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桜井茶臼山古墳 全面を朱で彩った石室を60年ぶり発掘し一般公開 

2009年10月22日 | Weblog
 奈良県立橿原考古学研究所が22日、桜井茶臼山古墳(3世紀末~4世紀前半、前方後円墳、全長200m)で全面を朱で彩った石室が約60年ぶりに確認され公開した。
 大王クラスの墓の中心部が明らかになるのは極めてまれで、竪穴式石室は内寸で長さ6・75m、幅約1・27m、高さ約1・71m。石室内の四方の壁は板石(幅50~60cm、最大長1m、幅80cm、厚さ12cm)1千枚以上をレンガのように整然と積み重ねて構築し、天井は12枚の巨石(最大長2.75m、幅76cm、厚さ27cm)を乗せて塞いでいた。石はすべての面に朱が塗られており、水銀朱をふんだんに、少なくとも200kg使っている。魔除けや防腐のためとみられる。水銀朱は、大和(奈良県)で産出した辰砂(しんしゃ)という硫化水銀の鉱物を粉状にすりつぶして水に溶かしたのち、石材に塗ったとみられる。国内の古墳で使われた水銀朱は、これまで大和天神山古墳(天理市)で確認された42kgが最多とされていた。
 石室内に残っていた木棺は、ほぼ当時の状態で残っていた。長さ4.89m、厚さ27cm、丸太を刳りぬいた形で遺物はなかった。木棺は石室から取り出し、橿考研で保存処理している。
 1949~50年同研究所の発掘調査で石室と木棺は見つかっていたが、当時は一部の研究者が確認しただけで公開されていなかった。石室構造などの解明を目指し、今年から再調査を進めていた。
 石室内からは、被葬者の権力を推定するのに役立つ銅鏡片なども多数出土しており、整理を進めている。
 現地見学会が、29~31日(午前10時~午後3時)に開かれる。
[参考:共同通信、毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、産経新聞]

全面朱塗り、大王の石室を確認 奈良・桜井茶臼山古墳(共同通信) - goo ニュース
全面朱塗りの石室出土 大王の墓?奈良・桜井茶臼山古墳(朝日新聞) - goo ニュース
水銀朱で魔よけ、桜井茶臼山古墳の石室公開(読売新聞) - goo ニュース

過去のニュース
 桜井茶臼山古墳


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