日本歯周外科学会

日本歯周外科学会(会長:伊藤輝夫)より、会員および患者さんへの情報発信のページ

健康保険で使用される金属冠(金パラ)の為害性について

2008-04-13 18:44:59 | Weblog

 保険診療で使用される医薬品や材料は厚生労働省の認可指定されたもの以外、担当医師は使用できないことになっております。一時期の食品偽装表示の話題が下火になりましたが、古くから歯科診療で使用される金属材料(歯にかぶせる金属冠や歯に詰める金属など)には種々な金属があります。中でも金(ゴールド)は生体にとって、為害性が少ない(錆びない、生体と親和性が高い)と言われておりますが、高価で、金色であるため、最近では殆ど使用されなくなりました。現在、歯にかぶせたり、つめたりする金属の多くは金銀パラジュウム合金です。この合金の成分比率は、金12%、パラジュウム20%、銀46%、銅20%、その他2%となっております。問題は、この合金の成分については、患者さんに全く知らされてない点です。表記名で金銀パラジュウムとなっておりますが、金の含有が一番少なく、わずか12%しか入っておりません。銀と銅が70%近く含有しており、メーカによっては、もっと銀と銅の量が多い商品があります。こんなに銀と銅が多い治療材料を、多くの患者自身が知らないままに、長い間、口のなかに存在しているのです。ご承知のよう、銀や銅は錆びや変質が生じ、生体内で溶けだし組織内に留まり、刺青を入れたように歯肉に着色(黒ずんで見える)を生じ、笑うと目立ち、話相手に悪い印象を与え、一生涯消える(吸収、排泄)ことはありません。また、長期間生体内に存在した場合の全身への悪影響(免疫障害、アレルギーなど)や発がん性などの安全性に関する研究が行われておりません。 一方、この歯肉着色に気付き、これを取り除く治療を行う際、困った事に保険治療が利きません。実に不合理な保険治療制度になっております。前述しましたが、この歯科用金属は保険治療上、厚生労働大臣が指定した治療材料であり、保険医が指定どおり、使用し、その結果、患者さんの生体(口腔組織)を侵害したにも関わらず、その治療を受けると、保険がきかず、高額な自費の治療費を支払わなければならなくなります。このような馬鹿げた事態が皆保健制度下にあってよいでしょうか。 このブログをお読みなった貴方は、鏡で、ご自分の口の金属冠がある周囲の歯肉を見て下さい。ご意見をお寄せ下さい。 実際の口腔内に発現した歯科用金属による着色を供覧いたします。ご覧になった方は、ご意見をお寄せ下さい。

         
上顎前歯部歯肉の金属着色     下顎臼歯部歯肉の金属着色

 歯肉組織内に溶けだした金属を取り込んだ細胞、生涯消えることはありません。 


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