Poem&Poem

詩作品

楽園

2012年11月16日 21時54分50秒 | My poem




「ここが楽園」と呼ばれた時から
そこはすでに植民地となる運命にある
天地、川 海 山 森 人間 けもの 草木 風 ひかり
原始の野蛮な神々が造りたもうたものは
聖なる神にとって替わろうとする
しかし
世界創造の神話はどこでも似ている
すべては巨大な火の胎内から生まれ出る

王さまの崩御
支配国の侵略
古い神話は葬られ
別の古い神話にすり替えられる
美しい野生の楽園はどこにあるのか?

文明正しき支配国から
植民地の野蛮性を求めたとして
その男はどちらからも他者となるだけだった
愛がどのようなものだったか?
ノアノア 黒い肌の娘  
深まったのは白い肌の男の孤独だけ・・・

海をめぐり
島をめぐり
男が生涯の最後に描いたものは
巨大な疑問符のような絵画だった
死 生誕 禁断の木の実 孤独な黒犬 聖女あるいは娼婦?
涙する楽園の風景

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