田舎生活実践屋

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授業料(2024/5/9)

2024-05-09 22:48:28 | 田舎で読んだ本
今日の日経新聞を読んでいると、国立大学の授業料を年50万円→150万円(文系)にしないと、大学の質が保てないとの議論。
慶応義塾の学長の意見とのこと。

 私が大学受験生だった55年前は、国立大学は、授業料が安いが、生徒も父兄も共通認識。
 幸い、大学は国立大学に受かり、大学の入学要領を見た母が、授業料が月1000円、高校の1700円より安いと、驚いたり、喜んだりしたを鮮明に覚えている。
 当時は私が育った今治には、予備校も大学進学の塾も皆無。
私は、参考書も買わず、教科書と授業のノートのみで、受験体制。
 入学してみると、私のように、地方から出てきた学生は、経済的に苦しいので、国立大学に入ったという学友が沢山。
 
 国からは、当時も莫大な資金が国立大学に注がれていたのだが、そのおかげで、社会の下部から上部に移る、社会の対流現象が起こり、貧乏人と金持ちの子弟が机を並べて、お互いの良さを認め合ったりが、その後の日本の社会の連帯感を作ったように思う。

 国立大学の授業料を150万円にしては、当時の私のような貧乏人の子弟は、大学進学という進路を奪われてしまう。
 慶応義塾の創設者の福沢諭吉も中津藩の貧しい下級藩士の出で、家老職の家に生まれた同年配の若者から、妬まれて、長崎での勉学を妨げられたので、夜逃げ同然で、大阪の適塾にもぐり込み、後の大福沢に変身したもの。(福翁自伝)

 今までの日本の歴史は特に変革期、貧しい下層の人間が学問を身に着けて、世のため人のためになったことを考えると、大学の授業料150万円の議論は的外れ。

 慶応義塾の学長は、奨学金制度を給付型にして、充実させれば良いとの意見だが、仕組みが複雑・不安定で、貧しい高校生や、その父兄は、理解も活用も分からない人が大半と思う。私も結果的に日本育英会の特別奨学金を貰ったが、父母は、給付が決まってから、そういうものがあったと知ったに過ぎない。シンプルに、国立大学は安いと、今まで通り、看板を掛け続けてほしいもの。
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