓は昨年12月に見つかった。男性とみられる人骨の一部があり、頭部の近くに初期高麗青磁碗や土師器の皿など4点の副葬品が置かれていた。
 初期高麗青磁は当時、入手困難でかなり高価であったとされる。このため、二本木遺跡群に青磁を所有できる富裕者がいたことを裏付ける証拠となるほか、博多や大宰府など当時の先進地域と同遺跡の係わりが深く、中九州では最も繁栄した都市だったことも示しているという。
 27日(土)午前10時、午後1時、午後3時の3回。現地説明会が開かれる。
[参考:熊本日日新聞、西日本新聞、共同通信]

二本木遺跡群 「平安後期・中九州で最も繁栄の証し」 初期高麗青磁の椀出土(西日本新聞) - goo ニュース

過去のニュース、情報
2007.12.20 二本木遺跡群 南宋時代の磁器大量出土
 熊本市教委文化財課は19日、肥後国府があったとされる同市春日の二本木遺跡群から、南宋時代(十二世紀半ば~後半)の中国産磁器が完全な形で43点(注1) 出土したと発表した。この時期の中国産磁器がまとまって見つかるのは珍しく県内では例がないという。
 (注1) 青磁の碗9点と皿23点、白磁の皿11点で、直径は碗が13~15・5cm、皿9・5cm。青磁は文様や形状から、中国南部の龍泉窯(りゅうせんよう)や同安窯(どうあんよう)で焼かれた磁器とみられる。
 井戸を廃棄する際の祭祀に使った後で埋められたらしい。
 中国産磁器が見つかったのは、JR熊本駅と春日小学校に挟まれた調査区域。平安時代末から鎌倉時代にかけての集落跡とみられ、近くでは八世紀に中国で作られた唐三彩の陶枕(とうちん)の破片が県内で初めて出土している。
[参考:熊本日日新聞、西日本新聞、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞]

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