ポン太よかライフ

得した気分、首都圏見て回りの旅、美術館散歩

再開発に沸く日本橋、三井記念美術館で地震にびっくり

2010-06-17 14:02:02 | 博物館、美術館行ってきました
     


13日は山王祭のみこしが出て日本橋は大賑わい。三井記念美術館では、江戸を開いた天下人 徳川家康の遺愛品展が開かれています。
家康の没後徳川御三家に伝わった「駿府御分物」と言われる宝物と、
久能山東照宮に伝わる「手沢品」(しゅたくひん)と呼ばれる、日常的に使っていた愛用の品を対比しつつ、家康の人物像に迫るものです。
武器、武具、書画、茶道具、文具、調度品など多くの遺愛品から、戦国武将家康の古風で武骨な好みが見えます。
家康にとって茶の湯は、社交のため、政治、経済的な道具であったとか...
政治的な贈答品として家来に下された晴れの道具としての名物道具と、自身が使う手沢品ではけじめをつけて使い分けていたそうです。
粗末な印象も受ける手沢品のために、家康は茶の湯を好まなかったのではとも言われています。

展示室5では、「交易と究理へのまなざし」をテーマに、交易に積極的だった意外な一面と、健康おたくで有名な家康の薬(サプリマニア?)関係の展示で、
理科系的な興味の一端を紹介します。
家康は、関ヶ原の合戦直前に漂着したオランダ商船に乗っていたイギリス人の航海長ウイリアム=アダムスに引見して以来、交易に興味を持ち、
朱印状貿易を盛んにしたといいます。家康に気に入られ、三浦按針の名で召抱えられ、日本に引きとめられた彼の屋敷は、なんとこのすぐ近く、日本橋室町にあります!

また、3月8日にブログでたばこと塩の博物館で開催したガレオン船が運んだ友好の夢展の紹介をしましたが、覚えていますか?
家康が、房総沖で漂流したスペイン船を助け、スペイン領のメキシコに帰る船を提供した話がありましたが、その返礼にスペイン国王から送られたマドリード製の洋時計が展示されていて興味を引きました。
金色に輝くドームのある建物型の置時計で、ゼンマイ式の時打ち時計としては日本現存最古の品として重要文化財の指定を受けています。
精巧な作りで、いかにも理系の家康が喜びそうな一品です。

歴史的資料はいろいろな展示とつながってくるので、何度も楽しめておもしろいですね。

       

最後の展示室にいるときに地震がありました。ドーンとゆっくり横に揺れる感じでびっくりしましたが、間もなく、
「この建物は地震に耐えられる設計をしていますので落ち着いて行動してください。」とアナウンスがありました。

ちなみに、三井本館は、1929年に立てられた重要文化財指定のたてもの。
関東大震災の数倍の地震に耐えられるようアメリカの最新鋭の設計・施工技術を駆使して作られた鉄筋コンクリート構造の大建築。
壮麗、品位、簡素をモットーにし、コリント式列柱や、装飾がみごとです。

ここ日本橋は、再開発の波が押し寄せ、創業何百年を誇る老舗も次々と移転しています。
昨年の5~6月には、世界最大の建築イベント国際建築家連合2011東京大会に向けての関連企画として、
建築の街東京を開放するをテーマに日本橋でもイベントが繰り広げられました。



再開発に沸き、新旧のたてものが混在する日本橋の景観を三越のライオンはどんな気持ちで見ているのでしょう。

最新の画像もっと見る