篠山市黒岡の「いちか」ちゃん、5月20日生まれ。
「芯の有る、自立した子になってください。
皆さん、優しかったです。」
ひらがなの名前なのですね。
お母さんもそうなのですよ。
久しぶりに梅雨らしくなりましたね。
そんな雨の中、タマル産のツバメたちは巣から旅立っていきました。
すぐに大きくなってしまうのです。
このブログ、1日の読者は300人前後も有るのですよ。
ときどきボート部の先輩産婦人科医から電話がかかってくるのです。
ブログを書き上げた瞬間なんかにです。
今日も電話がかかってきて、質問攻めですよ。
ということでプロにも読んでいただいているブログ、ということですね。
責任重大ですね。
今日は妊娠中のメンタルヘルスについて、書いてみましょう。
というのも最近も産後に心療内科に紹介したお母さんが続いたものですから。
ちょうど昨年と今年、日本産婦人科医会から、
周産期メンタルヘルスケア推進に関するアンケート調査、というのが有ったところです。
とくに日産婦の今年の目標は、メンタルヘルスと自殺予防のあたりにあるようですよ。
たしかこのアンケートも回答したように思います。
結果をお知らせしてみましょうか。
妊娠中に精神疾患と診断されていた妊婦さんはどれくらい居られると思われますか?
数パーセントだと思われますか?
実は30%なのですよ。
3人に1人は精神疾患ということになりますね。
精神科で薬を処方されている女性も多いです。
大規模なアンケート調査の結果では、約18%の女性が精神科の薬を服薬されています。
妊娠してから薬の副作用を心配される女性も多いのですが、
こんな時は1つづつ薬を調べてあげます。
それで納得されれば服用を続けられたり、授乳は諦めたりされることも有ります。
もちろん主治医と相談してからですけれど。
勝手に飲まなくなる女性も居られますからね。
昨年と今年の2年だけの調査ですが、変化が有ったのは、
要支援妊婦が増えていることと、
支援が必要な場合に自院で診るよりも、精神科に紹介する割合が増えていること、の2点です。
要支援が増えているのは、産婦人科医のメンタルヘルスへの関心の高さが高まったからと言われます。
確かに、いろんな折に広告されますからね。
そして精神科に、より早く紹介するのも、産婦人科医や助産師が単独で診ていては、
バッシングされる時代になってきているように感じていることと合致します。
これも自殺予防という観点からは、自然の流れなのでしょう。
ただし私個人の意見としては、あくまで産婦人科医も関わった方がいいとは思っています。
赤ちゃんとの関係も有りますからね。
赤ちゃんを産むということは、女性にとっては人生の一大事なのですよ。
お産は命がけ、と言いますが、肉体的にもそうでしょうけれど、
実は精神的にもそうなのです。
産後に統合失調症やうつ病を発症することが、とても多いのですよ。
お産を機に、働けなくなる女性も多いです。
あるいは産む度にやつれていったり、それがもとで離婚されたり。
男性は一生をかけてサポートしていかなければならないのにね。
おそらく皆さんが想像されている以上に、お産におけるメンタルヘルスのダメージは大きなものが有りますよ。