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松原市・河合遺跡 市立学校給食センター建設によって壊される危機に直面か

2010年04月15日 | Weblog
 奈良時代の地方役所跡(郡衛「丹比郡家」)とみられる大規模な建物跡が出土した河合遺跡が、市立学校給食センター建設によって壊される危機にさらされていると読売新聞が報じている。
 同給食センター建設用地の約4500㎡で事前に発掘調査した結果、ロの字形に復元できる、整然と並んだ大型建物跡が出土した。数度にわたって建て替えられたとみられ、瓦も出土しており、瓦葺の建物だったとみられている。
 古代の運河「丹比(たじひ)大溝」に近く、運河を管理した郡役所などと推定され、遺構は西側に広がる。
 市教委は3月9日に記者発表したものの、市民らに調査成果を知らせる現地説明会は開かなかったし、遺跡の価値や保存方法などについて、専門家に広く意見を聞くこともしていない。十分な保存協議をすることなく建設計画を進め今年度中にも着工する予定としている。これに対し、専門家から「近畿では類例が少ない価値のある遺跡。建設計画を見直すべきだ」と疑問の声が上がっている。
 文化庁は3月末、市教委を指導する立場の府教委文化財保護課に、保存協議などがどうなっているか事情を聞いたところ、同課は今月6日、市教委に遺跡の重要性を指摘し、「工法や設計の変更などセンターと遺跡が共存する方法を考えてほしい」と要望している。
[参考:読売新聞]

過去の関連・ニュース・情報
 2010.3.10松原市・河合遺跡 奈良時代の役所跡、長さ50mの建物を含む10棟が出土

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