歴歩

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鳥取県大山町・大山寺 15世紀の僧坊跡を初確認、東アジア交易の一角を示す遺物が出土

2009年10月14日 | Weblog
 大山町教委が13日、中世に隆盛を極めたとされる天台宗大山寺(大山町大山)の僧坊跡から中国・明時代の銅銭や李朝時代の青磁などが出土し、室町時代(15世紀)のものと分かったと発表した。
 大山寺には、約70ヘクタールの山麓に僧坊跡が約160あり、調査したのは標高約900mにある寂静山地区(約40僧坊跡)の一角で、最古の大山寺絵図(1797年)にも描かれていない地区という。町教委によると、斜面を削った縦37m、横29mの平坦地に、礎石15個が並び、かなり大規模な僧坊があったらしい。地表から約80cm下には、地盤を強化するために造られた全国的に珍しい埋め殺し石垣が見つかった。北斜面には5段になった高さ1・2mの石垣があり、山陰地方で最古級の整層積み石垣とみられる。
 明銭が23点、青磁が数点、備前焼のすり鉢などが出土し、これらの特徴から15世紀のものと確認した。ほかに瀬戸焼、美濃焼、短刀(長さ約30cm)や武具の一部、護摩法要に使う青銅製の匙が見つかった。国内外の交易が盛んだったことを裏付ける。
 北角からは半地下式の石組みのトイレ跡がみつかった。石組みの囲いの中に2個1対の踏み石が2基設置されている。汲み取り式か水洗式かは不明。時代が近いトイレ跡としては11~13世紀中ごろの光明山寺(京都府)、1590年代の名護屋城陣屋跡(佐賀県)にしか見つかっていないという。
 現地説明会は17日午後1時半に行われる。
[参考:毎日新聞]

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