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滋賀県東近江市・下羽田遺跡 古墳中期の竈付竪穴住居跡2棟を発見

2010年04月27日 | Weblog
 県文化財保護協会が26日、東近江市上平木町の下羽田(しもはねだ)遺跡(注1)で、古墳時代中期(5世紀後半)の竈(かまど)付竪穴住居2棟(14・44㎡と20・25㎡)の遺構が見つかったと発表した。1基は竈の大きさが長さ1・3m、幅1mで、燃焼部を囲む両袖、土器を支えた石が確認された。県内では同時期のかまど付き住居は数例確認されている程度で八日市地区では初。
 他に、3世紀後半から4世紀の炉付き住居も確認された。
 4世紀までは竪穴住居の中央付近に、炉が設置されたが、5世紀後半からは調理機能を高めた竈が住居の壁際に設置され始めたという。竈の周辺からは須恵器類が発掘されることが多いが、本遺跡では炉が使われていた頃の土師器しか出土しておらず、炉から竈へと新しい文化が導入される経過を示す貴重な発見としている。
 竈は須恵器などとともに朝鮮半島から伝来した。県内の竈導入期の遺跡からは、須恵器の甑(こしき)が出土することもあり、地域や集落によっては、竈の導入経過が異なることを示しているとする。
 現地説明会が29日午後1時半から開かれる。 (雨天決行)
[参考:読売新聞、中日新聞]

(注1) 下羽田遺跡は、雪野山丘陵の東側の平野部に立地している。地名の「羽田」は、672年壬申の乱で大海人皇子の将軍として活躍した「羽田公矢国(はだのきみやくに)」と関係があるとされている。
 これまでの発掘調査では、縄文時代晩期(約3000年前)の住居や墓の跡の他、古墳時代初期(約1800年前)から7世紀後半まで続く集落の跡が見つかっている。[参考:滋賀県HP→教育委員会]




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