ポン太よかライフ

得した気分、首都圏見て回りの旅、美術館散歩

恵比寿で美術館巡り1(山種美術館・福田平八郎と日本画モダン)

2012-08-04 09:04:25 | 博物館、美術館行ってきました


先日久々に山種美術館に行ってきました。

常から琳派とりわけ酒井抱一のデザイン性の高い草木が好きで、見飽きることがありません。
また、構成や狙いのはっきりした主題に心惹かれ、近代のものに足を止めることが多いような気がします。
福田平八郎のリズミカルで明快な絵も大好きです。なぜでしょう?

今回山種美術館の顧問で、明治学院大学教授の山下裕二先生が、近代絵画の特性を4つに分類して評価していたのがとても面白く、
私が先生の名付けるところの日本画モダンや福田平八郎を好む理由についてあらためて理解することができました。

先生曰く、1930年頃の日本画壇の傾向として、明快な画面と平面構成、単純化された形、斬新な構図があげられる

つまりは、日本画モダンの特徴である、版画の様に平面的で均一な色彩や、単純化されはっきりとした主題が力強く心に残る、こういうものが好きということのようです。
モダンの要素は、今も写真や、ポスター、印刷物など身の回りを彩るあらゆるデザインに引き継がれ、生活を魅力的にしているように思います。

展示に工夫がされていて、福田の作品のみでなく、日本画モダンを感じさせる同時代の様々な作家による多彩な作品を5つの分類にまとめて並べて見せ、
面白く、見応えがありました。

1.琳派へのオマージュ
2.(西洋絵画を取り込んだ)主題の再解釈
3.大胆なトリミング・斬新なアングル
4.構図の妙
5.風景のデザイン化


主題の再解釈では、落合朗風の「エバ」が大正8年の作と思えない大胆な新解釈で目を引き、
構図の妙では、山口蓬春の「夏の印象」がスカーフにしたいと思わせるさわやかな色彩とデザインで魅力を放ち、
風景のデザイン化では、加倉井和夫の冱田が、ザラザラとした画面の質感と、
 薄氷に点在する田んぼの刈株がわずかに赤色のぬくもりを感じさせる規則正しいリズムを生み出して心地よい印象でした。

締め切り後に気付いたのですが、関連イベントで福田平八郎の表現を意識した写真を募集したフォトコンテストをしていたようです。
美術館も、どんどん面白くなって、知のエンターテイメントスペースに変わってきているなあと思いました。

ちなみに「トリミング」「斬新な構図」「反復」「抽象化」「色彩美」が表現のキーワードだそうです。
私が撮った写真から選ぶならこんなのはいかがでしょう。沢山の円構造が繰り返されています。有名な建物の内部ですが、どこかわかるかな?




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