ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

賭博破戒録カイジ(福本伸行)

2006年03月16日 | お茶が出てくる本&紅茶関係の本レビュー
ギャンブル漫画(麻雀ではない)の金字塔。
カテゴリーは「お茶が出てくる物語」だが、この本にはお茶は出てこない。
主人公たちが飲むのはビールだ。
だが、これほどおいしそうに飲み物を飲む話はない(言い切る)。
ビール嫌いの私が、この漫画を読むとキンキンに冷えたビールが飲みたくなるくらいだ。

この漫画では、随所にビールが効果的に使われる。
特に印象的なのは、地下就労施設に閉じこめられて完全管理&禁欲生活を送ってきたカイジ(主人公)に、わずか135mlの冷えたビール(一番小さいサイズ)がおごられるシーンだ。
ビールを前にして葛藤し、飲み、味わう。
それだけで8ページ。
ページを浪費している感は全くなく、読んでいるとこちらにもビールのおいしさがしみこんでくるようだ。

他にも違反行為にビールを使用したり、金を貸したがらない金貸しに「二人とも地下就労施設に落ちてしまったら、俺が毎日ビールをおごろう…!(地下就労施設の環境を考えると、何ともすごい申し出なのだ)」というシーンとか、名シーンがたくさんある。
ビールと紅茶では性質が違うけれど、これくらい骨太に紅茶を使った話があるといいのに。
これに匹敵する紅茶の話は、「深夜特急」(沢木耕太郎)のインド編くらいしか知らない。

とにかくこの漫画は名作だ。
単純で独自のゲームルール(だから誰にでもわかる)、話の展開、名セリフと名シーンの数々。
知能戦という意味では、デスノートに似ているところがある。
賭博黙示録カイジ(特に1~5巻の限定ジャンケン編の完成度が高い)と合わせて読むと楽しい。

ちなみに、私がカイジを知ったのは以下のサイト。
こちらも傑作。

僕の見た秩序。から、輪郭奇怪録 カイジ
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