「ぶらり車イス紀行」 その971
☆ 高齢者の性のあり方を考える
ある日、年2回行っている血液検査の検査結果表が手渡された。
その検査項目のすべてが基準値内に入っているので、すこぶる健康
な状態である。その時、突然、看護士さんが、
「なぜ、追加までしてPSAまで調べられるのですか?」
と聞いてきた。
*PSAとは、前立腺特異抗原腫瘍値の略で、男性が年齢を重ねる
と、発症しやすいと言われている【前立腺がん】の指標になる数値
である。検査結果は1~7の段階で示され、数値が4以上になると
治療が必要になり、数値が下がらないと死に至る怖い病気である。
その【前立腺がん】は、2014年度のデータでは、男性の死亡
原因の4位だったものが、2025年度には1位になっていると予
想される恐ろしい病気である。そして、この病気の質の悪いことに
は、親子、兄弟に遺伝すると言うことである。それが、前回の発表
から2年しか経過していない2016年度には2位にランクを上げ、
確実に1位の座に迫っている。*
話を元に戻して、
「実は、兄が【前立腺がん】で亡くなっていますので、年2回行っ
ている血液検査の時に、一緒に検査をしています」
と言って、続けて、
「4以上にならないために、気を付けることってありますか?」
と聞くと、意外な答えが返ってきた。
「したくなったら我慢せずに、放出することです」
「と言うことは、セックスをしろということですか?」
「でも、もう歳ですし、それに、面倒くさい」
と答えると、
「セックスとは限りません。オナニーでも構いません」
「肝心なのは、歳だからといって我慢すると、それが溜まって腐り、
腐ったものがし、転移してガン化する」
「だから、これからの時代は、いくつになっても人間には性的欲求
は存在するということを受け入れることが大切です。歳をとっても
身体は元気、心も元気であれば、性欲を持ち続ける人は、一生持ち
続けても当たり前です」
「この間も、80歳過ぎのご婦人が、先生、したくてしたくて仕方
ない日があるんですけど、可笑しいでしょうか?。と聞いておられ
ましたよ」
と言っていましたが、先生がなんと答えられたのか、大事なことを
聞きそびれた。大失態である。
それから2~3日して、リハビリの理学療法士(PT)さんに、
血液検査の報告からPSAの話、そして、いつしか80歳過ぎのご
婦人の話に及んでいた時、PTさんから、またもや意外な話が飛び
出した。そのPTさんが言うには、
「以前勤めていた老人ホームの90歳の女性の介護士さんは、泊ま
り勤務になると、オナニーをすると言っていた」
と言う。だから、80歳過ぎのご婦人の話は普通にあっても不思議
ではないと言う。
性欲の格差は男女間でも、世代間でもあって当然である。だから、
自分に性欲がないからといって『もう歳だから』とか『面倒くさい』
とかを連発するのは如何なものかと言うことである。欲求を満たす
ためだけでなく、信頼関係を維持するための高齢者の性のあり方で
あって欲しい。
たかし でした。
☆ 高齢者の性のあり方を考える
ある日、年2回行っている血液検査の検査結果表が手渡された。
その検査項目のすべてが基準値内に入っているので、すこぶる健康
な状態である。その時、突然、看護士さんが、
「なぜ、追加までしてPSAまで調べられるのですか?」
と聞いてきた。
*PSAとは、前立腺特異抗原腫瘍値の略で、男性が年齢を重ねる
と、発症しやすいと言われている【前立腺がん】の指標になる数値
である。検査結果は1~7の段階で示され、数値が4以上になると
治療が必要になり、数値が下がらないと死に至る怖い病気である。
その【前立腺がん】は、2014年度のデータでは、男性の死亡
原因の4位だったものが、2025年度には1位になっていると予
想される恐ろしい病気である。そして、この病気の質の悪いことに
は、親子、兄弟に遺伝すると言うことである。それが、前回の発表
から2年しか経過していない2016年度には2位にランクを上げ、
確実に1位の座に迫っている。*
話を元に戻して、
「実は、兄が【前立腺がん】で亡くなっていますので、年2回行っ
ている血液検査の時に、一緒に検査をしています」
と言って、続けて、
「4以上にならないために、気を付けることってありますか?」
と聞くと、意外な答えが返ってきた。
「したくなったら我慢せずに、放出することです」
「と言うことは、セックスをしろということですか?」
「でも、もう歳ですし、それに、面倒くさい」
と答えると、
「セックスとは限りません。オナニーでも構いません」
「肝心なのは、歳だからといって我慢すると、それが溜まって腐り、
腐ったものがし、転移してガン化する」
「だから、これからの時代は、いくつになっても人間には性的欲求
は存在するということを受け入れることが大切です。歳をとっても
身体は元気、心も元気であれば、性欲を持ち続ける人は、一生持ち
続けても当たり前です」
「この間も、80歳過ぎのご婦人が、先生、したくてしたくて仕方
ない日があるんですけど、可笑しいでしょうか?。と聞いておられ
ましたよ」
と言っていましたが、先生がなんと答えられたのか、大事なことを
聞きそびれた。大失態である。
それから2~3日して、リハビリの理学療法士(PT)さんに、
血液検査の報告からPSAの話、そして、いつしか80歳過ぎのご
婦人の話に及んでいた時、PTさんから、またもや意外な話が飛び
出した。そのPTさんが言うには、
「以前勤めていた老人ホームの90歳の女性の介護士さんは、泊ま
り勤務になると、オナニーをすると言っていた」
と言う。だから、80歳過ぎのご婦人の話は普通にあっても不思議
ではないと言う。
性欲の格差は男女間でも、世代間でもあって当然である。だから、
自分に性欲がないからといって『もう歳だから』とか『面倒くさい』
とかを連発するのは如何なものかと言うことである。欲求を満たす
ためだけでなく、信頼関係を維持するための高齢者の性のあり方で
あって欲しい。
たかし でした。