ぎんぐの紅茶

紅茶初心者の奮闘記

私の4分33秒

2005年12月06日 | お茶のある風景(読み物)


「4分33秒」という名前の音楽がある。
演奏者は舞台で楽器とともに何もせずに過ごし、一定の時間が経過したら退場するという、無音の音楽だ。
この曲は、いわゆる「無」を聞くものと言うよりも、演奏会場外のさまざまな雑音、すなわち、鳥の声、木々の揺れる音、会場のざわめきなどをきくものとされている。
<参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

最近、紅茶を蒸らすたびにこの曲を思い出す。
紅茶を蒸らしている時間は3~7分ととても短い。
この間、「4分33秒」のように「鳥の声、木々の揺れる音、会場のざわめきなどをきく」人もいると思うが、私の「4分33秒」はそんな優雅なものではない。

以下はある日の「4分33秒」。
(ちなみに、このときはリーフルのアーリーオータムナルを飲んだので「4分33秒」は「6分30秒」である)

キッチンタイマーのボタンを押して、スタート。
1.茶葉の入ったポットを洗う。
2.キッチンのゴミを片づけ、シンクも軽く洗い流す。
3.息子に薬を飲ませる。
4.息子が散らかしたおもちゃをさっと片づける。
5.洗濯機をセットする→洗濯開始。そろそろ時間ではないだろうか。産毛が粟立ってくる。テスト終了直前まで答えを書き込むようなどきどき感だ。
6.急いで「キレイキレイ」で手を洗う。
7.走って台所に戻るとキッチンタイマーが15秒前を指していた。ガステーブルを軽く拭く。

…5,4,3,2,1。
アラームが鳴った。

できた紅茶をわくわくしながら飲む。
紅茶を飲みながら自分のした仕事を振り返り、6分30秒という何気ない時間の重みを感じる。

「4分33秒」をコンサートで聞いても理解できそうにないが、台所で紅茶を蒸らしながらなら、作曲者の思い(?)を多少は感じることができるような気がするここ最近である。
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