タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

さかごなら回してみましょう

2022-11-25 20:01:37 | 産科
今週はクリスマスツリーを飾りつけました。
孫娘もお手伝いしましたよ。

タマル産では帝王切開する妊婦さんが少ないのが特徴です。
今年1年を振り返っても、たしか1人だけだったと思いますよ。
率で言うなら1%以下ということでしょうか。
1人目がさかごで帝王切開したお母さんの2回目のお産でした。
もしも病院で産むとするなら、25から30%が帝王切開ですから、
毎週のように帝王切開が行われています。

先週は予定日近くで里帰りして来られた初産婦さんですが、
43歳でさかごですよ。
普段は40歳以上の初産婦さんは受けないのですが、
里帰りで断れなかったのです。
しかもさかごですから、病院に行かれていたなら、即帝王切開になられていたでしょう。
ですが一泊入院していただいて、胎児外回転術を行い、無事にさかごから頭が下になりました。
これなら陣痛が来るのを待つだけですね。
ほら、帝王切開になるお母さんが減ったでしょう?

アメリカでは一度帝王切開をしていても、2人目は普通に産むお母さんが多いのです。
ですが最近の日本では、なかなかチャレンジできませんね。
タマル産では以前は帝王切開を受けていても普通に産んでいただいていましたが、
良かれと思ってしてあげても、逆に文句を言われてしまいますからね。

私は以前は兵庫県立塚口病院に勤務していたのですが、
過去10年分くらいの帝王切開率を調べてみたところ、
普通の病院と同じく、30%以上の帝王切開が行われていました。
部長にいたっては40%を超えていましたよ。
過去に渡って10人ほどの先生の中で私だけが10%代でした。
それでもさらに改善の余地が有ると思って開業したのです。
そして20年以上かけて、わずか1%ほどの帝王切開率に至ったというわけなのですよ。
おそらく世界一ではないでしょうか。

そうそう我が家では今週、2人目の孫が生まれました。
もちろん私が取り上げましたよ。
2人とも臍の緒がからんでいたり、引っ張られていたりで、
他院であれば帝王切開になっていたでしょうね。
これで私の人生としては、一旦区切りが付いたかな、とは思っています。


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