意思による楽観のための読書日記

日本語の美 ドナルド・キーン ***

キーンが日本語で書いたエッセイ集。「私の20世紀のクロニクル」との重複は後半少々あるが、面白い発見もあった。「中央公論」は戦時中発禁になったのは「うちてしやまむ」という戦争標語を表紙に載せるのを断ったからだという話し、佐高信も書いていた。旅先でふと知り合った人と話の接ぎ穂に困ったときには「方言」の話しをすればいい、というのも至言。相手が地方人であればあるほど盛り上がるだろう。明治5年に太陰暦を太陽暦に変えたときの話し、時の為政者が明治になって年俸制から月給制になったため、給料を13回払いたくなかったので太陽暦にした、とのこと。そもそも閏月に生まれた人の生まれ月は何月だったのだろう。

日本語でイギリスはなぜ英国というか。中国語の「英国」の読みが「イング」に近かったから。ベルギー(白耳義)やメキシコ(墨西哥)もそうらしい。その他、安部公房が儀式を嫌っていて、表彰などの出席をえらく嫌っていたこと、円仁の「入唐求法行状記」を最初に研究したのはライシャワー博士だったこと、などなど。キーンが如何に日本文学と深く関わってきたかを物語る。
日本語の美 (中公文庫)

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