温帯の広葉樹林のやや明るい林床に生育する野生ランです。
葉緑素を持たず、菌類から栄養分を奪取して生きています。
全然綺麗ではありませんが、珍しいランです。
環境省カテゴリの絶滅危惧Ⅱ類です。
高さは、10cmくらいありました。
名前の始めが「イブキ」という通り、伊吹山で発見されたようです。
実際、伊吹山の頂上付近に群生していました。
私は、この花を3カ所で見ました。あと2カ所は、島根県と広島県です。
この写真の花は広島県のものです。
草ではなく木の花です。木といっても10cm～20cmの低木です。麝香（じゃこう）という名の通り、花が満開の時は香水のような強い匂いでむせぶほどです。
初夏から夏が旬の花です。これは、7月19日に撮影したものですが、少し旬を過ぎています。香りも弱かったです。10年前より1週間くらい花期が早くなっているようです。地球温暖化の影響でしょうか？
光の強い時は花を閉じて鈴のような形になります。
これは、光の強い昼（11時半頃）に撮ったので花を閉じています。
花が開くのは、光の弱い朝や夕方や雨の日などです。
この日、６～７株が花を咲かせていました。
しかし、4～5株は花が散り始めていました。
完全な形で花が咲いていたのは２株のみでした。
そして、すべての株が花１つでした。
次第に減ってきているようです。