(桜咲く時期、段葛北端から鶴岡八幡宮を見たところ)
かながわ考古学財団が行っている鎌倉署の移転予定地・下馬(げば)周辺遺跡(鎌倉市由比ガ浜2)の発掘調査で、中世の竪穴遺構が発見され、床面に掘られた穴から鎧、大量に埋められた埋蔵銭が出土した。
鎧は、腹巻鎧の可能性があり、胴から下げて大腿(だいたい)部を守る草摺(くさずり)と呼ばれる部分など、鎧の大半が残っていた。
また、埋蔵銭は当時の中国から輸入された銅銭で、百枚余りを穴に紐で通してまとめたものが、21も出土した。
下馬周辺遺跡は、主に鎌倉時代から室町時代にかけての遺跡で、同財団が昨年6月から発掘調査を実施し、これまでに竪穴遺構36基と土坑250基、井戸址(いどし)3基と土器や陶磁器などが発見されている。
見学会が3月5日(土)午前10~11時と午後1時半~2時半の2回開かれ、遺構と鎧や埋蔵銭、皿や壺の土器、刀などの鉄製品など遺物が展示される。 荒天の場合は6日に順延。
[参考:産経新聞、東京新聞]
備考: 下馬周辺遺跡は現在の一の鳥居の北、鎌倉女学園に隣接する。当時の一の鳥居は現在のものより北に約200mのところにあったらしい。 平成2年(1990) 下馬交差点の南約100m、バス停小学校前付近から直径160cmの柱根が発見された。 天文22年(1553)に北条氏康により造立された大鳥居のものである可能性が強い。 また、段葛の南端は下馬交差点そばの湘南信用金庫あたりとみられる。
したがって、下馬周辺遺跡は、当時の段葛南端および大鳥居(一の鳥居)よりも南にあったことになる。
[参考:「鶴岡八幡宮寺」 貫達人著 発行 1996有隣堂]
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