ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

アールグレイを飲んでみる(紅茶レビュー)

2011年01月02日 | 紅茶を入れるまでの話
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
新年らしく夢を叶えた(?)記事にしてみました。

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【私の夢】

私の夢。
それは「世界中の紅茶を全部飲んでみたい!」。
だけど、それは金銭的にも体力的にも叶えるのは難しい。

でも、的を絞ったらどうだろう。
農園ものの紅茶を全部飲むのは不可能だけど(シーズン毎に新しい紅茶が出るし、茶園はものすごく多いし)、メーカー物に限定して種類も絞ったら?
…というわけでやってみた。

対象はメーカー物の紅茶。
種類は、どのメーカーにもありそうな「ダージリン」か「アールグレイ」。
私は「アールグレイ」に的を絞ることにした。
各メーカーから出ている「ダージリン」は、私がおいしいと思うダージリンからかけ離れた味が多くて、点が辛くなりそうだったから。

記事にアップするのは、メーカー数を15以上、紅茶数が25以上になったらOKとした。
また、入れ方は特に指定のない限りは、お湯150cc、茶葉2g(またはティーバッグ1つ)、蒸らし時間3分としている。

また今回感想を述べた紅茶は、ほぼすべてアーマッドのアールグレイと飲み比べている。
単純にアールグレイをあまり飲まないので、感想の基準となる紅茶を作ってみたのだけど、これがよかった。
各社のアールグレイの特徴がわかりやすくなった。

以下、感想。カッコ内はメーカー名。
割と気に入ったものには★をつけた。
★5つでリピート確定。
★4つでリピートはしないかもしれないけど、なかなかおいしかった。
★3つで好みは分かれそうだけど、私は「まあ、ありかな?」と思ったもの。
ちなみに今回は★5つはなし。
私にとって★5つのアールグレイは、リーフルから出ている「アールグレイクラシック」

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【感想(文字バージョン)】

アールグレイ(ウェッジウッド)
クレヨンっぽい香りにアールグレイの香りがかぶさる。
香り自体はかなり強く、飲んだ後も長いこと鼻に残る。
クレヨンっぽい香りがない方がいいんだけどなあ。

アールグレイブルー(ウェッジウッド)
同メーカーのアールグレイで感じたクレヨン臭がやや薄まり、代わりにお花系の香り(何故か柑橘系のアールグレイの香りではない)が前に出ている。
ただ、同メーカーのアールグレイに比べるとやや飲みやすい程度なので、カップ半分程度しか飲めない程度にクセがある。

アールグレイフラワーズ(ウェッジウッド)
鼻を近づけると、とても懐かしいクレヨンの香りがした。
クレヨンなんてもう何年手にしてないだろう。
クレヨンの香りに人工的な柑橘系の香りが乗っている。
飲むとクレヨンの香りが消えて、人工的な柑橘系の香りが出てくる。
正直、飲み物としては人工的な香りが強すぎた。

ダージリン・アールグレイ(べノア)
アールグレイ独特の柑橘系の香りが前に出て、人工っぽい花の香りが後ろに引っ込んでいる。
この花のような香りが好きな人ならいいけど、私はちょっと好きになれない。
柑橘系の香りだけならいいのになあ。
日常的に何杯も飲むにはきつい。

EARL GREY(ルピシア)
アールグレイ特有の柑橘系の香りがする。
かすかに粉薬みたいなにおいがするが、本当にかすかなので飲むのに支障が出るほどではない。
香り自体が柔らかい上、紅茶の味が薄いため、ちょっとぼけたような印象。
クセのないスタンダードなアールグレイといえるかも。

BREAKFAST EARL GREY(ルピシア)
スタンダードだけど、ちょっと柑橘系の酸味のある香りが勝ったアールグレイ。
香りは強いけれど人工臭さはなし(アールグレイが苦手な人には、アールグレイ自体がそもそも人工的と感じると思うので、この表現も適切ではないと思うけれど)。
味も苦みと渋みがかなりきつく、何も入れずに飲むのはちょっと厳しい。
但し、ミルクを入れた場合は味がまろやかに、香りもかなり抑えられて飲みやすくなる。
文字通り、ミルクティー向けのアールグレイ。
★★★★☆(←但し、ミルクティーにした場合)

No.42(ハロッズ)
通常よりはやや濃いめの味。No.14を連想させる。
香りそのものもベルガモットのにおいもやや弱め。
特徴は絨毯のにおいに近い人工的な香りで、これのおかげでかなり飲みにくく感じた。

アールグレイ(アーマッドティ)
セイロン系のかなりしっかりした紅茶味がベース。
香りはスタンダードなアールグレイだけど、多少石鹸のような人工的な香りがあって、それが惜しい。
味も香りも強めの紅茶。
★★★☆☆

イングリッシュアフタヌーン(アーマッドティ)
ベルガモット入り。
単品で飲むと(それが普通だけど)、強く出るベルガモットの香りにちょっと腰が引ける。
だけど、同メーカーのアールグレイと飲み比べると、香りが弱いと感じることにびっくり。
味はセイロンベースの紅茶の味がかなり強く出ている。
★★★☆☆(←但し、ミルクティーにした場合)

レディグレイ(トワイニング)
オレンジ系の柑橘類の香りが強いアールグレイ。
お茶の味もそれなりに出ている。
ただ、人工的なにおいもそこそこ出ているため、私には飲みにくかった。
だけど、柑橘系の超さわやかな香りが強いため、これが好きな人はけっこういるかも?

アールグレイ(トワイニング)
漢方系の薬草チックなアールグレイの香りが特徴的。
また、紅茶の味より香りの方が強く、飲みにくい。

ロシアンブレックファストティ(マリアージュフレール)
ベルガモットの香りをベースに、独特の甘い香りが強く乗っているのが特徴的。
甘い香りはイチゴのお菓子みたいで、いかにもマリアージュフレールな感じ。
「ロシアン」という名前から「ジャムをなめつつ紅茶」をイメージした香りかも?と思ってしまった。
香りに高級感があるけど人工くささもあり、好みは大きく分かれそう。

イングリッシュアールグレイ(マリアージュフレール)
香りは人工的な花の香りが強く、ベルガモットの香りは控えめにする程度。
「イングリッシュ」という名前から、紅茶の味が強いタイプのアールグレイかと思っていたけど、薄めで拍子抜け。
ストレートで飲む分には紅茶の味を感じるけど、ミルクを入れたら味が負けそう。

アールグレイフレンチブルー(マリアージュフレール)
ベルガモットの香りにクレヨンみたいな人工っぽいにおいが強く乗る。
ウェッジウッドの「アールグレイブルー」でも感じたけど、「ブルー」と名がつくアールグレイにはクレヨン臭がつきものなのかな。
味が薄めなだけに香りが際立つ。

アールグレイインペリアル(マリアージュフレール)
熱いうちは柑橘系のさわやかさが強く前に出ている。味は薄め。
人工くささもほとんど感じないため、飲みやすい。
さめると人工くささが目立つようになり、飲みにくくなる。
熱いうちに飲むのがいい(日本酒の熱燗みたいだなー)。

アールグレイ(フォション)
正式名称は「SPECIAL EARL GREY TEA」。
紅茶の味はかなり薄い。薄いのに野菜スープみたいなうま味のある味がする。
香りはレモン系のベルガモットに、クレヨンのような人工的なにおいが強くかぶさる。
全体的に、文房具のにおいにレモンの香りをつけたような感じ。

アールグレイ(ディルマ)
飲んだ瞬間、ベルガモットのにおいと人工臭ががつんと鼻にくる。
味は弱め。
後味に人工っぽいオレンジの香りが強く残るのも特徴的。

アールグレイ(リプトン)
「オレンジの香り」の台所洗剤からオレンジの香りだけを抜き出したようなにおい。
ベルガモットの香りはほとんど感じない。
香りそのものも人工臭も強烈。

オーガニック・ラベンダーグレイ(ティーパレス)
薬草としか言いようのない、薬っぽい香りが強烈。
ベルガモットを思わせる柑橘系の香りはまったくなし。
紅茶の味もほとんど感じられない(ハーブティという位置づけなのかも)。

アールグレイ(デンメアティーハウス)
アールグレイの香りも人工くささもほとんどなし。
普通のセイロン系のブレンド紅茶みたいで、とても飲みやすい。
味はやや強め。
未開封とはいえ、購入して半年くらい経っているので香りが抜けたのかもしれない。
★★★★☆

Earl Grey Citrus(ロイヤルコペンハーゲン)
シトラスの香りなのか、レモンともオレンジともつかない柑橘系の香りが強くする。
人工的になにおいもかなり強く、飲むと舌に残る。
香りがなじみのない上、人工的なにおいも強烈なため、かなり飲みにくいと感じた。

カウンテスグレイ(セントクリストファー)
香りより、ほうじ茶のような焙煎風味の強いお茶の味がメイン。
ダージリンベースなのも納得(私が思うダージリンとはちょっと違うけど)。
ベルガモットの香りはやわらかく、紅茶の味を邪魔しない程度。
ただし、冷めると香りは結構強くなり、飲みにくくなる。
★★★☆☆

アールグレイ(ザ・ペニンシュラ)
香りは柑橘系のにおいが強く出ているタイプ。
だけど、トワイニングのレディグレイほどではない。
人工くささは、飲料として受け入れられるかどうかぎりぎり程度。
コース料理の終わりに出てきそう、というイメージの紅茶(スタンダードなアールグレイをベースにしつつ、一癖あるあたりが…)。
★★★☆☆

アールグレイクラシック(フォートナム&メイソン)
スタンダードなベルガモットのにおいに、薬草のような薬っぽいにおいが特徴的。
人工くささもそれなりにある。
紅茶の味は薄めのため、香りの人工っぽさがより際立ってしまっている。

アールグレイ(ダマンフレール)
クレヨンのような人工臭の強い柑橘系の香り(ベルガモットではない)がする。
飲んだ後に舌に残る柑橘系の人工臭が特徴的。
紅茶というより、花の香りのついた文房具を飲み物にしたみたい。
通常のアールグレイとはまったくの別物。

グールース(ダマンフレール)
ティーパレスのオーガニック・ラベンダーグレイによく似た、薬草のような香り。
ベルガモットの香りが多少する。
人工っぽいにおいはかなり強い。
香りは強めで味はやや薄めなので、薬草っぽい香りと人工っぽさがより際立つ。

アールグレイ(ドゥルーリー)
セイロン系の味が強い。
ベルガモットの香りもふんわりする程度で、人工臭も弱い。
だけど、この人工臭がなぜかすごく目立つ。
味がそこそこいいだけに目立つのかも。

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【感想(グラフバージョン)】

それぞれの紅茶の味の印象をグラフにしてみた。
評価方法は、荒っぽいけど以下のとおり。

飲んだとき、まず味と香りの強さをそれぞれ5段階で評価する(3を真ん中の値とし、味は少し弱めだから2、香りはやや強いから4といった具合)。
次に、アールグレイ特有の柑橘系の香りや人工臭をそれぞれ5段階評価する(3を真ん中の値とし、柑橘系の香りは少し弱めだから2、人工臭はやや強いから4といった具合)。
最後に香りの強さの値(上記の例では4)を、上記の評価項目(柑橘系の香りや人工臭など)ごとに、項目ごとに与えた評価値に応じて割り振る。
ちなみに、アールグレイは味より香りがメインなので、味については強弱しか評価しない。

紅茶ごとにそれらの数値で打ち込み、棒線グラフにした。
(画面が大きいので横スクロールしてください。縮小がうまくいかなくてすみません)



味と香りの棒の長さは、そのまま強さを表している。
評価方法は荒っぽいけど、実際飲んだときの印象と大きく変わらないように思った。
また、紅茶のメーカーや名前は見やすさ重視で、できる限りカタカナ表記にしている(一部、表の字数制限で名前をはしょったメーカーもあり)。

なお、表の線の一部が切れている等、処理が甘くてすみません。

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【最後に】

今回飲んだすべてのアールグレイにありがとうの気持ちをこめて。



(ウェッジウッドの一部やべノアやルピシアが写ってないのは、缶や袋を捨ててしまったためです…)


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8 コメント

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Unknown ()
2011-01-02 19:17:13
す、すごい!
面白いことやっておりますね。
私はフレーバーがすっかりダメになってしまったので、
ダージリンとかアッサムでやってみたいです(*^^*)
返信する
Unknown (ぎんぐ)
2011-01-03 09:30:24
Kさん、初めまして。面白いと言って頂けてすごく嬉しいです!
わかりやすく感想を書きたいと試行錯誤したら、こんな表になりました(^^;
是非、ノンフレーバーでやってみてください!
数値だけの表からグラフに視覚化する時はなかなか楽しいですよ
返信する
Unknown (ムシミ)
2011-01-03 18:58:55
さすがぎんぐさん、研究家ですね~!
じっくり読ませていただきます
これはどのくらいの期間で飲んだんですか??
返信する
ムシミさんへ (ぎんぐ)
2011-01-03 21:56:33
ムシミさん、こんばんは~。
いつにも増して長い記事ですみませんm(_ _)m
読むと言って頂けるだけで嬉しいです。

これは、思いついてから終了まで4~5ヶ月かかってます。
一番時間がかかったのは味見でした。
1回の味見でダメージを受けることが多…ゲフンゲフン。
そんなわけでやる気が起きず、なかなか進まなかったのです~。
返信する
すごい! (ろはん)
2011-01-13 01:22:40
構想から5ヶ月とは!? 私なら飽きてしまって辞めてしまいそう・・。
ぎんぐさんの紅茶愛と根気のあるところ、ほんとに尊敬します!
あまったアールグレイたちを、完飲するのでしょうか・・・??? こっちのほうもとっても大変そうですw
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ろはんさんへ (ぎんぐ)
2011-01-13 06:05:57
ろはんさん、コメントをありがとうございます。
愛というか根気というか、思いついたらやめられないタイプなのです…(しかもしつこい)。
香りの強さにむせながら、「誰だよこんなの思いついたのは」「お前だ!」と何度自分とやりとりしたことか(笑)

余ったアールグレイ、飲めるものはもちろん飲みますが、どうやっても飲めないものは消臭剤になるかと思います。
着香茶の場合、「香料を化学溶液に溶かしてぐるぐる回るドラムの中で茶葉に香りをつけ(byティーハウスタカノ)」という製造過程を考えると、自分的に食品として受け入れられない物を、体を壊してまで飲むこともないかなーと。
アールグレイの場合、人工的であればあるほど、消臭剤には向いているのですよね。
返信する
参考になります。 (ユウ)
2015-11-02 09:43:46
だいぶ前の話かと思いますが・・・・

アールグレイ(トワイニング)は、イギリス内で梱包されたものですか?

日本で売られているのと、イギリス国内で梱包されているのとでは、味などが違うので。
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ユウさんへ (ぎんぐ)
2015-11-22 14:40:27
ユウさん、初めまして。
コメントをありがとうございます。

トワイニングのアールグレイ、イギリスで梱包されたものか覚えておらず、申し訳ないです。
これは、スーパーでよく売られているティーバッグで入れています。

イギリスで梱包されているものを日本で飲むと、味やにおいが出過ぎて飲みにくくなるのかなと、コメントを拝見して思いました。
今度、スーパーに行った際に確認してみます。
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