タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

帝王切開後の傷のケア

2017-03-27 22:05:44 | 産科
生まれたばかりの写真の中の赤ちゃんは、今日、もう退院されましたよ。
1週間は、あっという間なのですよ。

ここ最近、帝王切開が無いのですっかり忘れてしまっていましたが、
帝王切開の後の傷を、お手入れされていますか。

タマル産で産まれたお母さんには、以前は医療用シリコンでできた、
「ようかん」のようなものを買っていただいていました。
その前は何も指導していなかったのですが、
何もしないと時々、ミミズ腫れのようにケロイド状になるお母さんが居られるのですよ。
それで数千円する、シリコンのテープを勧めていたわけです。

ただシリコンのテープは、粘着力も有って、洗えば繰り返し使えるのですが、
次第に粘着力が落ちてきて、シリコンのテープ自体をさらに止めるテープが必要になっていたのですよ。
これをだいたい6ヶ月ほど使用すると、少しはましになります。
完全かと言われれば、やはり貼っていても、赤く膨れる方は居られます。
シリコンの糊というのも有るのですけれどね。

そもそも値段が高いと感じられるようです。
いったん大きく腫れると、再度その傷を切除して、
コバルトという放射線を当てるという方法で、美容外科的には治療するのですよ。
そうなれば大ごとで、費用もさらにかかるというのにね。

よく耳鼻咽喉科では甲状腺腫瘍の手術をすることが有りますが、
首の傷跡で目立つ部位ですから、薄いテープを貼るのです。
これを応用して、タマル産でも最近では、「カブレステープ」、
かぶれないテープという商品名なのですが、これを貼っていただいています。
これなら1本数百円と安く、1本有ればちょうど半年ほど保ちそうですからね。

むかし、帝王切開をした或るお母さんから、手術から何年もして手紙が来たのですよ。
それはお礼の手紙ではないのですよ。
陣痛の途中で胎児の心音が落ちてきて、緊急で帝王切開をしたのです。
急いで手術しないと、赤ちゃんが仮死で生まれてきたり、
最悪、お腹の中で亡くなってしまうことだって有るのです。
ですが元気で生まれて良かったですよ。

ところがその手紙には、傷跡がみにくくて、公衆浴場にも入れないと書いてあるのです。
ケロイド状態になっていたのでしょうね。
ただしこればかりは体質も一因です。
しかも開業当初は、傷の手入れまではお話していませんでしたからね。
というか、手入れ用のテープは、5年ほど前に売り始められたところです。

直接電話しても良かったのでしょうが、
傷は、赤ちゃんを元気で産んであげたお母さんの誇りだと自慢してあげてください、
というようなことを書いて送った記憶が有ります。

そうそう、最近、見ず知らずのおばあちゃんからお悩み相談の手紙が来て、
丁重に返事を出しておいたのですよ。
そのお礼に、次の日には畑で採れたという黒豆やら山芋やらが贈られてきましたよ。
もちろんそんなことは期待していませんでしたけれど、
そういうお付き合いは、なんだか嬉しくなりますね。

そうかと思えば、今日は、妊娠初期の妊婦さんのご主人から、
辛そうだというメールが来ました。
妊娠6週と言えば、つわりが出る時期ですからね、健診を待たずに来院してもいいのです、とお返事したところ、
安心した旨の返事がすぐに有りましたよ。
ただし若い方には、すぐに返事しないといけないのでしょうね。

話が横にそれましたが、要は、何でも相談できる関係が良いということでしょう。


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