Poem&Poem

詩作品

ちいさなひと

2013年02月17日 14時25分45秒 | My poem


二人で歩き出した時間のなかで
いつのまにか
四分の一くらいの歩幅で
歩いているちいさなひとは誰?

太古からの時間を潜り抜けて
そこから進化の時間を
生きているような
桃色の産毛のあるひとは誰?

わたくしたちは
あのうつくしいひとの序章なのかもしれない
ゆっくりと歩いてみよう
あのちいさなひとの歩幅くらいに

 *   *

あたたかな夜の闇のなかで
ふいに泣きだしたちいさなひとを
こわがらせるものはなんだろう?
わたくしたちがふと君の存在を忘れたのか
それとも闇の重さ
それとも窓辺の風の音

生きている
汗をかいているひと
生きていることはこわくないと
わたくしたちはちいさなひとにささやく
ささやきながら
わたくしたちはおそれる。

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